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ヘンテコな動詞<つかむ>、<つかまる>、<つかまえる>
に続いて、意味としては似ているような
捉 (とら) える 他動詞 ー とらわる、とらわれる 自動詞
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ヘンテコな動詞<つかむ>、<つかまる>、<つかまえる>
に続いて、意味としては似ているような
捉 (とら) える 他動詞 ー とらわる、とらわれる 自動詞
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 ー つかむ 他動詞がある。
この3動詞の関係はおもしろい。
<つかまる>は他動詞<つかまえる>の自動詞形といえる。
<つかまえる>は英語では to catch だが、受身の to be caught は日本語では<つかまえられる>とも言えるが、普通は簡単、簡潔な<つかまる>と言う。
犯人は警察につかまった。 The criminal was caught by the police.
が普通で
犯人は警察につかまえられた。 The criminal was caught by the police.
はまれだ。
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞
この簡易な自動詞用法は、日本語ではよく見られ、日本語らしい。
植 (う) える 他動詞 ー 植わる 自動詞 庭にxxが植わっている。気がつきにくいが
上 (あ) げる 他動詞 ー 上がる 自動詞
下 (さ) げる 他動詞 ー 下がる 自動詞
もこの類だ。
さて
つかまる 自動詞 ー つかむ 他動詞
のコンビは様相が異なる。<つかまる>は行為の対象があるので他動詞っぽいが
手すりにつかまる to hold, to grip a rail
で<に>をつとるので自動詞だ。(格) 助詞<に>には対象を示すというのがあるが
手すりをつかむ to hold, to grip a rail
の<つかむ>は<を>をとるのでれっきとした他動詞だ。
つかまる 自動詞 ー つかむ 他動詞
の古語をネットでザっと調べてみたが出てこない。近代語か方言かもしれない。
sptt
<抱える>は他動詞、<関わる、係る>は<xxに関わる、係る>で 自動詞。一見関係なさそうだが、平仮名で書けば、または耳で聞けば
<かかえる>ー<かかわる>
<関わる、係る>の方は多くは<xxに関わる、係る>と使うが
xxは (が) yyに関わって、係わっている
という純自動詞的な言い方がある。少しよく考えると、<関わる、係る>の漢字に惑わさられなければ、話は違ってくる。
一方、<抱える>は<だきかかえる>とも言えるが、<抱 (だ) き抱 (かか) える>とは書かない。したがって<抱く>の<抱>も<抱える>の<抱>もかなりの当て字だ。
<かかえる>ー<かかわる>
で話を進めよう。
<かかえる>は上記のように物理的、身体動作的には<だきかかえる>だが、比喩的に
問題をかかえる
借金をかかえる
などと言う。一般的には<自分の内に持つ>と言えそう。あたり前だが<何かを自分の内に持つ>とその何かと自分との間に関係、<かかわり合い>ができる、生じる。<できる>、<生じる>は典型的な自動詞だ。つまりは<かかえる>と<かかわり>ができる、生じるのだ。
これで<終わり、以上>でもいいのだが、<かかえる>と<かかわる>の言葉をもう少しチェックしてみる。<かかえる>の古語は<かかふ>で、ネット辞典では
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%B5
かか・ふ 【抱ふ】
[一]他動詞ハ行下二段活用活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
① 抱きかかえる。
② 自分に課せられたものとして持つ。かかえる。
出典平家物語 一一・鶏合壇浦合戦[訳] これ程の大事をこのさきに抱えているのに。
③ 召しかかえる。雇い入れる。
という解説がある。
一方<かかわる>の古語は<かかはる>で、ネット辞典では
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%AF%E3%82%8B
かかは・る 【係はる・関はる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
かかわりあいになる。関係をもつ。
出典蜻蛉日記 上
「かかる所も、とりつくろひかかはる人もなければ」
[訳] このような所も、手入れをしかかわりあいになる人もないので。
という解説がある。
