Friday, November 29, 2024

複合動詞<xxなおる>、<xxなおす>の英語表現

複合動詞<xxなおる>、<xxなおす> をざっと調べてみたが<xxなおす>が圧倒的に多い。そして<xxなおす>は意味は少しずれるのだが、英語では<xxagain>と訳せるものが少なくない。

日本語では<なおる> は書き言葉では<直る>、<治る>、<なおす>は<直す>、<治す>と書いて区別し、<治る>、<治す>は病気、医療関係に使われるが、耳で聞けば<なおる>、<なおす>で区別はない。とにかく複合動詞としての<xxなおる>、<xxなおす>をチェックしてみる。アイウエオ順。

<xxなおる>

居直る  自動詞  慣用表現
開き直る 自動詞  慣用表現
立ち直る 自動詞  to recover

持ち直る 自動詞  to recover <持ち直す>でもいい。
向き直る 自動詞   ネット辞典では to turn around と出てくるが、180度とは限らないか? <向き直す>でもいい。

追加予定

<xxなおす>

<xxなおす>は汎用性が高く、意味が成せばどんな動詞にでもつく。

洗い直す  to wash again
言い直す  to say again in a correct way, in a better way
行き直す  to go again
教え直す  to teach again
思い直す  to reconsider

買い直す  to buy again
書き直す   to rewrite
考え直す  to think again、to rethink、to change the thought
聞き直す  to listen something again
組み直す  to reconstruct、to reorganize

し直す   to do something again、to make something again
座り直す  to change the sitting position

食べ直す  to eat again
作り直す  to make something again, to remake
立て直す  to rebuild、to reconstruct、to recover
出直す   to go again、場合により to come again、to re-start

並べ直す  to realign、to rearrange
寝直す   to sleep again
飲み直す  to drink again

学び直す  to study again、to learn again
見直す   to see something in a different way、to review
持ち直す  to change the holding position (文字通り) 、to recover(慣用)
やり直す  to do something again、to make something again、to rework
読み直す  to read again (from a different point of view)

追加予定 (いくらでもある)

 1)<直す>自体には to correct <間違いを正す>の意がある。あるいは<あらためて、もう一度xxする>の意がある。したがって、単なる again (再び) ではない。<間違いを正す>で、<間違い>を病気 (一種の身体機能の間違い) とすれば、<病気を正す>、<身体機能の間違いをなくす>で<病気を治す>になる。自動詞用法を使えば、<身体機能の間違いが正される>で<病気が治る>になる。

また<直す>と<治す>の違いだが、上の論議を機械に当てはめると

 間違い ー> 故障、不具合 (機能の間違い) 

となる。

故障を直す、不具合を直す

<直す>が使われるようだが、何か変な感じだ。<治す>も変だ。

2)英語の re-xxxx  の<re>はラテン語系の動詞に現れるが、主に again の意だ。一音節なので経済的。

3)<xxなおる>が<xxなおす>に比べて極端に少ない理由。

 <xxなおる>は、上の例では<自動詞+自動詞>構成で、複合動詞としても自動詞になる。

立ち直る 自動詞  (自動詞+自動詞)

<立ち直す>はなく、<立て直す><他動詞+他動詞>になる。<立て直る>もない。 

持ち直る 自動詞  (自動詞+自動詞) 

<xxが持ち直る>でも、 <xxが持ち直す>が使われる。自動詞。<xxを持ち直す>他動詞。

詳しい理由、経緯がよくわからないが、ちょっと調べた限りでは、これは他の動詞にもあてはまり、<xxなおる>が<xxなおす>に比べて極端に少ない表面上の理由だ。

向き直る 自動詞  (自動詞+自動詞) 

太郎は向き直った。

と

太郎は向き直した。

は同じような意味で、 単独の<向き直す>は他動詞っぽいが、<太郎は向き直した>は自動詞っぽい。

よくわからない、曖昧なので、もう少し調べてみた。

止まった時計が動き始めた、動き出した。 自動詞+自動詞

が普通の言い方だが、<xxなおる>、<xxなおす>にこだわれば

止まった時計が動き直った。 自動詞+自動詞

とはなんとか言えそう。さらに

止まった時計が動き直した。自動詞+他動詞

とも言え、しいていえば<止まった時計が動き直した>を使いそう。この場合<動き直す>は<自動詞+他動詞>構成だが、複合動詞として明らかに自動詞だ。

生き返った。 自動詞+自動詞

が普通の言い方だが、言い換えると

生き直った。
生き直した。 

で、どちらかと言えば<生き直した>を使いそう。

上の<xxなおす>の例では

座り直す  自動詞+他動詞

<座り直る>は純自動詞的だが、ほとんど使われず普通は<座り直す>が使われる。

細かいことを言えば

座る = to sit で日本語も英語も自動詞。しかしながら to sit は to set oneself と他動詞を使った表現も可能だ。あるいはこういう他動詞表現が脳裏にある。

並べ直す  自動的に、放っておいても<並び直る>場合があるのだが、ほとんど聞かない。 

日本語文法では、よくわからない<自発の助動詞>というのがあるが、<並び直る>はある意味では<自発表現>と言える。もっとも、このような自動詞は基本的に自発的だ。

もう少し例文を作ってみた。

船は一度は沈んだが、浮かび直ってきた。 <浮かび直してきた>でもいい。普通は<浮かび上がってきた>。

二人は一旦は離れるが、近づき直ってくるだろう。普通は<近づき直してくるだろう>か。

今は失業中だが、間もなく働き直る。普通は<働き直す>。

その機械はしばらく止まっていたが、今動き直った。普通は<今動き直した>。もっと普通は<今動き始めた>。

成績が / は一旦は下がったが、最近上がり直ってきた。 普通は<上がり直してきた>。


つまりは、元来<xx直る>が<xx直す>で置き換えらているものが少なくないようだ。

 

sptt

 

Thursday, November 28, 2024

複合動詞<xx離れる>、<xx離す>と英語の<xx off>

前回のポスト " 日本語の複合動詞と英語の<動詞+副詞>、複合動詞<xx 去る>、<xx away> " で

<なくす、見えなくする>は away、off が使われるか?away は遠くに離れて行って見えなくなる感じ。off の方は近視眼的に<切り離れる>、<切り離す>の感じだ。おそらく<xx離れる>、<xx離す>で多く出てくるだろう。この off が (を) 使いこなせるようになれば英語は一人前と言える。

と書いたが、忘れないうちに<xx離れる>、<xx離す>と<xx off>の関係を調べてみる。 <xx離れる>、<xx離す>以外では<外 (はず) れる>、<xx 外す>が関連ありそう。ざっと調べてみたが、これは予想外に少ない。一方<xx 去る>は<xx離れる>、<xx離す>よりはるかに多い。

1.<xx離れる>、<xx離す>

 <xx離れる>

かけ離れる  to go far (away)

<xx離す>

切り離す  to cut off
突き離す(突き放す)  to push away
引き離す  to pull off、to pull apart
見離す(見放す)  to abandon

<外 (はず) れる>、<xx 外す>

<xx 外れる>、

取り外れる  to be removed、 to come off  <(シャツのボタン)がとれる>

<xx外す>

取り外す  to remove
振り外す  to shake off

(追加予定)

 <予想外に少ない>理由は、これらは主に普通、複合動詞の形ではなく、

xxして(すると)離れる  押して (押すと) 離れる 
xxして離す   押して離す、引いて離す、叩いて離す(叩き離す)

xxして(すると)外れる  押して (押すと) 離れる 
xxして外す  押して外す、引いて外す、叩いて外す(叩き外す)

のような言い方になるからだ。なぜだかよくわからない。

これに反して、おもしろいのは off (オフ) がそのまま日本語で使われるケースが少なくない。

オフリミット  off limit
オフレコ  off record(ding)
シーズンオフ  season off   オフシーズン と言うのもある。
スピンオフ  spin off
プレイオフ  play off  スポーツ用語
リードオフマン  lead off man  野球用語
<サヨナラ試合>は walk off (立ち去る) game と言う   野球用語

