複合動詞<xx尽きる>を<xx尽くす> 比べてみた。アイウエオ順に並べてみて、ざっとチェックしたが、意外と複雑。微妙、曖昧なところがある。
遊び尽きる 遊び尽くす歩き尽きる 歩き尽くす
言い尽きる 言い尽くす
行き尽きる 行き尽くす
生き尽きる 生き尽くす
動き尽きる 動き尽くす
歌い尽きる 歌い尽くす
思い尽きる 思い尽くす
書き尽きる 書き尽くす
悲しみ尽きる 悲しみ尽くす
考え尽きる 考え尽くす
(聞き尽きる) 聞き尽くす
消え尽きる (消え尽くす)
(消し尽きる) 消し尽くす
探し尽きる 探し尽くす
叫 (さけ) び尽きる 叫び尽くす
し尽きる し尽くす
死に尽きる (死に尽くす)
進み尽きる 進み尽くす
立ち尽きる 立ち尽くす
疲れ尽きる (疲れ尽くす)
使い尽きる 使い尽くす
取り尽きる 取り尽くす
泣き尽きる 泣き尽くす
(鳥が) 鳴き尽きる 鳴き尽くす
(ベルが)鳴り尽きる (鳴り尽くす)
(飲み尽きる) 飲み尽くす
走り尽きる 走る尽くす
(運び尽きる) 運び尽くす
働き尽きる 働き尽くす
(風が、は)吹き尽きる 吹き尽くす
(笛を)(吹き尽きる) 吹き尽くす
(雨が、は)降り尽きる 降り尽く。
(見尽きる) 見尽くす
燃え尽きる (燃え尽くす)
燃 (もや)し尽きる 燃し尽くす
(焼き尽きる) 焼き尽くす
焼け尽きる 焼け尽くす
やり尽きる やり尽くす
読み尽きる 読み尽くす
喜び尽きる 喜び尽くす
笑い尽きる 笑い尽くす
忘れ尽きる 忘れ尽くす
(追加予定)
(かっこ)内のものはややおかしい程度、(かっこ)がないものでも<ややおかしい>ものがある。個人差があろう。もう少しチェックしてみる。
基本的には自動詞< 尽きる>はまっとうせずに、不完全で、到達間近だが<終わる>、<やむ(止む)、やまる>。<やむ(止む)だが中断の意は薄く、再開する見込がは薄い。<(無意思的、無意図的、自然に)なくなる>。
一方他動詞<尽くす>は多義語だが、<終わる>、<なくなる>、<やむ(止む)>、<なくなる>関連では
終える、完了する、なくなるまでxxする(意思的、意図的)、やめる。個々に調べてみる。組み合わせとしては
1)自動詞+尽きる
2)他動詞+尽きる
3)自動詞+尽くす
4)他動詞+尽くす
の四つがあるが、ややこしくなるので1)と2)、3)と4)の二分類で進める。
1、2)自動詞+尽きる、尽くす
遊び尽きる 遊び尽くす
<遊ぶ>は<xxを遊ぶ>と言わないので自動詞と言える。
遊び尽きる (自動詞)
太郎は遊び尽きた 無意思的、無意図的に遊び終わった、遊びが終わった
変な言い方だが、まだ遊べるのだが、(とにかく)遊び終わった。
遊び尽くす (他動詞)
太郎は遊び尽くした 意思的、意図的に遊び終えた、遊びを終えた
遊べるものはみな遊び終えた。この場合<遊び>は複数。
<遊び>が特定の一つの場合は
(その)遊びを遊びきった。(その)遊びを、すっかり、のこりなく、心おきなく、遊んだ。一種の強調。
歩き尽きる 歩き尽くす
歩き尽きる 太郎は歩き尽きた。
まだ先はあるのだが歩き終わった。意思的、意図的な感じはない。to give up の感じだ。
歩き尽くす 太郎は歩き尽くした。
歩けるだけ歩いた。歩ける限度まで歩いた。このグループのものは多い。
言い尽きる 言い尽くす (目的語がない場合、または<xxと言う>場合は自動詞っぽい。<文句、苦情を言う>では他動詞になる)
行き尽きる 行き尽くす
行き尽きる 目的地までいくよていだったが、途中で行き尽きた。
行き尽くす いけるところはすべて行き尽くした。
生き尽きる 生き尽くす
生き尽きる 生きることを全 (まっと) うせず、その前に生き尽きた。
生き尽くす 生きることをうした。