これからすると、古語の<かかふ>、<かかはる> は昔から現代語の<かかえる>、<かかわる>のような独立した意味で使われていたようで他動詞<かかふ>から自動詞<かかはる>に転用されていった形跡がすぐには見いだせない。
<かかふ>、<かかはる>の関係、つまりは、他動詞と自動詞では意味にズレがある動詞では、最近調べているが、
たずさえる (たづさふ)他動詞 ー たずさわる 自動詞もややズレがある。古語<従ふ>はややこしい。他動詞養蜂と自動詞用法がある。
一方、ズレがあまりない動詞もある。
植 (う) える 他動詞 ー 植わる 自動詞 庭にxxが植わっている。
備 (そな) える 他動詞 ー 備わる 自動詞 xxが備わっている
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 (これもややズレがある)
伝 (つた) える 他動詞 ー 伝わる 自動詞
ところで、<関わる、係る (かかわる) >では
掛 (か) ける 他動詞 ー 掛 (か) かる 自動詞
があり、これまた漢字にとらわれなければ
かける 他動詞 ー かかる 自動詞
<かかる>の方は意味としては、物理的、身体動作的には<引っかかる>だが、比喩的には
yyは (が) xxにかかる
で<関係する>の意で使われる。同義語とも言える。
できるかできないかは努力にかかっている。<かわる>は<かかえる>よりも<かかる>由来の線が濃いようだ。
sptt
>
他動詞<たずさえる>と自動詞<たずさわる>では意味にズレがある。
古語<たづさふ>は
[一] 自動詞ハ行四段活用 活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
手を取りあう。連れ立つ。連れ添う。
出典万葉集 七二八
「吾妹子(わぎもこ)とたづさひ行きてたぐひて居(を)らむ」
[訳] あなたと連れ立って行って、一緒にいよう。
手に持つ。携帯する。携える。
これは現代語<たずさえる> の意と同じだ。
みやげをたずさえて (携えて) 故郷に帰る。
<手にもって>、<携帯して> 故郷に帰る。
では日本語の味がない。
一方<たずさわる>の古語は<たづさはる>で自動詞だが
自動詞ラ行四段活用活用{ら/り/る/る/れ/れ}
① 手を取り合う。
出典万葉集 九〇四
「夕星(ゆふつづ)の夕べになればいざ寝よと手をたづさはり」
[訳] 夕方の星の出る夕べになると、さあ寝なさいと手を取り合い。
(<を>取るので自動詞というよりは他動詞。<たづさはり>自体に<手を取り合う>の意味があるので<夕星(ゆふつづ)の夕べになればいざ寝よとたづさはり> でも通じるはずだ。これであれば自動詞でもいさそう。
② 連れ立つ。
出典万葉集 三九九三
「思ふどち馬うち群れてたづさはり」
[訳] 親しい仲間が馬に乗って集まり連れ立ち。
( ①と②の意味は上の古語<たずさふ>の
[一] 自動詞ハ行四段活用 活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
手を取りあう。連れ立つ。連れ添うとほぼ同じ。)
③ かかわり合う。関係する。
出典徒然草 一六七
「一道にたづさはる人」
[訳] 一つの専門の道にかかわり合う人
<たずさわる>と<③ かかわり合う。関係する>は似たようなところがある。一方
① 手を取り合う。頭の<た>は 訳文に見えるがに<手>の意だ。
手折る ー> たおるなどと言うのがある。したがって、古語<言葉が誕生したころは<手>の意味があったであろう。したがって
手を取りあう。(手を取って) 連れ立つ。(手を取って) 連れ添う。
が原意。古語の<たづさはる>では、これが<かかわり合う。関係する>の意味に変わって行ったことになる。上記の
③ かかわり合う。関係する。
出典徒然草 一六七
「一道にたづさはる人」
[訳] 一つの専門の道にかかわり合う人
ここで注意したいのは<たずさはる>ではなく<たづさはる>。ほとんど聞かないが
という言葉があり、関連語かもしれない。
<たずさわる>の<かかわり合う。関係する>という意味は、<手>を使うと
手を出す<たえる>には<絶 (た) える>と<耐 (た) える>がある。<絶える>は
自動詞<絶える>に対して、他動詞の<絶やす>がある。
マンモスは絶えた。
友人からの連絡が絶えている。
という純自動詞的な用法がある。 一方、他動詞の<絶やす>は
この悪習を根こそぎ絶やす必要がある。
などと使う。
この悪習は根こそぎ絶やす必要がある。
ともいうが、<を>がなくても他動詞だろう。法律文のようになるが、これは
この悪習は、これを根こそぎ絶やす必要がある。
と言い換えが可能だ。
さて、同じ<たえる>の発音で<耐える>がある。<耐える>は普通
苦痛に耐える。と言い、自動詞。
苦痛を耐える。
重労働を耐える。
と普通は他動詞的には使わない。
自動詞 絶える ー 他動詞 絶やす
のように自動詞<耐える>に対応する他動詞はあるか?
