Friday, October 27, 2023

おもしろい補助動詞 -3 <くれる><やる><あげる><もらう>

 

受益表現の「くれる」「やる」「あげる」「もらう」(Wiki)
 
についてはかなり前のポストでいろいろ書いている。
 
Give and Take  or <与える>と<取る>(2012)
xxてもらう、xxてくれる、xxてやる (2012)
Give and Take - 2, やる、くれる、あげる、さしあげる、もらう、いただく、くださる (2013)
 
読み返してみたがおもしろい。

Wiki の<くれる>、<やる>、<あげる>、<もらう>以外に、敬語だが、さしあげる、いただく、くださる、がある。

xxしてさしあげる
xxしていただく
xxしてくださる

さらには時代劇でぐらいしか聞かないが

xxしてつかわす

と言うのがある。コンピュータワープロでは<つかわす=遣わす>と出てくるので<遣 (や)る>だ。

これも補助動詞だ。

https://www.weblio.jp/content/%E9%81%A3%E3%82%8F%E3%81%99

補助動詞動詞連用形助詞「て」を添えた形に付いて相手対す動作尊大な気持ち含めて表す。…してやる。「書いて—・す」「ほめて—・す」

 
<くれる>、<やる>、<あげる>の原意は to give、<もらう>の原意は to be given  になる。

<xxてくれる>は to be given ー> to be done for me に近い意味になる。別の使い方もある。

 痛い目にあわせてくれる (ぞ) ー これは<痛い目をくれるぞ>であれば to give で元の意味が残っているが、<あわせてくれる>とすると to give の意味はなくなっている。

<xxてやる>、<xxてあげる>は to give ー> to do for you に近い意味になる

 
受益表現で敬語が発達したのは<受益>がらみだからだろう。受益表現の反対の被害表現も発達しているがこちらは受動形の動詞が使われる。敬語用法以外では上記の
  
痛い目にあわせてくれる (ぞ) 。

 痛い目にあわせてやる。
今回は負けたが、次は勝ってやる。
 
のような、元の意味から離れて、啖呵を切るような言い方や意気込み表わす言い方がある。
 
<やる>は多義語でおもしろい動詞で、補助動詞用法を含めて別途検討予定。
 

sptt

 

No comments:

Post a Comment