 使用頻度は高くないが

オフバランス  バランスシート外
トレイドオフ  あちらが立てばこちらが立たずの関係

と言うのがある。

 

 追記

 <xx 去る>

 

 

sptt


 


Tuesday, November 26, 2024

日本語の複合動詞と英語の<動詞+副詞>、複合動詞<xx 去る>、<xx away>

 

最近シリーズ的に日本語の複合動詞をチェックしてきたが、日本語の複合動詞はきわめて豊富。おそらく相当長い時間をかけてもチェックし切れないだろう。<し切れない>も複合動詞<し切る>を使った言い方だ。日本人であれば、無意識に数多くの複合動詞をほぼ間違いなく使いこなして言語生活をしてる。(使いこなす>も複合動詞)。これまでチェックしたものを、タイトルを使って並べてみると、古い順に

複合動詞<xx 去る>、<xx away>
複合動詞 <xx 払う、はらう>
<出る、出す>と<入る、入 (はい) る、入れる>の複合動詞
<込む>、<込める>の複合動詞
<xxつまる>、<xxつめる>の複合動詞
<はてる、果てる>、<はたす、果たす>の複合動詞
複合動詞<xxかえる>
複合動詞<xxきる>
複合動詞<xx尽きる>、<xx尽くす>
飽きる、飽かす(明かす)

まだまだありそうだが、主要なものは上に含まれている。上のポストでも時々言及しているが、日本語の複合動詞と英語の<動詞+副詞>は対比できるものが少なくない。上のポストでは日本語の複合動詞探しにかなりの時間を使ったので、特に英語の<動詞+副詞>との対比に時間をかけていない。今回以降は英語との対比に重点を移して、再検討することにした。

最初の

複合動詞<xx 去る>、xx away> 

はタイトルにこの対比がある。ネット日英辞典に頼ることになるが、コピー / ペイストではない。

 <自動詞+去る>

崩 (くず) れ去る
過ぎ去る
立ち去る
飛び去る
流れ去る
逃げ去る
走り去る

<崩 (くず) れ去る>は例外で、<崩れて、そして去る>ではなく跡形もなく、すっかり崩れる>といった意味だ。

<立ち去る>は何かおかしい感じがする。調べてみたが<(居座っていた人が立って去る>の意のようだ。その他は 

過ぎ去る  通り過ぎて去る  to pass だと<過ぎる>になるが、to pass away だと通常別の意味になる。  過ぎ去ると見えなくなる。(以下同じ)
飛び去る  飛んで去る、飛びながら去る to fly away
流れ去る  流れながら去る to flow away
逃げ去る  逃げて去る to flee away
走り去る  走って去る、走りながら去る to run away

で<xx away>が対応する。

 <他動詞+去る> 

 <xx away>と書いているが、他動詞なので、実際は<toxx(動詞) something away>となり、自動詞と違って、away は副詞色が濃くなる。

洗い去る  洗い流してなくす
奪い去る  奪って去る。強盗。ひったくり。  
置き去る  置いてさる。<置き去 (ざ)り>という慣用句がある。
切り去る  切り取ってなくす。
消し去る  消してなくす。都合の悪い箇所を消し去る、すべて消し去る。
取り去る  取りのぞく。取り除いてなくす。不純物を取り去る。
流し去る  流してなくす。溝にたまった泥を流しさる。
抜き去る  xx(誰だれ)を抜いて行く、去る。
脱ぎ去る  脱いでなくす。古い習慣を脱ぎ去る(脱ぎ捨てる)。
拭 (ぬぐ) い去る  拭ってなくす。
運び去る  モノを運んで去る。元の場所にはモノはなくなる。
拭 (ふ) き去る  拭いてなくす。
吹き去る  吹き飛ばし去る。吹き飛ばしてなくす。
葬 (ほうむ) り去る  葬 (ほうむ) ってなくす。必ずしも殺人 (殺して見えなくする) とは限らない。<見えなくする>の強調ともいえる。
持ち去る  モノを持って去る。元の場所にはモノはなくなる。
破り去る   破ってなくす。十分に破いて、元の形がなくなる。届いた不合格通知を破り去った。
忘れ去る  忘れて、記憶からなくす。

 <他動詞+去る>の方は

1)xx(を)して去る、<去る、to go away>の意味。

と

2)xx(を)xxして<すっかり>なくす、見えなくする。

があるようだ。<すっかり>は副詞で、英語では thoroughly, completely というのがある。<なくす、見えなくする>は away、off が使われるか?

<人が去る、to go away>の意味があるのは

奪い去る  奪って去る

to rob away は見つからなかったが、to steal away はある。

受験生泣かせだが to rob は

to rob someone of something のように使う。また、to rob は強盗、to steal は泥棒、空き巣がする。

置き去る  xxを置いて去る 英語は leave it で<置き去る>の意があるようで、to leave it away とは言わない。

<置き去る>は<意図的に置いて去る>と<置き忘れて去る>の場合があるが、後者の場合は<去る>のない<置き忘れる>でいいようだ。英語の to leave it の場合は<置き忘れる>も意味するか?英語の <to leave>はやっかいな動詞で以前に ” 英語の to leave は多義語”  というポストを書いたことがある。

<置き去 (ざ)り>もおもしろい言葉だ。普通は<置き去りにする>、<置き去 りにされる>で使う。

抜き去る  <AがBを追い抜いて去る>で他動詞だが自動詞のような感じだ。<away>の意味がある。to pass away は<死ぬ、亡くなる>なので、注意。<AがBを追い抜いて去る>と長いが、英語では

to pass で<抜いて行く><追い抜く>の意がありそう (to go past or across; to leave behind) 。マラソン中継の英語解説で何度も出てくるだろう。ネット辞典では

to pass: 通る,通り抜ける,通り過ぎる,追い越す,抜き去る. (末尾参照)

というのがある。

<抜き去る>には<抜き取り去る>の意味もあり、この場合は to pull out。

運び去る  運んで去る

持ち去る  他人の物を<持ち去る>が多いようで、<盗み去る(盗んで去る)>のような感じだ。<持ち去る>は英語のマクドナルドや KFC の<take away>相当だが、日本語では<お持ち帰り>になっている。<持ち去り>では客が泥棒のようになる。<お持ち帰り>は定着しているが、私が住む香港ではいろいろある、というかいろいろあった。ひと昔前は<take away>の訳語と思われる<レン走, ling1 zau2 (拎走)>、一時<行街 haang4 gaai1>というのを聞いたが、最近は<外売、ngoi6 maai6 (外賣)>が定着しているようだ。北京語は<外売>のようだ。

<持ち去る>の<去る>も<away>の意が残っている。

これらの動詞には大体<去る、離れて行く、away>の意味はあるが、どうもそれだけではないようだ。<離れて行く、away>以外にどんな意味があるかというと、それは<すっかり、ない>、<跡形もなく、ない>、<徹底的に>といった副詞的な意味で、一種の強調。

跡形もなく消し去った
跡形もなく壊 (こわ) し去って行った
すっかり忘れ去った

<なくす、見えなくする>は away、off が使われるか?away は遠くに離れて行って見えなくなる感じ。off の方は近視眼的に<切り離れる>、<切り離す>の感じだ。おそらく<xx離れる>、<xx離す>で多く出てくるだろう。この off が (を) 使いこなせるようになれば英語は一人前と言える。

洗い去る  to wash away

切り去る  to cut away

消し去る  to erase で十分のようだが、to erase away、to erase off でもよさそう。<xxから、from xx>とした方が明確だ。

取り去る to take something away

取り除く to remove

to take off は

1.(of an aircraft or bird) become airborne. 

"the plane took off from the runway"

自動詞で、(飛行機などが)離陸する。

2.to remove clothing from one's own or a body of someone else

"she took off her cardigan."

