<はてる、果てる>、<はたす、果たす>の複合動詞は<込む>、<込める>の複合動詞と並んで多義にわたっている。
はてる、果てる: 尽きる、終わる、終焉 (しゅうえん)、ある意味で未達
はたす、果たす: やりとげる、達成
自動詞で未達、他動詞で達成というのはおもしろい。
自動詞<はたす、果たす>の未達はやや特別で、普通は<果てない=尽きない、終わらない>と否定で未達なのだが、<尽き果てそうな状態になる>とも考えられる場合がある。 <はてる、果てる>の複合動詞をアイウエオ順に並べてみる。いくらでもある、と言っていいが、おもしろいものが少なくない
あきらめ果てる
あきれはてる
言い果てる
行き果てる
老いはてる
落ちはてる
落ち込みはてる
落ちぶれはてる
衰えはてる
驚きはてる
おののきはてる
おびえはてる
悲しみはてる
考え果てる
消え果てる
朽 (く) ち果てる
腐りはてる
壊 (くず) れ果てる
朽 (く) ち果てる
苦しみはてる
暮れ果てる
困りはてる
壊 (こわ) れ果てる
死に果てる
すぼみ果てる 収縮する、小さくなる
ずるけはてる ずるける=ずるをする、なまける、ずるけてxxしない
染まりはてる 悪に染まりはてる
嘆きはてる
怠 (なま) けはてる
悩みはてる
広がり果てる 広がり切る (限度に近い)
ふくらみ果てる ふくらみ切る (限度に近い)
へたりはてる
燃え果てる
破れ果てる
敗れ果てる
汚 (よご) れはてる
弱りはてる
副詞<すっかり>と相性がいい。これは<果てる>という意味も残るが ” 強調 ” と言えるものが多いので<はてる>とした。
副詞<ついに>と相性がいいものは<果てる>とした。だが<はてる>、<果てる>は聞いたり、言ったるする場合は区別はない。したがって基本的な違いはないのか。
さて冒頭の
はてる、果てる: 尽きる、終わる、終焉 (しゅうえん)、ある意味で未達
の<ある意味で未達>について説明する。上記の例の<xx果てる>の方をもう一度検討してみる。
言い果てる ー 言い切る、言い尽くす前に言い果てた。
行き果てる ー 行き着く前に行き果てた。
考え果てる ー すっかり考え切る、考え尽くす前に考え果てた。いいアイデアが考えつく前に考え果てた。
死に果てる ー 死に尽きる前に死に果てた。
燃え果てる ー 燃えきる、燃え尽きる前に燃え果てた。
以上はややこしいので、あまり言わないが可能で<ある意味で未達>だ。数学で極限という考え方があるが、これとは違う。未達でまだ何かが残っている感じだ。
終わり果てる
尽き果てる
は主動詞が<終わる>、<尽きる>なので未達にならない。
話が長くなってきたので、他動詞<はたす、果たす>の複合動詞は後日に検討予定。
sptt
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