<耐える>は普通<xxに耐える>で自動詞だが、<xxが耐える>という純自動詞的な言い方はあまり聞かない。<xxを耐える>はダメか?
<耐える>の類語として、ネット辞典では
https://www.weblio.jp/content/%E8%80%90%E3%81%88%E3%82%8B
[類語](1)耐え忍ぶ・忍ぶ・こらえる・辛抱する・我慢する・忍耐する・隠忍する・忍従する・頑張る・歯を食いしばる・涙を呑む・抑える
が載っているが
xxを忍ぶ、xxをこらえる、xxを辛抱する、xxを我慢する
が普通で、みな他動詞だ。<xxする>動詞が他動詞になるのはそれなりの理由があるようだが、<xxを忍ぶ>、<xxをこらえる>は純粋に他動詞だ。<耐える>が<xxに耐える>で自動詞なのはどうしたことか? 繰り返しになるが、<xxを耐える>はダメか?
英語で<耐える>に相当する語は to endure で
to endure stress, grate pain, difficulty
など直接目的語をとる他動詞。だが自動詞用法もある。
Dictionary..com
verb (used with object)
to hold out against; sustain without impairment or yielding; undergo.
to endure great financial pressures with equanimity.
プレッシャーに耐える
to bear without resistance or with patience; tolerate.
I cannot endure your insults any longer.
侮辱に耐えられない
to admit of; allow; bear.
His poetry is such that it will not endure a superficial reading.
浅薄な読み方に耐えられない
英語は直接目的語をとる他動詞だが、日本語訳 (sptt訳) ではいずれも<xxに耐える、耐えられない>になっている。
verb (used without object)
to continue to exist; last.
These words will endure as long as people live who love freedom.
これらの言葉は人々が自由を愛する限り耐える (生き残る)。
to support adverse force or influence of any kind; suffer without yielding; suffer patiently.
Even in the darkest ages humanity has endured.
最も暗い時代でも人間性は耐えた、耐え抜いた (生き残った)。
to have or gain continued or lasting acknowledgment or recognition, as of worth, merit or greatness.
His plays have endured for more than three centuries.
彼の劇作は三世紀以上も耐えてきた (生き抜いてきた)。
日本語訳に<耐える>、<耐えた>があるが
xxに耐える、耐えた
ではなく
xxは耐える、耐えた
で<xxに耐える、耐えた>のような用法ではなく
xxが耐える
のような純自動詞的な使い方だ。
これらの言葉が人々が自由を愛する限り耐える (生き残る)。
最も暗い時代でも人間性が耐えた、耐え抜いた (生き残った)。
彼の劇作が三世紀以上も耐えてきた (生き抜いてきた)。
は<は>を<が>で置き換えたものだが
<これらの言葉>、<人間性>、<彼の劇作>が初回出、あるいは事件報告のような場合は可能だ。
さて
苦痛に耐える
重労働に耐える
に戻ると
苦痛を耐え忍ぶ
重労働を耐えこらえる
は可能で、これは<忍ぶ>、<こらえる>にひかれたためだろう。
<耐える>と<忍ぶ>、<こらえる>は意味的にどこが違う。しいて探せば
<耐える>受身度が高い、<忍ぶ>、<こらえる>は能動度が高いと言えないか?<忍ぶ>、<こらえる>に積極性 (対象に働きかける) ニュアンスはないか? 一方<耐える>はこの背極性が薄いといえないか?