目的語がない場合は自動詞。<乱世を生きる>では他動詞っぽくなるが、<乱世に生きる>と同じような意味だ。
動き尽きる 動き尽くす
動き尽きる
動き終わった。意思的、意図的な感じはない。to give up の感じだ。
動き尽くす
動けるだけ動いた。動げる限度まで歩いた。意思、意図が感じられる。
(悲しみ尽きる) 悲しみ尽くす
花子は悲しみ尽きた。
変な言い方、かつ微妙だが
花子は、まだ悲しめると思われるが、とにかく悲しみ終えた。また
花子の悲しみは尽きた、終わった、やんだ。
悲しみ尽くす
花子は悲しみ尽くした。
悲しめるだけ悲しんだ。悲しめる限度まで悲しんだ。だが意思、意図は感じられない。
<悲しむ>は一種の自然現象だろう。
消え尽きる (消え尽くす)
これは主語が基本的に人ではなく、もの、こと。
火が消え尽きた。
これは<火が尽きて消えた>の意。後にあるが<燃え尽きる>は<火が燃え終わった>、 <燃えるのが終わった>。
人ではなく、もの、ことなので to give up はおかしい。英語で to cease という動詞がある。
<cease fire>は停戦。to cease は自動詞、他動詞兼用。名詞にもなる - cease。
自動詞の場合は cease to 動詞となる。したがって、<燃え尽きる>は to cease to burn。では<火が消え尽きる>はなんというか?英語では他動詞<消す> to distinguish の受身 to be distinguish (消される) が<消える>に代用される。the fire is distinguished は<火が消える>。to burn out というのが自動詞、他動詞兼用だが、自動詞の場合は<燃え尽きる>。おそらくthe fire is distinguished out>とは言わないだろう。
これは<死に尽きる>と<生き尽きる>にも言える。
死に尽きる (命が)尽きて死んだ。
生き尽きる 生き終わった。生きるのが終わった。
叫び尽きる 叫び尽くす
次郎は叫び尽きた 無意思的、無意図的に叫び終わった、叫びが終わった。 to give up
変な言い方だが、まだ叫べるのだが、(とにかく)叫び終わった。
叫び尽くす
次郎は叫び尽くした。 叫べるだけ叫んだ。叫べる限度まで叫んだ。意思、意図が感じられる。
進み尽きる 進み尽くす
まだ先はあるのだが進み終わった。意思的、意図的な感じはない。
進み尽くす 太郎は進み尽くした。
めいっぱい進んだ
立ち尽きる 立ち尽くす
次郎は立ち尽きた。
<立ち尽きる>は、意思的、意図的な感じはないが、 <めいっぱい、できる限り立っていた>の感じがある。これは本来<立ち尽くす>なのだが、<立ち尽くす>が別の意味があるので、ヘンテコになっている。<立ち尽くす>には意思的、意図的な感じがない。
次郎は立ち尽くした。
意思的、意図的な感じを持たせようとすると、
(最後まで) 次郎は立ちきった。次郎は立ち果たした。<次郎は立ち尽くした>には<最後まで>の感じがない。
疲れ尽きる (疲れ尽くす)
花子は疲れ尽きた。
<疲れ終わる>はおかしい。とりあえず<強調>として
花子はとても疲れた。(もこれ以上何もできない)
花子は疲れ尽くした。
はダメだろう。<疲れる>は上の<悲しむ>、次の<泣く>と同じく自然現象で、意思や意図がない。
泣き尽きる 泣き尽くす
花子は泣き尽きた。
泣き終わった。泣きやんだ。 意思的、意図的な感じはない。
花子は泣き尽くした。
これも意思的、意図的な感じはないが、泣ける限度まで泣いて、泣きやんだ。
(鳥が) 鳴き尽きる 鳴き尽くす
<人が泣く>と同じだろう。だが鳥には意思、意図があるだろうが、人には感じられない。
(ベルが)鳴り尽きる (鳴り尽くす)
ベルが鳴り尽きた。
鳴り終わった。鳴りやんだ。人が関与せず、一種の自然現象。