他動詞で、(衣服を) 脱ぐ。

流し去る  to wash away   <洗い去る>と同じ。to flow away は自動詞で<流れ去る>

脱ぎ去る   上記の to take off 参照。

拭 (ぬぐ) い去る、拭 (ふ) き去る  to wipe away でいいだろう。to wipe out はもっと力ずくで、強力。

運び去る  to carry away

吹き去る  吹いて取り除く,吹き飛ばし去る to blow off。  

 

<xx去る>にはなかなかいい言葉がある。上でとりあげた<忘れ去る>以外では

消し去る  消し去ることのできない罪悪感
過ぎ去る  楽しい時間は過ぎ去った。
拭い去る  この汚名はきっと拭い去る。

忘れ去る  頭の中にあるモノが<to go away, gone away>。 だが<忘れ去る>は<すっかり忘れる>の意味も含んでいる。 


末尾

to pass は多義語

verb
  1. move or cause to move in a specified direction.
    "he passed through towns and villages"
    synonyms: go, proceed, move, progress, make one's way, travel, drive, fly, run, flow, course, stream, roll, drift, sweep
  2. go past or across; leave behind or on one side in proceeding.
    "on the way to the station she passed a cinema"
  3. (of time) elapse; go by.
    "the day and night passed slowly"
    synonyms: elapse, go by, go past, proceed, progress, advance, wear on, slip by, slip away, roll by, glide by, tick by
  4. transfer (something) to someone, especially by handing or bequeathing it to the next person in a series.
    "your letter has been passed to Mr Rich for action"
    synonyms: hand, let someone have, give, hand over, hand round, reach, transfer, convey, deliver, throw, toss, chuck, bung
  5. (of a candidate) be successful in (an examination, test, or course).
    "she passed her driving test"
    synonyms: be successful in, succeed in, gain a pass in, get through, come through, meet the requirements of, pass muster in, qualify, graduate, come up to scratch in, come up to snuff in, sail through, scrape through
  6. (of a legislative or other official body) approve or put into effect (a proposal or law) by voting on it.
    "the bill was passed despite fierce opposition"
  7. pronounce (a judgement or judicial sentence).
    "passing judgement on these crucial issues"
    synonyms: declare, pronounce, utter, express, deliver, issue, set forth
  8. discharge (something, especially urine or faeces) from the body.
    "she may have difficulty in passing urine"
    synonyms: discharge, excrete, eliminate, evacuate, expel, emit, void, release, let out
  9. forgo one's turn in a game or an offered opportunity to do or have something.
    "we pass on pudding and have coffee"

sptt

日本語の複合動詞と英語の<動詞+副詞>、複合動詞 <xxこなす>

 

最近シリーズ的に日本語の複合動詞をチェックしてきたが、日本語の複合動詞はきわめて豊富。おそらく相当長い時間をかけてもチェックし切れないだろう。<し切れない>も複合動詞<し切る>を使った言い方だ。日本人であれば、無意識に数多くの複合動詞をほぼ間違いなく使いこなして言語生活をしてる。(使いこなす>も複合動詞)。これまでチェックしたものを、タイトルを使って並べてみると、古い順に

複合動詞<XX 去る>、<XX away>
複合動詞 <XX 払う、はらう>
<出る、出す>と<入る、入 (はい) る、入れる>の複合動詞
<込む>、<込める>の複合動詞
<xxつまる>、<xxつめる>の複合動詞
<はてる、果てる>、<はたす、果たす>の複合動詞
複合動詞<xxかえる>
複合動詞<xxきる>
複合動詞<xx尽きる>、<xx尽くす>
飽きる、飽かす(明かす)

まだまだありそうだが、主要なものは上に含まれている。上のポストでも時々言及しているが、日本語の複合動詞と英語の<動詞+副詞>は対比できるものが少なくない。上のポストでは日本語の複合動詞探しにかなりの時間を使ったので、特に英語の<動詞+副詞>との対比に時間をかけていない。今回以降は英語との対比に重点を移して、再検討することにした。

ちなみに、上の<使いこなして>ー><使いこなす>、<xxこなす>を例にとると、

<xxこなす>は汎用性があり、<こなす>の三音節、一語で<訓練して上手くできる、できるようにようになること>を表しており、英語でいえば

to do something skillfully
to manage to do something skillfully

副詞 skillfully が肝要だが、<ある程度の時間をかけて訓練して(by practice for a certain time)>も必要だ。

汎用性があると言っても上のような条件のもとに使える。

私の息子は自転車が乗りこなせるようになった。
私の娘は着こなしがうまい。
この道具が使いこなせるようになるには時間がかかる。

汎用性を示せば

練習してカヌーが (を) 乗りこなせるようになった。
たくさん練習していろいろな歌が (を) 歌いこなせるようになった。

 

sptt

 

<勉強は飽きる>は正しい日本語か?

 

前回のポスト<飽きる、飽かす(明かす)>の初めの方で

”

調べてみると

(to) bore

という他動詞があり、<飽きさす>という意味、したがって

Math bores me.

で

数学は私を飽かす。

古語調、超翻訳調だが、なんとかなる。

数学は私を飽きさせる。

なら少しいい。

動詞 bore の形容詞は boring で、これはよく聞く。

Math is boring.

が普通のいい方。これを日本語にすると

数学は飽き飽きする。
数学は飽きる。

”

と書いた。特に気をつけて書いたわけではないが、後から<数学は飽きる> がかなり特殊な言い方であることに気がついた。

数学は飽き飽きする。
数学はうんざりする。 

の方が<数学は飽きる>より普通のようだが、上の二つは

数学には飽き飽きする。
数学にはうんざりする。 (<うんざり>の語源は諸説ある)

の方がもっと普通ではないか。一方

数学には飽きる。

はやや変だ。

数学は飽き飽きする。
数学はうんざりする。 

は一般叙述で、実際の発話場面は個人的な嘆きのようで

私は数学には飽き飽きする。
私は数学にはうんざりする。 

がフル文のようだ。<私は>は多くは省略される。

文脈としては

私は、数学に、飽き飽きする。
私は、数学に、うんざりする。

<飽き飽きする>、<うんざりする>のは<私>だ。

<に>がない

私は数学は飽き飽きする。
私は数学はうんざりする。

とはまず言わない。  それでは<私は>にない

数学は飽き飽きする。
数学はうんざりする。 

の場合<飽き飽きする>、<うんざりする> は何か?

一見、形容詞のようで

数学はおもしろくない。
数学はつままらない。

相当だが、<する>があるので動詞だ。 

数学が飽き飽きする。
数学がうんざりする。 

とは言わないが、<を>を取らない、取れないので、<飽き飽きする>、<うんざりする>は自動詞だ。このような自動詞の使い方は、英語にもある.。

These apples sell well.  これらの(ここにある)リンゴはよく売れる。
This car runs well.  この車はよく走る。

数学は飽き飽きする。

の場合、英語では、初めに書いたように、普通

Math is boring.

で、動詞 to bore 由来の形容詞 boring が使われる。動詞由来、かつ動名詞形なので<飽きさせる>の意が残っているが、形容詞扱いだ。

さて<数学は飽きる>だが、<数学は飽きる>は一般叙述。人をからませると

私は数学に飽きる。

で

私は数学は飽きる。

とはいわない。

私は、数学に、飽き飽きする。
私は、数学に、うんざりする。

と同じだ。違いは<飽き飽き+する>、<うんざり+する>と複合動詞的なの対して<飽きる>は単独動詞であることだ。

数学は飽き飽きだ。
数学はうんざりだ。  

ともいえるが、これも<飽き飽き+だ>、<うんざり+だ>と複合動詞的だ。

もっとも、<だ>のない

数学は飽き飽き。
数学はうんざり。

ともいえ、この場合は<動詞性>がなくなる。これからしても<飽きる>は特殊だ。

 数学は飽き。

とは言えない。あくまで<動詞>として使われる。 <飽きる>の仲間は、少し調べた限りでは、きわめて少ない。

数学は飽きる。
太郎は数学に飽きる。

もっと一般的に

勉強は飽きる。
太郎は勉強に飽きる。

<飽きる>以外をさがしてみたが

仕事は疲れる。
花子は仕事に疲れる。

の<疲れる>しか見つからない。<くたびれる>もほぼ同じ。

(継続チェック予定)