しつこいようだが
苦痛を耐えるはダメだろうか?
例えば
イジメに耐える
は受身度が高く、反抗の姿勢が薄い。
一方
イジメを耐える
は積極性 (対象に働きかける) 、そして反抗の姿勢が感じられないだろうか?
英語を参考にすると
苦痛を耐える ー to endure pain
重労働を耐える ー to endure heavy labor
イジメを耐える ー to endure bullying
理不尽な非難を耐える ー to endure unreasonable criticism
で他動詞用法だが、
to endure against pain
to endure heavy against heavy labor
to endure against bullying
to endure against unreasonable criticism
の自動詞用法も可能だろう。だが、受身的、能動的に差は特にないようだ。
また<さて>で、<xxに耐える>の<に>だが、助詞<に>は普通
学校に行く
学校に戻る
家に帰る
夜7時に家に帰る
花子に花を贈る
太郎に話しをする
という使い方だが、 細かく分類すると助詞<に>にはいろいろな用法があり、<対象を示す>というのもある。
Wiki
行為を行う対象。
https://japanese-language-education.com/nikaku/
【対象】の用法
対象とは、述語が表す動きや認識に対して、その動きの影響を受けるもの・認識が向けられるもののことです。
【動作の対象】
父に反抗した。
【心的活動の対象】
彼の雄姿に憧れた。
ーーーーー
不正に厳正に対処する。
は
不正を厳正に対処する。
では、やや問題がありそう。だが
不正を厳正に対する。 はほぼダメで
不正に厳正に対する。 が普通
不正を厳正に処する。これはOK
で合成語の<対処する>はそう厳密ではなさそう。<対処する>は自動詞、他動詞兼用とも言えそう。これは<xxする>動詞にみられる。
一言一句にこだわる。
は
一言一句をこだわる。
でも問題ないだろう。すなわち<に>は<を>で代替できるのだ。
従って
<こだわる>は普通<xxにこだわる>だが、<xxをこだわる>だと、むしろ積極性 (対象に働きかける) が感じられないだろうか?
父に反抗した。
父を反抗した。
は全くダメ。 <反抗する>も<xxする>動詞だが、自動詞で、英語でいえば against が必要な動詞だ。
彼の雄姿に憧 (あこが) れた。
は
彼の雄姿を憧れた。
は可能のようだ。 これまた<を>で対象そのものが強調されるようだ。
以上のように<対象を示す>助詞<に>は流動的だ。<対象を示す>助詞は普通<を>で、<を>をとる動詞は普通他動詞。ところで、<を>をとる自動詞がある。移動動詞。移動動詞はこれまで何度も取り上げた。
<xxに耐える>は<に>をとるが、自動詞であるとともに他動詞でもあるのではないか?
sptt
他動詞<受ける> 試験を受ける
自動詞<受かる> 試験に受かる
他動詞<受ける>は<試験を受ける>以外に、例えば<試練を受ける>、<いじめを受ける> があるが、<試練に受かる>はほぼダメ、<いじめに受かる>はダメだ。自動詞らしいのは<xxが受かる>だが、例がすぐに思いうかばない。 <試練に受かる>がほぼダメというのは、試験はもともとある意味では試練だからだ。
ところで
自動詞<受かる> 試験に受かる
は<を>をとらないので自動詞か?
試験が受かる
なら自動詞でいいが、こうはいわない。<試練が受かる>、<いじめが受かる>もダメ。
<受ける>は<を>をとるので他動詞だが、やや特殊で、意味としては<与えられる>で受身的だ。
A ーー 試験 ーー> B
Aは与える。Bは与えられる。またはBは<受ける>
受身は対象が主語で
試験が与えられる
これからすると
<受ける>は<を>をとるから他動詞といえるか? 少なくとも能動的に<試験に働きかける<わけではない。
英語で<受ける>は to receive で、to receive xx で他動詞。だが
<試験を受ける>は to receive an exam とはいわず、to take an exam.