ベルが鳴り尽くした。
<ベルが鳴り尽きた>と同じような意味で可能だが、<鳴り尽きた>が普通だろう。
走り尽きる 走り尽くす
これは< 歩き尽きる>、< 歩き尽くす>に準ずる。
太郎は走り尽きた。
まだ先はあるのだが走り終わった。意思的、意図的な感じはない。to give up の感じだ。
太郎は走り尽くした。
走れるだけ走った。走れる限度まで走った。意思、意図が感じられる。働き尽きる 働き尽くす
次郎は働き尽きた。
他人から見て、まだ働けるのに走り終わった。意思的、意図的な感じはない。
次郎は働き尽くした。
働けるだけは働いた。働ける限度まで、目いっぱい働いた。意思、意図が感じられる。
(風が、は)吹き尽きる 吹き尽くす
風には意思、意図はない。<吹き尽きる、尽きた>は何か変で、<吹き尽くす、吹き尽くした>で、意思、意図はないが、限度まで吹く、吹いた。<吹き尽くす>は<尽くす>があるが自動詞。<立ち尽くす>に似ている。
(雨が、は)降り尽きる 降り尽くす
これは上の、風に準じる。
燃え尽きる (燃え尽くす)
火は間もなく燃え尽きる。
燃えるものが<なくなって>燃え終わる / 燃え終える。
<火は間もなく燃え尽くす>も可能だが、<燃え尽きる>と同じような意味。火に意思、意図はないのだ。したがって<燃え尽くす>は自動詞になる。<燃え終える>は<終える>があるが自動詞だ。
焼け尽きる 焼け尽くす
家は焼け尽きた。
家は焼け尽きて<なくなった>。
家は焼け尽くした。
も可能で、<家は焼け尽きた>と同じような意味。 家に意思、意図はないのだ。<焼け尽くす>は自動詞。
喜び尽きる 喜び尽くす
花子は喜び尽きた。
まだ喜べる余地があるのに喜び終わった / 終えた。意思、意図はない。
花子は喜び尽くした。
喜べる限度まで、目いっぱい喜んだ。意思、意図が感じられる。
笑い尽きる 笑い尽くす
まだ笑える余地があるのに笑い終る / 終える。意思、意図はない。
笑い尽くす
解説が多くて、何が何だかわからくなっていいるが、まとめてみると
1)、2)自動詞+尽きる、尽くす
主語、主体が人か<もの、こと>で違いがある。そして、この違いは<人>の場合、多くは意思、意図のあるなしが関係してくる。
<人>の場合
意思、意図がなく、自然な感じで<すすむ>場合は<xx尽きる>。 意思、意図があって<なされる>場合は<xx尽くす> 。
<モノ、コト>の場合
<モノ、コト>には意思、意図がないので<xx尽きる>はいいが<xx尽くす>は変なことになる。だが実際は変なことにならず
火が消え尽きる。 火が消え尽くす。風が吹き尽きる。 風が吹き尽くす。
雨が降り尽きる。 雨が降り尽くす。
家が焼け尽きる。 家が 焼け尽くす。
でほぼ同じような意味。複合動詞としては<xx尽きる>、<xx尽くす>とも自動詞だ。
人の場合で例外は
立ち尽きる 立ち尽くす
次郎は立ち尽きた。
次郎は立ち尽くした。
<次郎は立ち尽くした>が<次郎は遊び尽くした>、<次郎は走り尽くした>のように限度まで、目いっぱい<xxした>の意にならないのは、おそらく<立つ>が動作、行為とはいえ静的なためだろう。
次郎は座り尽きた。
次郎は座り尽くした。
は普通では言いそうにない。
次郎は寝 (ね) 尽きた。
次郎は寝 (ね) 尽くした。
は、<寝る>には意思、意図があるが、<寝ている>に意思、意図がないので<寝尽きた>、<寝尽くした>は同じような意味になりそう。だが
次郎は寝尽きて、目を覚ました。
はいいが、
次郎は寝尽くして、目を覚ました。
は何かおかしい。
相当だらだらと長くなっているが、次に
3)、4)他動詞+尽きる、尽くす
をチェックしてみる。そう多くはないので、再度並べてみる。
歌い尽きる 歌い尽くす
思い尽きる 思い尽くす