<困る>が候補。 同じような意味で<弱 (よわ) る>がある。

次郎は金に困る。 

と言えるが

金は困る。

変だ。

次郎は金がないのに困る。
金がないのは困る。

はいいが、<金がないのは困る>は

勉強は飽きる。

と文構造が違う。

いじめは困る。
次郎はいじめに困る。

はよさそう。

ニュアンスが弱いが

酒は溺 (おぼ) れる。 (アル中)
三郎は酒に溺(おぼ) れる。

<飽きる>、<疲れる>、<困る>、<溺れる>はみな独立自動詞。なぜか否定的、悲観的な意味が濃い。


sptt


 

 

 


 

 

 

 

 

 

Monday, November 25, 2024

飽きる、飽かす(明かす)

このところ(最近のポストで)複合動詞について、多くは再チェックして書いているが、意外とおもしろい。前回では<xx尽きる>、<xx尽くす>をチェックしたが、次から次と疑問が出てきて、はっきりした結輪がでないまま尽きた。

 <xx尽きる>、<xx尽くす>のチェック中に出てきたのだが、同じような複合動詞に<xx飽きる>、<xx飽かす>がある。<xx飽かす>の方は、自動翻訳では往々にして<明かす>が出てくる。<xx飽きる>、<xx飽かす>はこれまた、おもしろい複合動詞のようなので、忘れないうちに、少し詳しく検討することにした。

ーーーーー

 簡易ネット翻訳で<飽きる>をインプットすると

 ( to) get bored

と出てくる。 <飽かす>は

(to) satiate

とあまり見慣れない語がでてくる。get bored の bored は to bear の受身形のようだが

(to) bear

に<飽きさす>の意味がない。 bear - bore - born と受験生泣かせの変な活用をする。

She bore two children.

I was born in the year of xxxx.

調べてみると

(to) bore

という他動詞があり、<飽きさす>という意味、したがって

Math bores me.

で

数学は私を飽かす。

古語調、超翻訳調だが、なんとかなる。

数学は私を飽きさせる。

なら少しいい。

動詞 bore の形容詞は boring で、これはよく聞く。

Math is boring.

が普通のいい方。これを日本語にすると

数学は飽き飽きする。
数学は飽きる。

だが、これは実際には基本的に間違いで

High IQ の生徒ならいいが、普通または普通以下のIQ生徒では、わかりすぎて、簡単すぎて<飽きる>のではない。語源は調べていないが<うんざりする>なら <わかりにくくて嫌になる>の意にもなる。

Math is boring. も<わかりすぎて、簡単すぎて飽きる>の意にも<わかりにくくて嫌になる>の意もあうだろう。

やや詳しいネット辞典でチェックしてみると

飽きる

”

デジタル大辞泉 「飽きる」の意味・読み・例文

あ・きる【飽きる/×厭きる/×倦きる】

[動カ上一]《動詞「あ(飽)く」(四段)の上一段化。近世後期、江戸で使われはじめた語》
1 多すぎたり、同じことが長く続いたりして、いやになる。「勉強に―・きた」「彼の長話に―・きた」
2 十分に味わったり経験したりして、それ以上欲しくなくなる。「牛肉を―・きるほど食べたい」
3 動詞の連用形に付いて、いやになるほど十分に…するの意を表す。「見―・きる」「聞き―・きる」→飽く

”

三番目がこれから検討する複合動詞用法。

<いやになるほど十分に…する>は

十分に…していやになる

でもいいだろう。<いやになる>がキーワードだろう。

ところで、 

数学は飽きる。

は文法的におもしろい表現で、この<飽きる>は動詞か?はたまた形容詞?上のネット辞典では形容詞としての解説はでてこない。横道にそれるので、別途検討としておく。


飽かす

 ”

デジタル大辞泉 「飽かす」の意味・読み・例文・類語

あか・す【飽かす】

[動サ五(四)]

 1 (多く「…にあかして」の形で)ありあまっているものを十分に使う。ふんだんに使う。「金と暇に―・して収集する」
2 飽きさせる。「聴衆を―・さない話

 ”

でやや特殊。 複合動詞用法の説明がない。むしろ複合動詞用法は主ではないか。一方<飽かす>関連で<明かす>もネット辞典でざっとチェックしてみたが、複合動詞用法の説明は見つからなかった。

ということでチェックしてみる。 例によってアイウエオ順に並べてみる。

愛し飽きる  愛し飽かす  愛し明かす
遊び飽 (あ) きる  遊び飽かす  遊び明かす
歩き飽きる  (歩き飽かす)
言い飽きる  (言い飽かす)
行き飽きる  (行き飽かす)
生き飽きる  (生き飽かす)
いじめ飽きる  いじめ飽かす
いつわり飽きる  いつわり飽かす
歌い飽きる  (歌い飽かす) 歌い明かす
おどし飽きる  おどし飽かす

(悲しみ飽きる)  悲しみ飽かす 悲しみ明かす
書き飽きる  (書き飽かす)
考え飽きる  (考え飽かす} 考え明かす
聞き飽きる  (聞き飽かす)
恋いし飽きる  恋いし飽かす 

し飽きる   し飽かす  し明かす
xxし飽きる  xxし飽かす  xxし明かす
(例:愛し飽きる  愛し飽かす  愛し明かす)
知り飽きる   知り飽かす  知り明かす

楽しみ飽きる  楽しみ飽かす  楽しみ明かす
食べ飽きる  食べ飽かす  (食べ明かす)

立ち飽きる (立ち飽かす) 立ち明かす
取り飽きる  取り飽かす  取り明かす

泣き飽きる  (泣き飽かす)  泣き明かす
嘆き飽きる  (嘆き飽かす)  嘆き明かす

飲み飽きる  飲み飽かす  飲み明かす
眠り飽きる  眠り飽かす  (眠り明かす)

走り飽きる  (走り飽かす)
働き飽きる  (働き飽かす)
話し飽きる  (話し飽かす)
(笛を) 吹き飽きる  吹き飽かす  吹き明かす
(ほらを) 吹き飽きる  吹き飽かす  吹き明かす

学び飽きる (学び飽かす)
見飽きる  (見飽かす) 見明かす

やり飽きる  やり飽かす  やり明かす
読み飽きる  読み飽かす  読み明かす
( 喜び飽きる) 喜び飽かす   喜び明かす

笑い飽きる  笑い飽かす  笑い明かす

 (追加予定)

(かっこ)内のものはややおかしい程度、(かっこ)がないものでも<ややおかしい>ものがある。個人差があろう。もう少しチェックしてみる。

<xx飽きる>、<xx飽かす>は<xx尽きる>、<xx尽くす>に似たところがあるが、 <飽きる>、<飽かす>は人の心理状態なので、基本的には人に関連し、モノやコトに関連した表現が見つからない。

基本的には上のネット辞典の定義を使うと< xx飽きる>は<いやになるほど十分にxxする>、(十分にxxしていやになる)。

一方<xx飽かす>は<いやになる>の意は薄く、<十分に、十二分にxxする>の意のようだ。個々に調べてみる。組み合わせとしては

1)自動詞+飽きる
2)自動詞+飽かす
3)他動詞+飽きる
4)他動詞+飽かす

の四つがある。

1)、2)自動詞+飽きる、自動詞+飽かす

遊び飽 (あ) きる  遊び飽かす  遊び明かす

遊び飽 (あ) きる

いやになるほど十分、十二分に遊ぶ。<遊び飽きる>は<自動詞+自動詞>で<遊び飽きる>も自動詞。

遊び飽かす

これも<いやになるほど十分、十二分に遊ぶ> になる。したがって、<飽かす>は<飽きさせる>で使役のようになるが他動詞とすると<遊び飽かす>は<自動詞+他動詞>で、意味としては自動詞になる。ところが、< 遊び飽 きる>と<遊び飽かす>の違いがある。