to receive も to take も他動詞だが、英語でも to receive は受身的だ。
An exam is taken. はなんとかなるが、An exam is received.とはまず言わないだろう。A gift is received. ならいい。
つまるとこころは<試験を受ける>がおかしいようだ。さらには<試験に受かる >はややこしい。
関連動詞として
植える 他動詞 ー 植わる 自動詞 庭にxxが植わっている。などがあるが、他動詞は純他動詞 (能動的) で受身的ではない。
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日本語の動詞活用、五段活用、上一段 / 下一段活用
の下一段活用の部分で
”
”
と書いた。<染める>以外では、手元の辞書では<植える>、<受ける>、<捨てる>が紹介されている。すべて他動詞だ。
染める 他動詞 ー 染まる 自動詞
他動詞<染める>の下一段活用は
未然形 染めーない
連用形 染めーて、染めーます
終止形 染めーる
連体形 染めーるーとき、染めーるーところ
仮定形 染めーれば
命令形 染めーろ
語幹の<染め>は変化がない。<め>は<ま、み、む、め、も>の<め>。
一方、自動詞<染まる>の五段活用は
未然形 染まーらーない
連用形 染まーりーて->染まって (音便) 、染まーりーます
終止形 染まーる
連体形 染まーるーとき、染まーるーところ
仮定形 染まーれば
命令形 染まーれ
語幹の<染ま>は変化がない。活用部の<ら、り、る、れ、ろ>の<ろ>がないが、 <ろ>は第二の未然形となっている。これは未然形に付く意思、推量の<う> (古語では<む>) が<ろ>につく。<染まろう>はひと昔は<染まらう> (古語では<染まらむ>) になっていた。
したがって
未然形 染まーらーない
は
未然形 染まーらーない、染まーろーう
としないと<ら、り、る、れ、ろ>の五段活用にならない。
命令形 染まーれ
の下に
推量、意思形 染まーろーう
を加えれば
<ら、り、る、れ、ろ>になる。
さて、下一段活用の動詞に戻ると
植える 他動詞 ー 植わる 自動詞 庭にxx植わっている。
受ける 他動詞 ー (受かる) 自動詞 試験に受かる。<受かる>は自動詞だが、他動詞<受ける>にそのままは対応しない。
捨てる 他動詞 ー 自動詞 ?
でどうも下一段活用動詞は統一がとれていない、規則的でない。 これらだけでは不十分で、もう少し調べてみる。
得 (え) る
未然形 得 (え) ーない
連用形 得 (え) ーて
終止形 得 (え) ーる
連体形 得 (え) ーるーとき
仮定形 得 (え) ーれば
命令形 得 (え) ーろ
<得 (え) る>の古語形は<ア行下二段活用>で
活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}
未然形 得 (え) ーない<う>と<え>があるので二段活用。<得 (う)>はもうほとんど使わないが、<得 (う) るとき>は今でも使うことがありそう。
XXえる
和 (あ) える (料理) 他動詞 ー ? (和う)
与 (あた) える 他動詞 ー ?
与 (あた) える
未然形 与 (あた) え ーない
連用形 与 (あた) え ーて
終止形 与 (あた) え ーる
連体形 与 (あた) え ーるーとき
仮定形 与 (あた) え ーれば
命令形 与 (あた) えーろ
<与 (あた) える>の古語形は<与ふ>で<ハ行下二段活用>。
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
未然形 与 (あた) へ ーず古語では
未然形<与 (あた) へ>+<れば>は今の仮定形<与 (あた) えれば>。発音は同じだ。一方已然形<与 (あた) ふ>+<れば>で意味が違う。現代語では<与えるので、与えたので>となる。
甘 (あま) える 自動詞 ー ?