書き尽きる 書き尽くす
考え尽きる 考え尽くす
(聞き尽きる) 聞き尽くす
探し尽きる 探し尽くす
し尽きる し尽くす
(食べ尽きる) 食べ尽くす
使い尽きる 使い尽くす
取り尽きる 取り尽くす
学び尽きる 学び尽くす
(見尽きる) 見尽くす
燃 (もや)し尽きる 燃し尽くす
(焼き尽きる) 焼き尽くす
やり尽きる やり尽くす
読み尽きる 読み尽くす
忘れ尽きる 忘れ尽くす
歌い尽きる 歌い尽くす
歌い尽きた ー まだ歌うべきなのだが、歌い続けると思っていたが、歌い終わった、歌いやんだ。歌い尽くした ー 歌える限度まで歌った。予定の歌をすべて歌いきった。
思い尽きる 思い尽くす
<思う>は目的語があれば他動詞、なければ自動詞だろう。
太郎は思い尽きた。ー もう思わなくなった。意思、意図はない。
太郎はxxを思い尽きた。
は変なので、他動詞としてはダメだ。
<思い尽くす>は目的語のある他動詞としてであれば問題ない。
太郎は花子を思い尽くしたが、ふられた。
書き尽きる 書き尽くす
書き尽きた ー まだ書くべきなのだが、書き続けると思っていたが、書き終わった、書き終えた(この<終えた>は自動詞か。<書くのをやめた>だと意思、意図が入ってくるので<書くのがやまった>だが、まずこうは言わないだろう。
書き尽くすた ー 書くべきことはすべて書いた。意思、意図がある。
考え尽きる 考え尽くす
これは
思い尽きる 思い尽くす
に準ずるだろう。
<考える>は目的語があれば他動詞、なければ自動詞だろう。
次郎は考え尽きた。ー もう考えなくなった。意思、意図はない。
次郎はxxを考え尽きた。
は変なので、他動詞としてはダメだ。
<考え尽くす>は目的語のある他動詞としてであれば問題ない。
次郎はこの算数問題を考え尽くしたが、解けなかった。(聞き尽きる) 聞き尽くす
ショパンの曲を聞き尽きた。
はおかしい。 だが
ショパンの曲はいいものが多いので、 聞いても尽きることはない。
ならいい。 いくら聞いても、 聞き尽きることはない。聞く曲がなくなることはない。
ショパンの曲を聞き尽くした。
は問題ない。
探し尽きる 探し尽くす
探し尽きた ー まだ探せるのだが、探し終わった。意思、意図はない。
探し尽くした ー 探せるところはすべて探した。
これが<2)他動詞+尽きる、尽くす>の基本だろう。
し尽きる し尽くす
し尽きた ー まだすることができるのが、し終わった。したがって、まだやることが残っている。意思、意図はない。
し尽くした ー することができることはすべてした。 だが、これはなぜか意思、意図があまり感じられない。
(食べ尽きる) 食べ尽くす
食べ尽きる ー まだ食べるものはあるのだが、 食べ終わった。意思、意図はない。何か変だ。
花子は、食べるものは多すぎて、食べきれずに、食べ尽きた。
これならいい。
食べ尽くした ー すべてを食べきった。
使い尽きる 使い尽くす
使い尽きる ー 使いきれずに、使い終わった。意思、意図はない。だが何か変だ。
<使う>はやや特殊で、 <使う対象が、使うと減っていき、ついにはなくなる、例えば洗剤>場合、<使う対象が使うと機能が衰えるていき、ついには使えなくなる、例えば洗濯機>
洗剤を使い尽きる ー なくなるまで使う
花子は洗剤を使い尽きた。なくなるまで使った。意思、意図が薄い。例えば
花子は洗剤を気付かないうちに使い尽きた。
だが、これは変で
花子が気付かないうちに洗剤は使い尽きた。
花子は洗濯機を使い尽きた。
これも変で、
洗濯機は使い尽きて、壊れた。
花子は洗剤を使い尽くした ー なくなるまで使った。意思、意図が濃い。
花子は洗濯機を使い尽くすした ー 1)こわれるまでで使った。2)いろいろな使い方をした。
取り尽きる 取り尽くす