< 遊び飽 きる>と<遊び飽かす>の違い

遊び飽きる ー  いやになるほど十分、十二分に無意思、無意図的に遊ぶ

したがって、<遊び飽きた>は気がついてみたら、いやになるほど十分、十二分に遊んでいた。

遊び飽かす ー  いやになるほど十分、十二分に、意思、意図的に遊ぶ 。

 したがって、<遊び飽かした>は意思、意図的にいやになるほど十分、十二分に遊んだ。

とでもなる。 問題は<いやになる>で、<いやになる>は大体無意思、無意図にそうなる。したがって、<いやになるほど十分、十二分に、意思、意図的に遊ぶ>はおかしなことだ。

ややこしくなってきたので次。

遊び明かす

は<明かす>と書くと字は違うが<いやになるほど十分、十二分に遊ぶ>で<遊び飽きる><遊び飽かす>とほぼ同様の意味。

<遊びあかす>と書けば、この問題はなくなる。

 一方<明かす>は使役のような他動詞だが、<明ける>は自動詞。日が明ける。ややこしくなるが<開ける>、<空ける>は純他動詞。<遊び開ける>、<遊び空ける>はダメ。そうすると<遊び明かす>は変な言い方、書き方になるが、これは後で

<飽かす>と<明かす>の違い

として検討することにして次に進む。

歩き飽きる  (歩き飽かす)

歩き飽きる

いやになるほど十分に歩く。 

<歩き飽かす>とは言わないだろう。他人を<歩き飽きる>ようにするのは使役で<歩き飽かす>、<歩き飽きさす>となる。だが、自分自身を<歩き飽きる>ようにできないわけではないが、意思、意図的になる。

 自分自身を<歩き飽かす>、<歩き飽きさす>

となるが、まずこうは言わない。 ところが不思議なことに<歩き飽かす>は<いやになるほど>がない<十分、十二分歩く>の意味になる。

太郎は10キロの道を歩き飽した。

だが、これは

太郎は10キロの道を歩き明かした。

で<飽きる>が関与しない表現と言える。耳で聞けば

太郎は10キロの道を歩きあかした。

 になる。意味としては <歩ききった>。

行き飽きる  (行き飽かす)

上の<歩き飽きる、(歩き飽かす)>準じるだろう。したがって

行き飽きる  (行き飽かす)  行き明かす

物理的に<どこどこに行く>の場合はこれでよさそうだが、

学校に行き飽きる

だと話は違ってくるだろう。検討省略。


生き飽きる  (生き飽かす)

生き飽きる

いやになるほど十分に、十二分に生きる。 

でよさそうだが、 <生き飽きて自殺した>となると物騒だ。ここでは<いやになる>が肝心だ。ということは<十分に、十二分に>でなくても<飽きる、いやになる>ことがあるのだ。上の

遊び飽きる
歩き飽きる
行き飽きる
学校に行き飽きる

ということは、冒頭のネット辞典の解説

”

いやになるほど十分に…するの意を表す

”

に疑問がでてくる。

途中で遊び飽きて、遊ぶのをやめた
途中で歩き飽きて、歩くのをやめた
途中で行き飽きて、行くのををやめた

次に進む。

(悲しみ飽きる) 悲しみ飽かす 悲しみ明かす

<いやになるほど十分に悲しむ>ことはないだろう。

 悲しみ飽かす

は自動詞。したがって<悲しみ飽きる>と同じになるが、<いやになるほど十分に悲しむ>ことはなく、意味としては <悲しみ尽くす>に似ている。<いやになるほど>がない

十分、十二分に悲しむ

悲しみ明かす(あかす)

でもいいだろう。

楽しみ飽きる  楽しみ飽かす  楽しみ明かす

楽しみ飽きる

<いやになるほど十分に、十二分楽しむ>は可能。楽しいことでも、長く続けていると<いやになる>ことはある。

 楽しみ飽かす

< 楽しみ飽きる>と同じようだが、<いやになる>度合いは低い、またはない。したがって

十分に、十二分楽しむ

 楽しみ明かす(あかす)

もそのような意味だ。

立ち飽きる (立ち飽かす) 立ち明かす

立ち飽きる

<いやになるほど十分に、十二分に立つ>は可能。小学校の廊下で<立ち飽きる>経験をした人がいよう。<立たされる>のだが<立たされ飽きる>とは言わない。

立ち飽かす

これも<いやになるほど十分に、十二分に立つ>の意は可能。<いやになるほど>のない<十分に、十二分に立つ>も可能だが<長時間、最後まで>という修飾と相性がいい。

立ち明かす (あかす) も同じような意味だ。

泣き飽きる  (泣き飽かす)  泣き明かす

<いやになるほど十分に、十二分に泣く>は可能だろ。

 泣き飽かす

は<いやになるほど>の感じが薄い。 <十分に、十二分に泣く>。泣き尽くす。

 泣き明かす (あかす) も同じような意味だ。

眠り飽きる  眠り飽かす  (眠り明かす)

眠り飽きる

<眠る>は 無意識行為なので、<いやになるほど飽きる>の意識は生じないだろう。だが

もう眠り飽きたから、起きる。

とは言いそう。この場合、眠りから覚めてからの発話なので

十分、十二分寝た。

の諧謔的な言い方と見ることもできる。後から出てくるが<飽きる>にはこの諧謔的な言い方がある。すこし前に<あきれかえる>という言い方を何度か取り上げたが、<あきれる>は<飽きる>と関係がありそう。

走り飽きる  (走り飽かす)

走り飽きる

いやになるほど十分、十二分に走る。

走り飽かす

あるいは< 走りあかす>と言うのはまれだろう。<いやになるほど>がない

十分、十二分に走る。最後まで走る。走り終える。<走り切る>ほどではないようだ。

走り明かす

は何か変だ。

働き飽きる  (働き飽かす)

働き飽きる

いやになるほど十分、十二分に働く。だが、いやになることがなくても<働き飽きる>ことは普通だ。

いやではないが、もう働き飽きたので、少し休む。
いやではないが、もう働き飽きたので、会社を辞める。

働き飽かす

はまれだ。<いやになること>も関係ない。(最後まで)十分、十二分に働く。

働き明かす

もまれだ。
 

話し飽きる  (話し飽かす)

いやになるほど十分、十二分に話す。もう話し飽きた。

話し飽かす

これもまれ。十分、十二分に話す。<話し切る>ほどではないようだ。

話し明かす (あかす)

も同様。 十分、十二分に話す。

だが、<話して明らかにする>、<秘密を話す>の意もあるか。 

この失敗は、話し明かせば、太郎がやったことだ。

( 喜び飽きる) 喜び飽かす   喜び明かす

喜び飽きる

いやになるほど十分、十二分に喜ぶ。

でよさそうだが、<喜び飽きた>とはあまり言わない。

<いやになる>と<喜ぶ>は相性が悪いからか?

 喜び飽かす

 十分、十二分に喜ぶ。<いやになる>と<喜ぶ>は相性が悪いのだが

 いやになるほど十分、十二分に喜ぶ、でもよさそう。

諧謔というよりは一種の強調。 

喜び明かす (あかす)

十分、十二分に喜ぶ。字面からは<いやになるほど>がない。

笑い飽きる  笑い飽かす  笑い明かす

笑い飽きる

いやになるほど十分、十二分に笑う

も少し変だ。 <いやになる>と<笑う>も相性が悪そう。したがって<いやになるほど>のない

十分、十二分に笑う

だが<もう笑い飽きた>とは 言いそう。これも一種の強調だが、諧謔の意味を持たせることができそう。

笑い飽かす

十分、十二分に笑う。最後まで笑い尽くす。<笑い飽かす>は意思的、意図的で、意思、意図が薄い<最後まで笑い尽きる>は変だ。


3)4)他動詞+飽きる、他動詞+飽かす

愛し飽きる  愛し飽かす  愛し明かす

<愛す>、<愛する>は漢語の<愛>+<す>、<する>で純大和言葉の<動詞+動詞>ではないが、取り上げてみることにした。

愛し飽きる

いやになるほど十分、十二分に愛する

の意にならない。< いやになる>と<愛する>は相性が悪い。

もう愛し飽きた

とすると<飽きて、愛さなくなった>とゆゆしきことになる。 これは<3)他動詞+飽きる>の特徴か?

