Friday, November 29, 2024

複合動詞<xxなおる>、<xxなおす>の英語表現

複合動詞<xxなおる>、<xxなおす> をざっと調べてみたが<xxなおす>が圧倒的に多い。そして<xxなおす>は意味は少しずれるのだが、英語では<xxagain>と訳せるものが少なくない。

日本語では<なおる> は書き言葉では<直る>、<治る>、<なおす>は<直す>、<治す>と書いて区別し、<治る>、<治す>は病気、医療関係に使われるが、耳で聞けば<なおる>、<なおす>で区別はない。とにかく複合動詞としての<xxなおる>、<xxなおす>をチェックしてみる。アイウエオ順。

<xxなおる>

居直る  自動詞  慣用表現
開き直る 自動詞  慣用表現
立ち直る 自動詞  to recover

持ち直る 自動詞  to recover <持ち直す>でもいい。
向き直る 自動詞   ネット辞典では to turn around と出てくるが、180度とは限らないか? <向き直す>でもいい。

追加予定

<xxなおす>

<xxなおす>は汎用性が高く、意味が成せばどんな動詞にでもつく。

洗い直す  to wash again
言い直す  to say again in a correct way, in a better way
行き直す  to go again
教え直す  to teach again
思い直す  to reconsider

買い直す  to buy again
書き直す   to rewrite
考え直す  to think again、to rethink、to change the thought
聞き直す  to listen something again
組み直す  to reconstruct、to reorganize

し直す   to do something again、to make something again
座り直す  to change the sitting position

食べ直す  to eat again
作り直す  to make something again, to remake
立て直す  to rebuild、to reconstruct、to recover
出直す   to go again、場合により to come again、to re-start

並べ直す  to realign、to rearrange
寝直す   to sleep again
飲み直す  to drink again

学び直す  to study again、to learn again
見直す   to see something in a different way、to review
持ち直す  to change the holding position (文字通り) 、to recover(慣用)
やり直す  to do something again、to make something again、to rework
読み直す  to read again (from a different point of view)

追加予定 (いくらでもある)

 1)<直す>自体には to correct <間違いを正す>の意がある。あるいは<あらためて、もう一度xxする>の意がある。したがって、単なる again (再び) ではない。<間違いを正す>で、<間違い>を病気 (一種の身体機能の間違い) とすれば、<病気を正す>、<身体機能の間違いをなくす>で<病気を治す>になる。自動詞用法を使えば、<身体機能の間違いが正される>で<病気が治る>になる。

また<直す>と<治す>の違いだが、上の論議を機械に当てはめると

 間違い ー> 故障、不具合 (機能の間違い) 

となる。

故障を直す、不具合を直す

<直す>が使われるようだが、何か変な感じだ。<治す>も変だ。

2)英語の re-xxxx  の<re>はラテン語系の動詞に現れるが、主に again の意だ。一音節なので経済的。

3)<xxなおる>が<xxなおす>に比べて極端に少ない理由。

 <xxなおる>は、上の例では<自動詞+自動詞>構成で、複合動詞としても自動詞になる。

立ち直る 自動詞  (自動詞+自動詞)

<立ち直す>はなく、<立て直す><他動詞+他動詞>になる。<立て直る>もない。 

持ち直る 自動詞  (自動詞+自動詞) 

<xxが持ち直る>でも、 <xxが持ち直す>が使われる。自動詞。<xxを持ち直す>他動詞。

詳しい理由、経緯がよくわからないが、ちょっと調べた限りでは、これは他の動詞にもあてはまり、<xxなおる>が<xxなおす>に比べて極端に少ない表面上の理由だ。

向き直る 自動詞  (自動詞+自動詞) 

太郎は向き直った。


太郎は向き直した。

は同じような意味で、 単独の<向き直す>は他動詞っぽいが、<太郎は向き直した>は自動詞っぽい。

よくわからない、曖昧なので、もう少し調べてみた。

止まった時計が動き始めた、動き出した。 自動詞+自動詞

が普通の言い方だが、<xxなおる>、<xxなおす>にこだわれば

止まった時計が動き直った。 自動詞+自動詞

とはなんとか言えそう。さらに

止まった時計が動き直した。自動詞+他動詞

とも言え、しいていえば<止まった時計が動き直した>を使いそう。この場合<動き直す>は<自動詞+他動詞>構成だが、複合動詞として明らかに自動詞だ。

生き返った。 自動詞+自動詞

が普通の言い方だが、言い換えると

生き直った。
生き直した。 

で、どちらかと言えば<生き直した>を使いそう。

上の<xxなおす>の例では

座り直す  自動詞+他動詞

<座り直る>は純自動詞的だが、ほとんど使われず普通は<座り直す>が使われる。

細かいことを言えば

座る = to sit で日本語も英語も自動詞。しかしながら to sit は to set oneself と他動詞を使った表現も可能だ。あるいはこういう他動詞表現が脳裏にある。

並べ直す  自動的に、放っておいても<並び直る>場合があるのだが、ほとんど聞かない。 

日本語文法では、よくわからない<自発の助動詞>というのがあるが、<並び直る>はある意味では<自発表現>と言える。もっとも、このような自動詞は基本的に自発的だ。

もう少し例文を作ってみた。

船は一度は沈んだが、浮かび直ってきた。 <浮かび直してきた>でもいい。普通は<浮かび上がってきた>。

二人は一旦は離れるが、近づき直ってくるだろう。普通は<近づき直してくるだろう>か。

今は失業中だが、間もなく働き直る。普通は<働き直す>。

その機械はしばらく止まっていたが、今動き直った。普通は<今動き直した>。もっと普通は<今動き始めた>。

成績が / は一旦は下がったが、最近上がり直ってきた。 普通は<上がり直してきた>。


つまりは、元来<xx直る>が<xx直す>で置き換えらているものが少なくないようだ。

 

sptt

 

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