<取る>は他動詞の代表で、他の前半が他動詞の<xx尽きる>、<xx尽くす>複合動詞に応用できよう。
取り尽きた ー まだ取れるのだが、取り終わった。意思、意図はない。取り尽くした ー 取れるものはすべて取った。
学び尽きる 学び尽くす
学び尽きる ー まだ学べるのだが、学び終わる。意思、意図はない。
美代子は学び尽きた ー まだ学べるのだが、さらに学び続けるのは終わった。 gave up studying。
学び尽くす ー 学べるものはすべて学ぶ。
(見尽きる) 見尽くす
XXを見尽きる
はあまり聞かない。<見る>の自動詞は<見える>が可能にもなる。
海が見える。
<海を見尽きる>は<長い間海を見ていて、見るのをやめる>だが、何か変だ。
海を見るのに飽きて、見るのをやめる
ならいい。一種の to give up。
<海が見え尽きる>は<海が見えなくなる>だが、これも変だ。
海が見え尽きるところが陸だ。 海が見え尽きるところに陸がある。
でなんとかなるが、こういう人は少ないだろう。<海の向こうに陸がある> が簡潔でいい。
見尽くす ー 見えるものはすべて見る。
燃 (も) やし尽きる 燃やし尽くす
燃やし尽きる ー1)まだ燃えるものがあるのに燃やし終わる、終える。まだ燃やしきっていない。意思、意図は薄い。<燃やし尽きる>は他動詞。<xxが燃やし尽きる>とは言わない。だが曖昧なところがある。
燃やし尽きる ー2)燃やしきる、の意もある。
燃し尽くす ー すべてを燃やしきった。意思、意図が濃い。
燃え尽きる、燃え尽くす (自動詞)、 燃やし尽くす。いずれも燃えるものはなくなって灰になる。
やり尽きる やり尽くす
<やる>にはいくつか違った意味がある。
やる = する to do
やる = 与える to give
やる = 遣る to delivery、 to dispatch
ここでは
やる = する to do
を取り上げて<する>の意おとりあげ、<し尽きる>、<し尽くす>と比較してみる。上の
し尽きる し尽くす
の説明を<やる>で置き換えてみると
やり尽きた ー まだやることができるだが、やり終わった。したがって、まだやることが残っている。意思、意図はない。
やり尽くした ー やれることができることはすべてやった。
で、問題ない。だが<やり尽くす>の方が<し尽くす>より意思、意図が感じられるか。これは<やり>が二音節、<し>はわずか一音節であるのが影響しているか。<軽い>のだ。<する>は日本語では<漢語+する>で大活躍する。<やる>の場合は<漢語+を+する>となる。
勉強する 勉強をする (勉強やる) 勉強をやる
(宿題する) 宿題をする (宿題やる) 宿題をやる
<勉強>は中国語では基本的に動詞ではない。
仕事する 仕事をする (仕事やる) 仕事をやる
<仕事 (しごと) >は和製漢語で、基本的に名詞。
生活する 生活をする (生活やる) (生活をやる)
話が横道にそれるので、ここでやめる。
読み尽きる 読み尽くす
<読み書き>と言うので、上の<書き尽きる ー 書き尽くす>を応用すると
読み尽きた ー まだ読むべきなのだが、読み続けると思っていたが、読み終わった、読み終えた(この<終えた>は自動詞か。<読むのをやめた>だと意思、意図が入ってくるので<読むのがやまった>だが、まずこうは言わないだろう。
読み尽くした ー 読むべきものはすべて読んだ。意思、意図がある。
で、問題ない。
忘れ尽きる 忘れ尽くす
基本的に<忘れる>に意思、意図はない。<忘れ尽きる>もなんだか変だが、<忘れ尽くす>は、意思的、意図的とすると、もっと変だ。
だが<忘れようとする>では 意思、意図がある。
<忘れ尽きようとする>、<忘れ尽くすそうとする>だと意味がでてくる。この場合、同じような意味だ。いずれも意思、意図がある。したがって<意思、意図の有無>は重要だ。