愛し飽かす

十分、十二分に愛する

<いやになるほど>を強調とすると

 いやになるほど十分、十二分に愛する

でもいい。 

愛し飽かした

も<飽きて、愛さなくなった>の意にはならない。これも<3)他動詞+飽きる>の特徴か?

愛し明かす (あかす)

十分、十二分に愛する。徹底的に愛する。愛しきる>。場合によっては<最後まで愛し続ける>。

言い飽きる  (言い飽かす)

言い飽きる

もうこの忠告は言い飽きた。

 もうこの忠告は、いやになるほど十分、十二分に言った。

<小言を言う>では、<言う>は <を>をとるので他動詞。上の<もうこの忠告は言い飽きた>は<を>がないので自動詞か? これは別のポストで検討したが、<言う>は

xxxxと言う、xxxxと言った

という言いが多い。これも<を>がないので自動詞か?

 言い飽かす

もうこの忠告は言い飽かした。

とは言わない。

いじめ飽きる  いじめ飽かす

いやになるほど十分、十二分にいじめる。

もういじめ飽きたから、いじめるのはやめる。

これはいいことだ。だが<飽きる前にやめる>方がもっといい。言い換えると<いじめ>、<いじめる>はいやになるほどやらないとやめないようだ。<いじめる>は意思的、意図的行為だが、<飽きる>は無意思的、無意図的、自律t的な心理作用だ。はたまた言い換えると、意思的、意図的に<飽きる>ことはないのだ。

いじめ飽かす

は

<飽かす>の意味を生かすとと<飽きるまで、いやになるほど十分、十二分にいじめる>でゆゆしいことだ。

いじめ明かす(あかす)

は、字面からは、<飽かす>の意味はないが<いやになるほど十分、十二分にいじめる>、さらには<いじめきる>。<夜が明ける>まで言及すると

明けても暮れてもいじめ尽くす

とまさにゆゆしき意になるか。

いつわり飽きる  いつわり飽かす

いつわり飽きる

いやになるほど十分、十二分にいつわる。

もうつわり飽きたから、いつわりるのはやめる。

はいいことだが、<飽きない>とゆゆしきことになる。

いつわり飽かす

これも<飽かす>の意味を生かすと<飽きるまで、いやになるほど十分、十二分にいつわる、いつわり続ける>でゆゆしぃことだ。さらにゆゆしいのは<飽きるまで>で<飽きないと、いつまでもいつわり続ける>ことになる。これは<いじめ飽かす>も同じだ。

いつわり飽きる  いつわり飽かす

は実際あまり使いそうにない。もっと一般的なのは

うそをつき飽きる  うそをつき飽かす

試してみると、ほぼ<いつわり飽きる、いつわり飽かす>と同じだ。

歌い飽きる (歌い飽かす) 歌い明かす

歌い飽きる

いやになるほど十分、十二分に歌う。

歌い飽きた。

いやになるほど十分、十二分に歌った。意思、意図がない。

歌い飽かす

<歌い飽きる>とほぼ同じ意味になる。

いやになるほど十分、十二分に歌う。

歌い飽かした。

 いやになるほど十分、十二分に歌った。だが、こちらの方は意思、意図がある。

おどし飽きる  おどし飽かす

<おどす>も<いじめる>に似たようなところがある。反社会的行為だ。

チェックしてみると、ほぼ<いじめ飽きる、いじめ飽かす>と同じだ。

反社会的行為は同じような解説になるか?

盗む、泥棒をする。物騒だが、殺す、殺人をする。

これは読者にまかせて、次。

書き飽きる  (書き飽かす)

書き飽きる

書き飽きた

いやになるほど十分、十二分に書いた。意思、意図がない。多分に (書き飽きて) 書きやめた。 

書き飽かす

 書き飽かした

いやになるほど十分、十二分に書いた。意思、意図がある。耳で聞いた場合 (かきあかす), <飽きる>の意が薄く、(書き飽きて) 書きやめる、とは限らない。変な言い方だが

書き飽きるまで、書き飽かした。

飽きないと書き続けて、大量に書くることになるが、この場合は

書き明かす (あかす)

で、<飽きる、飽きない>の意識が薄い、もしくはないので、<飽きる、飽きない>は関係なくなる。これが<飽かす>と<明かす>の違いだろう。

考え飽きる  (考え飽かす} 考え明かす

考え飽きる

いやになるほど十分、十二分に考える。<考える>には多分に意思、意図があるが、<飽きる>には意思、意図がない。多分に (考え飽きて) 考えやめる。

考え飽かす

いやになるほど十分、十二分に考える。今度は意思、意図がある。

考え明かす

飽きる、飽きないに関係なく、いろいろ、たくさん考える場合を想定すると、 

考え明かす (あかす) 

でいいだろう。

聞き飽きる (聞き飽かす)

聞き飽きる

いやになるほど十分、十二分に聞く。

<xxを聞く>には意思、意図がある場合とない場合がある。ない場合は普通、自動詞の<聞こえる>が使われ、<xxが聞こえる>。

音楽を聞く

は意思、意図がある。

噂を聞く

は聞こうとして聞く場合が意思、意図があるが、聞こうとする意思、意図がなく<聞こえてくる>場合でも<噂を聞く>、<噂を聞いた>という。

一方<飽きる>には意思、意図がない。<聞き飽きる>は多分に 聞きたくないモノ、コトに飽きて、聞くのをやめる。

実際のところ、特別の場合を除き、音楽や歌は聞きたいから聞くので、

音楽や歌をいやになるほど十分、十二分に聞き、そして<いやになって聞きやめる>

ことはないだろう。<聞きやめる>のは、予期しない電話や用事があった時だ。特別の場合というのは、例えば<好きでない音楽や歌>の場合。小言や苦情も基本的に聞きたくない。聞きたくないものは、強制されて聞くとき以外、聞くことはない。

聞き飽かす

いやになるほど十分、十二分に聞く。今度は意思、意図がある。

実際のところ、特別の場合を除き、音楽や歌は聞きたいから聞くので、

<聞き明かす>は言いそうにない。

恋いし飽きる  恋いし飽かす

これはめったに聞かないが、<愛す>、<愛する>が漢語の<愛>+<す>なので、大和言葉の<恋する>をチェックしてみる。もっとも、<恋する>も<恋+する>のパターンだ。

恋いし飽きる

 いやになるほど十分、十二分に恋いする。<恋いする>には意思、意図があるが、<飽きる>には意思、意図がない。多分に (恋いし飽きて) 恋いするのをやめる。

恋いし飽きた

は

いやになるほど十分、十二分に恋した

の意になる。<飽きて、恋さなくなった>とゆゆしきことになる。

 恋し飽かす

 恋し飽かした

は<飽きて、恋さなくなった>の意にはならない。

ほぼ<愛し飽きる、愛し飽かす>と同じだ。

好き飽きる 好き飽かす

もめったに聞かない。<好き (だ) >は超高頻度使用語だが、<好く>はあまり使わない。

<好 (この) む> も<好く>と同じくあまり使わない。

し飽きる  し飽かす  し明かす

し飽きる

いやになるほど十分、十二分にする。<する>には多分に意思、意図があるが、<飽きる>には意思、意図がない。多分に (し飽きて) するのをやめる。 

し飽かす

いやになるほど十分、十二分にする。今度は意思、意図がある。

(もう)し飽かした

は多分に<飽きた>の意が残っている。 

もうそれはし飽かした。だから、もうやらない、やりたくない。これが<飽かす>の原意。すこし横道にそれるが

しでかす、しでかした

という言い方がある。造語構造は似ていて (ほぼ同じ) 、

し(<する>の連用形) + でかす(自動詞<出る、でる>の使役形)
し(<する>の連用形) + あかす(自動詞<飽く、あく>の使役形)