未然形 甘 (あま) え ーない
連用形 甘 (あま) え ーて
終止形 甘 (あま) え ーる
連体形 甘 (あま) え ーるーとき
仮定形 甘 (あま) え ーれば
命令形 甘 (あま) えーろ
<甘 (あま) える>の古語形は<ヤ行下二段活用>で
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
未然形 甘 (あま) え ーず<xxゆ>由来の<xxえる>は多い。
癒 (い) える 自動詞 (癒ゆ)ー 癒 (いや) す 他動詞
植 (う) える 他動詞 ー 植わる 自動詞 庭にxxが植わっている。
未然形 植 (う) え ーない
連用形 植 (う) え ーて
終止形 植 (う) え ーる
連体形 植 (う) え ーるーとき
仮定形 植 (う) え ーれば
命令形 植 (う) えーろ
<植 (う)える>の古語形はややこしい。<ワ行下二段活用>で
活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}
未然形 植 (う) ゑ ーない
連用形 植 (う) ゑ ーて
終止形 植 (う) う
連体形 植 (う) う ーるーとき
已然形 植 (う) う ーれば
命令形 植 (う )ゑーよ
<ゑ>は見慣れない平仮名だが、昔は
wa, wi, u, we, wo
という発音があったようで、これは別の書き方をすれば
ua, ui, uu, ue, uo
つまりは
<u> + <a>、<i>、<u>、<e>、<o>
という音の組み合わせ。<u>は<a>や<e>に比べると、発音するのに力がいる。おそらく、このため使われなくなったのだろう。つまりは終止形、連体形、已然形の<植 (う) う>は発音しずらい。まだ結論ではないが<e>は下一段活用で活躍する。
見慣れない平仮名がたくさん出てくる (とと思われる) 古語のワ行4段活用はない。また現代語のワ行五段活用は、ワ行とは言うが<わ>の一字しか出てこない。
買う
未然形 買わーない、買おう (*)(*) <買おう>はワ行であれば<買をう>でもよさそうだが、ダメのようだ。
飢 (う) える
未然形 飢 (う) え ーない
連用形 飢 (う) え ーて
終止形 飢 (う) え ーる
連体形 飢 (う) え ーるーとき
仮定形 飢 (う) え ーれば
命令形 飢 (う) えーろ
<飢 (う) える>の古語形は上の<植 (う)え る>に準じる。ワ行下二段活用。<飢 (う) える>は自動詞だ。
終 (お) える 他動詞 ー 終わる 自動詞
未然形 終 (お) え ーない
連用形 終 (お) え ーて
終止形 終 (お) え ーる
連体形 終 (お) え ーるーとき
仮定形 終 (お) え ーれば
命令形 終 (お) えーろ
<終 (お) え る>の古語形はややこしい。終止形は<を・ふ 【終ふ】>で、自動詞 / 他動詞ハ行下二段活用。ハ行下二段活用活用は<与 (あた) える>で出てきた。{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
ネットでは<自動詞ハ行下二段活用>と<他動詞ハ行下二段活用>なっているが、これは間違いで他動詞ハ行下二段活用だけだろう。
自動詞 ハ行下二段活用の例。
https://kobun.weblio.jp/content/%E3%82%92%E3%81%B5
”
万葉集 一七六
「天地(あめつち)と共にをへむと思ひつつ仕へ奉(まつ)りし心違(たが)ひぬ」
[訳] 天地(が終わる)とともに(奉仕も)終わろうと思いつづけてお仕え申し上げた志とは違ってしまった。
”
訳文では<(奉仕も)終わろう>となっているが<(奉仕を)終えよう>という意味だろう。
つまりは<終 (お) える>が<終 (を) ふ>だ。 反対に言えば<終 (を) ふ>が<終 (お) える>に変わっていったのだ。これは大きな変化だ。さらに他動詞<終 (お) える>に対応する自動詞は<終わる>。<終わる>は古語では<終 (を) はる>。これはラ行四段活用。
未然形 終 (を) へ ーず”
ということで、<順接や逆接の確定条件を表す>で、<終 (お) えるので>というよりは<終 (お) えたので、終えあるので>となるか。これはおもしろい問題だ。
さらに、古語<終 (を) はる>が<終わる>と、表記では<は>ー><わ>に変わっていることにも注意。他動詞、下一段活用<xxえる>ー 自動詞 五段活用<xxわる>は。これからでてくる。
おびえる (怯える) (おびゆ) 自動詞 ー
変 (か) える 他動詞 (変ふ)ー 変わる 自動詞 ー 上記<終える>参照
抱 (かか) える 他動詞 (抱 ふ)ー ? かかわる(関わる)(かかはる)
<かかわる>(関わる、係る)という語があるが<抱 (かか) える>とは関係ないように見えるが、<関わる、係る>と漢字を使わずに<かかわる>とすれば (耳で聞けば同じだ) 、<かかえる>ー<かかわる>とすれは、<抱 (かか) える>が原意といえるのではないか。
数 (かぞ) える 他動詞 (数ふ)ー ?