<忘れ尽きる>、<忘れ尽きた>、<忘れ尽くす>、<忘れ尽くた>とは言わない。アイウエオ順に並べたため、順序が全く逆になっているが、<xx尽きる>、<xx尽くす>が基本的に使えない動詞がある。これはアイウエオ順に並べる過程で、私の頭の中で無意識にのぞかれているのだ。<忘れる>はやや特殊な例で、一般的には
継続的、行程的な動作、行為、現象は<尽きる、終わる>、<尽くす、終える>ことができるので<尽きる、尽くす>が使える。一方、瞬時的な動作、行為、現象は普通<始まり>と<終わり>がないと認識されるので<尽きる、終わる>、<尽くす、終える>はそぐわない。
<尽きる、尽くす>がなじまない瞬時的な動作、行為、現象の例
着く 着き尽きる、着き尽くす
始まる 始まり尽きる、始まり尽くす
始める 始め尽きる、始め尽くす
見つかる 見つかり尽きる、見つかり尽くす
見つける 見つけ尽きる、見つけ尽くす
終える 終え尽きる、終え尽くす
だが、上は主語、主題、目的語が単数の場合で、数が大いと変でなくなる。
着く 全員着き尽きた、全員着き尽くた。(<着き尽くす>は自動詞)
始まる 時間に差はあったが、皆始まり尽くした。
見つかり尽くす なくなったモノはいろいろあったが、すべて見つかり尽くすした、見附尽くした。
終わり尽きる すべて皆が終わり尽きた、
終わり尽きる すべて宿題を終わり尽くした、終え尽くした。
ーーーーー
また瞬時的な動作、行為、現象に見えるが、<xx尽きる>、<xx尽くす>で変でない場合があり、これはそうなる、そうなって行く過程が無意識に含まれているからだろう。
切れる 切れ尽きる、切れ尽くす切る 切り尽きる、切り尽くす
離れる 離れ尽きる、離れ尽くす
離す 離し尽きる、離し尽くす
横道にそれたが
忘れ尽きる 忘れ尽くす
に戻ると
<忘れる>は瞬時的な現象に見えるが、徐々に<忘れる、忘れていく>場合も考えられる。
忘れ尽きる
忘れ尽くす
いやなことはすべて皆忘れ尽くした方がいい。<忘れ尽くす>は自動詞か。
主語は<いやなことはすべて皆>ではない。
xxxxがいい。
となっているので、
<いやなことはすべて皆忘れ尽くした方>が主語となる、かなり複雑な分構成だ。
いやなことがすべて皆忘れ尽くした方がいい。
はダメ。
君は、いやなことはすべて皆忘れ尽くした方がいい。
<君は>の<君>は
君は忘れ尽くす
君が忘れ尽くす
と言えるので、主語、主題といえるようだが、ややこしい。
君が忘れ尽くすすことはいいことだ。
いやなことをすべて皆忘れ尽くせればいいのだが。(<忘れ尽くす>は他動詞)
ーーーーー
以上なのだが、繰り返しになるが、まとめとして、
<xx尽きる>は完了せずに<終わる>、<やむ、止む、已む>。場合によっては<(無意思的、無意図的、自然に)なくなる>の意 ー 燃え尽きる(燃えるものがなくなる)。
一方<xx尽くす>は<すっかり、残りなく、目いっぱい xx (する) >で大体カバーできる。一方、単独で使う<尽きる>、<尽くす>の場合は
xxが (は) 尽きる 自動詞
はやはり
xxが (は) 終わる, やむ (止む、已む), なくなる, の意。
命が尽きる、金が尽きる、道が尽きる
一方<尽くす>は多義語で
1)全力を尽くす ー すっかり、残りなく、すべての力を使いきる。 to use up (all) without any reserve
2)太郎は花子に尽くしたが、ふられた。 to serve
この場合<xxを>の目的語がないので、自動詞にように見える。だが、内容的には<わが身を>が省略されたもの、と見ることができる。
とりあえず、以上で終わる(尽きる)、終える。
sptt
No comments:
Post a Comment