<出る>の使役形には<出さす>があり、これがよく使われ、<出かす>はまれだ。
<飽く>の使役形には<飽きさす>があり、こちらの方が普通、使われ、<飽かす>はまれだ。

違うのは<し出 (で) かす>はあるが<し出さす>はない。一方<飽かす>の方は<し飽かす〉も<し飽きさす>も可能だ。<し飽きさす>は明らかに使役で

花子は太郎に歌い飽きさせた。 

一方

花子は太郎に歌い飽かせた。

も可能で<飽きる>の意が残っているともとれるが、 <飽きる>の意が残っていない<明かす>の意も可能だ。つまりは<花子は太郎に歌い明かせた>。もっとも、いずれも耳で聞けば<花子は太郎に歌い明かせた>で同じだ。

<する>は他動詞の代表で、以上のt説明は他の他動詞に応用、敷衍 (ふえん) できるだろう。 

知り飽きる   知り飽かす  知り明かす

知り飽きる

いやになるほど十分、十二分に知る。<知る>は認識、認知動詞だが、意思、意図があるとはかぎらない。

知ろうとすれば意思、意図があるが、知ろうとしなくても<知っててしまう>場合には意思、意図がない。<聞く>の場合は。基本的には、意思、意図があれは<聞く>で他動詞。意思、意図が泣けれは<聞こえる>で自動詞。xxが聞こええる。<見る>の場合は、意思、意図があれば<見る>で他動詞。意思、意図が泣けれは<見える>で自動詞。xxが見える。

<xxを知る>は多様で

事件の真相を知る

では知らされて、知る場合が多いだろう。 <聞く>、<見る>では意思、意図がない場合

事件の真相が聞こえる
事件の真相が見える 

と自動詞が使われる。

事件の真相を知らされる

という言い方も可能だが、言葉には出てこないが他人が関与している 。<事件の真相を知る>では他人は関与していない、といえる。

嫌なこと、知りたくないことは<容易に、いやになるほど知る>ことがありうるが、知りたいことは<なかなか、いやになるほど知る>にならない。

事件の真相を知る

は基本的には中立だが、知りたい場合と知りたくない場合はありうるだろう。

知りたくない内容の場合は、何度も知る、知らされると

知り飽きる

は

いやになるほど十分、十二分に知る。

 知りたい内容の場合は、何度も知る、知らされても

 いやになるほど十分、十二分に知る。

になりにくい。<知り飽きる>はややこしい。

知り飽かす

いやになるほど十分、十二分に知る。今度は意思、意図がある。これも<知る内容>によりそうだ。

嫌なことを知る場合 

いやになるほど十分、十二分に知る。

で問題ない。<知り飽きる>と同じになる。嫌なことは嫌になりやすい、飽きやすい。

知りたいことを知る場合 

いやになるほど十分、十二分に知る。

は

おかしい。<十分、十二分に知る>でいいが、<飽かす>は強調の意があるので<徹底的に知る>。

楽しみ飽きる  楽しみ飽かす  楽しみ明かす

楽しみ飽きる

いやになるほど十分、十二分に楽しむ。意思、意図がない。

楽しみ飽かす

いやになるほど十分、十二分に楽しむ。今度は意思、意図がある。 

楽しみ明かす

十分、十二分に楽しむ。飽きる、嫌になる意識はない。意思、意図はあってもなくてもいい。

以上の<楽しみxxx>の説明は簡単で、一般化できる。

食べ飽きる  食べ飽かす  (食べ明かす)

食べ飽きる

いやになるほど十分、十二分に楽しむ。意思、意図がない。

食べ飽かす

いやになるほど十分、十二分に楽しむ。今度は意思、意図がある 

食べ明かす(あかす)

一晩中食べ明かす。(現実的でない)飽きる、嫌になる意識はない。意思、意図はあってもなくてもいい。

取り飽きる  取り飽かす  取り明かす

<取る>は他動詞の代表の一つだ。目的語がないと一般的すぎる。 

<写真をとる>は、書くときは<写真を撮る>と書くようだが、耳で聞いたり、言う時には<写真をとる>で、実際、無意識だが<写真を撮る>ではなく<写真を取る>が頭をかすめるのではないか。

写真を取り飽きる

いやになるほど十分、十二分に写真を取る。<取る>は意思、意図があるが、<飽きる>は意思、意図がない。多分に<写真を取り飽きて、取るのをやめる>。

写真を取り飽かす

ひと昔前はデジタルカメラ、今は携帯電話のカラメで、フイルム代がいらないから<写真を取り飽かす>のは大いに可能だ。

いやになるほど十分、十二分に写真を取る。<飽かす>は他動詞で意思、意図があるが

写真を取り飽かした

は<いやになるほど十分、十二分に写真を取った>で<写真を取り飽きた>と同じような意味になる。多分に<写真を取り飽きるほど取ったが、取るのをやめた>とは限らない。

嘆き飽きる (嘆き飽かす) 嘆き明かす

嘆き飽きる

いやになるほど十分、十二分に嘆く。意思、意図がない。多分に<嘆き飽きて、嘆くのをやめる>。この<やめる>は<を>をとるので他動詞だが、自動詞っぽい。嘆くのがやむ。<嘆く>は<xxを嘆く>で、これまた<を>をとる他動詞だが、自動詞っぽい。<飽きる>は自動詞なので<嘆き飽きる>は自動詞。したがって<嘆くのがやむ>、<嘆くのがやまる>が正しい。

 嘆き飽かす

いやになるほど十分、十二分に嘆く。意思、意図がある。多分に< 嘆き飽かして、嘆くのをやめる>。<飽かす>は他動詞だが、意味的には<いやになるほど十分、十二分に嘆く>で、<嘆き飽きる>と同じになる。だが、<嘆き飽かす>には意思、意図がある。

嘆き明かす (あかす) 

飽きる、飽きないに関係なく十分、十二分に、徹底的に嘆く。

朝まで 嘆き明かした

だと、<夜が明けるまで嘆き続けた>になりそう。

飲み飽きる  飲み飽かす  飲み明かす

<食べ飽きる、飽かす>に準じる。

飲み飽きる

いやになるほど十分、十二分に飲む。意思、意図がない。

飲み飽かす

いやになるほど十分、十二分に飲む。今度は意思、意図がある 

飲み明かす(あかす)

一晩中、徹底的に、飲み明かす。飽きる、嫌になる意識はない。意思、意図はあってもなくてもいい。

(笛を) 吹き飽きる  吹き飽かす  吹き明かす

吹き飽きる

いやになるほど十分、十二分に笛を吹く。意思、意図がない。<吹き飽きた>だと、多分に<飽きて吹きやめた>。

吹き飽かす

いやになるほど十分、十二分に笛を吹く。今度は意思、意図がある 

吹き明かす(あかす)

一晩中、徹底的に、吹き明かす。(あまり現実的でない)飽きる、嫌になる意識はない。意思、意図はあってもなくてもいい。

(ほらを) 吹き飽きる  吹き飽かす  吹き明かす

ほらを吹き飽きる

いやになるほど十分、十二分にほらを吹く。意思、意図がない。<ほらを吹き飽きた>だと、多分に<飽きてほらを吹きやめた>。

ほらを吹き飽かす

いやになるほど十分、十二分にほらをを吹く。今度は意思、意図がある。<ほらを吹き飽かした>は、多分に<ほらを吹きやめなかった>。 

吹き明かす(あかす)

徹底的に、ほらを吹きまくる。飽きる、嫌になる意識はない。意思、意図はあってもなくてもいい。耳で聞く<ほらを吹きあかす>は<ほらを吹き飽かす>と区別はないと、いっていい。

学び飽きる (学び飽かす)

学び飽きる

いやになるほど十分、十二分に学ぶ。意思、意図がない。多分に<学び飽きて、学びやめる>。

学び飽かす

いやになるほど十分、十二分に学ぶ。今度は意思、意図がある。多分に<学び飽きずに、学び続ける>。

学び飽かした

多分に学び飽ずに、学び続けた。

学び明かす(あかす)