自動詞<数わる>はないようだが、少数派だが<植わる>はあるので、<植わっている>ー<植えられている>)、<数わる>ー<数えられている>でよさそう。少なくとも<数わる>は<数えられている>より簡潔だ。
かなえる (かなへる) 他動詞 ー かなう (かなふ) 自動詞
<かなえる>、<かなう>はややこしい。
<夢をかなえる>、<望みをかなえる>で他動詞。<望みにかなう>、<理にかなう>、<要求にかなう>で自動詞。さらに<かなわない>という言い方がある。<この相手にはかなわない>。<かなわない>の肯定は<かなう>で<対抗できる>といった意味だが、<毎日こう暑くてはかなわない>(主語がない、というか省略されている)といった言い方もある。
意味は
<かなえる>は<夢、望みを実現させる>。
<かなう>は自動詞だが<望みを、理 (道理) を、要求を満足させる>といった他動詞的な意味にもなる。 だが基本的な意味は<対応する>のようだ。
構える 他動詞 (構ふ)ー ?
古語<構ふ>は他動詞ハ行下二段活用で、上に<与える、与ふ>ででてきた。現代語<構える>は<与える>に準じ
未然形 構え ーない
連用形 構え ーて
終止形 構え ーる
連体形 構え ーるーとき
仮定形 構 え ーれば
命令形 構 えーろ
なのだが、<かまわない>という言い方があり、<構えない>とは違う。<かまう>は別の語で、 <かかわる>といった意味で、ワ行五段活用
活用形。これに対応する古語は<構ふ>だが、こちらはハ行四段活用で、活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}。現代語の<かまう>は<わ>がでてくるのでワ行五段活用。上の<買う>で出てきたが
未然形: かまわ(ない)、かまお(う)
連用形: かまい(ます)、かまっ(た、て)
終止形: かまう
連体形: かまう(こと)
仮定形: かまえ(ば)
命令形: かまえ
この<かまう>は日常よく使う。ややこしく自他両用動詞のようだ。下一段活用ではないので、これ以上は話を進めない。(別途検討)
消 (き) える (消ゆ) 自動詞 ー 消す 他動詞
越 (こ) える (越ゆ) 自動詞 ー 越す 自動詞 (移動動詞)
古語<越ゆ>は自動詞となっている。もっとも現代語<越 (こ) える>も<を>をとる移動動詞扱いで自動詞。すぐ上の
消 (き) える (消ゆ) 自動詞 ー 消す 他動詞
からすると<越す>は他動詞のようだが、これも<を>をとる移動動詞で自動詞扱いのようだ。<す>の使役性、他動詞化性から検討してもいいのではないか。移動動詞については、これまでいろいろ書いているが、とりあえずの結論めいたものは
のポストで、最後に
”
<を>をとる移動動詞とは
2)は思い切ってもっと簡単に
<を>は動詞内容が行われる場所を示す格助詞。
と言える。場所を示す格助詞では<へ>と<に>だが、<を>も移動動詞では場所を示す格助詞になるということだ。
”
と書いている。
聞 (きこ) える (聞 (きこ) ゆ) 自動詞 ー 聞く 他動詞
これは
見える (見ゆ) 自動詞 ー 見る 他動詞
とともに重要な動詞だ。 世界の認識の根本で、これまでにも別のポストで何度か取り上げて詳しく検討している。
<聞 (きこ) える>は<なしえる>、<行ける>などからの連想から可能の<聞くことができる>の意にもとれるが、<自然と耳に入る>、他動詞<聞く>に対応する自動詞と見た方がいいだろう。<聞 (きこ) える>は古語の<聞 (きこ) ゆ) >由来で、<聞 (きこ) ゆ) >には可能の意はない。<聞 (きこ) ゆ) >はャ行下二段活用。ャ行下二段活用の代表と言ってもいい。
未然形 聞 (きこえ) ーず
連用形 聞 (きこえ) ーて
終止形 聞 (きこ) ゆ
連体形 聞 (きこ) ゆ ーるーとき
已然形 聞 (きこ) ゆ ーれば
命令形 聞 (きこ) えーよ
聞 (きこ) ゆ、聞 (きこ) ゆ ーるーとき
はやや古臭いが、耳に入る響きはいい。
肥 (こ) える (肥ゆ) 自動詞 ー 肥やす 他動詞
答 (こた) える (答ふ) 自動詞 ー ?