飽きる、嫌になる意識はない。徹底的に、懸命に学ぶ。主体は意思、意図があるが、他人から見て意思、意図はあってもなくてもいい。

見飽きる  (見飽かす) 見明かす

見飽きる

いやになるほど十分、十二分に見る。意思、意図がない。多分に<見飽きて、見るのをやめる>。

見飽かす

いやになるほど十分、十二分に見る。今度は意思、意図がある。多分に<見飽きずに、見続ける>。

見飽かした

多分に見飽きずに、見続けた。あるいは<徹底的に、飽きるまで見た>。

見明かす (あかす)

徹底的に見る。 <見飽かす>とほぼ同じ。

<見明かす>は別の意味がある。

見て明らかにする。

明智探偵はその謎を見明かした。明智探偵はその謎は明智探偵に見明かされた。

やり飽きる  やり飽かす  やり明かす

<し飽きる  し飽かす  し明かす>に準じるだろう>。具体的な例

悪事をやり飽きる  悪事をやり飽かす  悪事をやり明かす

をチェックしみる。

悪事をやり飽きる

いやになるほど十分、十二分に悪事をやる。<悪事をやる>は意思、意図があるが、<悪事をやり飽きる>意思、意図がない。多分に<やり飽きて、悪事をやるのをやめる>。これは<いじめ>と同じで悪くないことだ。

悪事をやり飽かす

これはよくない。 いやになるほど十分、十二分に悪事をやる。<悪事をやる>には意思、意図があり、<やり飽かす>にも意思、意図がある。多分に<やり飽きずに、悪事をやるのをやめない>。

悪事をやり明かす(あかす)

徹底的にに悪事をやる。<悪事をやり飽かす>と同じような意味だ。 

<やる>は<擦る>以外に

やる = 与える
やる = (人) を遣る

があるが、省略。

読み飽きる  読み飽かす  読み明かす

読み飽きる

いやになるほど十分、十二分に読む。意思、意図がない。多分に<読み飽きて、読むのをやめる>。

読み飽かす

いやになるほど十分、十二分に読む。今度は意思、意図がある。

読み明かす (あかす) 

飽きる、飽きないに関係なく十分、十二分に、徹底的に読む。

読み明かした (あかした) 

これは<読み終えた>の意がある。

<読み明かす>は別の意味がある。

読んで明らかにする。

明智探偵はその暗号を読み明かした。この場合<読む>はじっくりチェックする、考える、と言った意味だ。将棋や囲碁ではこの<読む、読み>が活躍する。

 

<飽かす>と<明かす>の違い

繰り返しになるが、上で

”

書き飽かす

(中略)

飽きないと書き続けて、大量に書くることになるが、この場合は

書き明かす (あかす)

で、<飽きる、飽きない>の意識が薄い、もしくはないので、<飽きる、飽きない>は関係なくなる。これが<飽かす>と<明かす>の違いだろう。

(中略)

考え明かす

飽きる、飽きないに関係なく、いろいろ、たくさん考える場合を想定すると、 

考え明かす (あかす) 

でいいだろう。

”

と書いた。さらに<し飽きる  し飽かす  し明かす>で

”

(中略)

(もう)し飽かした

は多分に<飽きた>の意が残っている。 

もうそれはし飽かした。だから、もうやらない、やりたくない。これが<飽かす>の原意。

(中略)

 一方<飽かす>の方は<し飽かす〉も<し飽きさす>も可能だ。<し飽きさす>は明らかに使役で

花子は太郎に歌い飽きさせた。 

一方

花子は太郎に歌い飽かせた。

も可能で<飽きる>の意が残っているともとれるが、 <飽きる>の意が残っていない<明かす>の意も可能だ。つまりは<花子は太郎に歌い明かせた>。もっとも、いずれも耳で聞けば<花子は太郎に歌い明かせた>で同じだ。

<する>は他動詞の代表で、以上のt説明は他の他動詞に応用、敷衍 (ふえん) できるだろう。

”

と書いた。

<飽かす>と<明かす>の違いは微妙なところがあるが、耳できけば<あかす>で同じだ。<明かす>に<飽きるほど>の意はない。

 

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飽く、飽きる、飽かす、飽きさせる、飽かせる、飽かさせる

 

古語<飽く>は自動詞か、はたまた他動詞か。

現代語では<太郎は勉強に飽きる>で自動詞。これはいいのだが、<飽きる>の他動詞は何か?

<飽かす>というのがあるが、他動詞というよりは自動詞<飽きる>の使役形だろう。

 花子は太郎を勉強に飽かす。

で使役になるが

花子は太郎を勉強に飽きさす。
花子は太郎を勉強に飽きさせる。
花子は太郎を勉強に飽かせる
花子は太郎を勉強に飽かさせる

も可能だ。

という言い方もあり、こちらの方を使いそう。 いずれにしても、こういう言い方は翻訳調だ。<飽かす>が<飽きる>の使役形とすると<飽かせる>、<飽かさせる>は使役形の使役形ということになる。文法用語にはないが、redundancy (冗長) 用法だ。

問題は<飽かす>で、単独用法として、ネット辞典では

デジタル大辞泉 「飽かす」の意味・読み・例文・類語

あか・す【飽かす】

[動サ五(四)]

1 (多く「…にあかして」の形で)ありあまっているものを十分に使う。ふんだんに使う。「金と暇に―・して収集する」
2 飽きさせる。「聴衆を―・さない話

 ”

でやや特殊。

金を飽かす ー ありあまっている金を十分に使う。ふんだんに使う
暇を飽かす  ー ありあまっている暇を十分に使う。ふんだんに使う

となりそうだが、例文は

金に飽かす、暇に飽かす

で、これだけでは<を>ではなくに>をとるので<飽かす>は他動詞ではなく、自動詞となる。だが短文にすると

太郎は金に飽かして収集する。(暇は省略)

となるが、 

主文は

太郎は収集する。

で<金に飽かして>が修飾句だ。 だが<飽かす>のは太郎で、そうすると<飽かす>は他動詞のように見える。繰り返しになるが

金に飽かして

で、<を>ではなく<に>をとる。一方<飽きる>は自動詞で

太郎は金に飽きる。

で問題ない。

太郎は金に飽かして収集する。

<収集する>は他動詞なので不完全。

太郎は金に飽かして骨董品を収集する。

で不完全でなくなる。しかし<金に飽かして>の<飽かす>は他動詞っぽい。<に>にこだわって自動h詞<飽きる>を使うと

太郎は金に飽きて、骨董品を収集する。

で、意味内容は完全に違ってくる。 <飽かして>はいったい何だ? <飽かして>の意を汲み取ると

太郎はわが身 (自分自身) を金に飽かして骨董品を収集する。

太郎は金に飽かして、骨董品を収集する。

では言葉に出てこないが

<わが身 (自分自身) を> が内包されている (implicit ) と見れば、この問題は解決する。そして<わが身 (自分自身) を>と<を>を取るので、<飽かす>は他動詞だ。

こうすると、冒頭にネット辞典の解説

”

あか・す【飽かす】

[動サ五(四)]

1 (多く「…にあかして」の形で)ありあまっているものを十分に使う。ふんだんに使う。「金と暇に―・して収集する」
2 飽きさせる。「聴衆を―・さない話

”

とまったく違った解釈になる。

では、一体この<わが身 (自分自身) を飽かす>はどういう意味か?

わが身 (自分自身) を飽きさせる

が原意のようだが

わが身 (自分自身) を金に飽きさせては、金はたまらず、高価な骨董品は暇がっても買えない。

わが身 (自分自身) を金に飽かす

は<金は飽きるほどたくさんあって、飽きるほど使う>という意味だろう。

 

簡易ネット翻訳で<飽きる>をインプットすると

 ( to) get bored

と出てくる。 <飽かす>は

(to) satiate

とあまり見慣れない語がでてくる。

 これを利用すると

太郎は金に飽かして、骨董品を収集する。

は

Taro satiates himself in his abundant money to collect antiques.

とでもなるが、himself は二音節の一語。日本語の方は<わが身 (自分自身) を>で相当長く、わずらわしい。


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