冴 (さ) える (冴ゆ) 自動詞 ー 冴 (さ)やす 他動詞 (聞いたことはない)
<頭が冴える> とは言うが<頭を冴やす>とは言わない。<頭が冷える>とは言わないが<頭を冷やす>と言う。
支 (ささ) える (支ふ ) 他動詞 ー ?
従 (したが) える (従ふ) 他動詞 ー 従う (従ふ) 自動詞
古語では他動詞<従ふ>はハ行下二段活用で、活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
① 服従させる。従わせる。
② 引き連れる。後について来させる。
で<従わせる>の意味もあったようだ。
一方、自動詞<従ふ>はハ行四段活用で、活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}。
現代語の<従う>は<わ>がでてくるので、 ワ行五段活用
活用形。これも古語の<与ふ><構ふ>と同じく、ハ行四段活用 (活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ) ー>現代語のワ行五段活用への移行だ。
未然形: 従わ(ない)、従お(う)
連用形: 従い(ます)、従っ(た、て)
終止形: 従う
連体形: 従う(こと)
仮定形: 従え(ば)
命令形: 従え
<従う>は<xxに従う>以外に、<応じる>の意でxxに従って (従いて) >、独立して<したがって、xxxx>という言い方がある。
据 (す) える 他動詞 (据う) ー 据 (す) わる、座る 自動詞
<据 (す) える>の古語は<据う>で、ワ行下二段活用。<植 (う) う>と同じ。
活用{ゑ/ゑ/う/うる/うれ/ゑよ}
で<わ>の字、そして<わ>の音は出てこない。なにか変な感じだ。
ところが、古語では<据う>以外に<他動詞 ヤ行下二段活用>の<据ゆ>がある。
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
現代語の自動詞<据 (す) わる>は
肝 (きも) がすわっている。度胸がすわっている。
という言い方があるが、あまり一般的ではない。一方、関連語の<座る>は日常語で毎日のように使われている。<据わる>、<座る>は文字で書くと違いが読んだり、言ったりする時は<すわる>で同じだ。
添 (そ) える (添ふ) 他動詞 ー 添 (そ) わる 自動詞
<添 (そ) わる>はほとんど聞かないが
<植わっている>と同じように<添えられている> の代わりに<添わっている>で使える。
花子には気品が添わっている。
<添 (そ) える>は上の<従 (したが) える>と似かよった意味がある。
xxに従ってだが、こちらの方は<沿 (そ) う>でワ行五段活用。
備 (そな) える (備ふ) 他動詞 ー 備わる 自動詞 xxが備わっている
古語の<備ふ>は他動詞ハ行下二段活用。<備わる 自動詞> の古語は<備はる>で、ラ行四段活用で
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
未然形 備はら ーず
連用形 備はり ーて
終止形 備はる
連体形 備はる ーとき
已然形 備はれ ーば
命令形 備はれ (自動詞の命令形)
現代語の 自動詞<備わる>は頻繁ではないが、<xxが備わっている>などで使われる。<備えられている>より少し簡潔で日本語的だ。
そびえる (そびゆ) 自動詞 ー
揃 (そろ) える (そろふ)他動詞 ー 揃う 自動詞
古語<そろふ>はややこしい。自動詞<そろふ>はハ行四段活用で
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
他動詞<そろふ>はハ行下二段活用で
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
現代語の他動詞<揃 (そろ) える>は他動詞<そろふ>ハ行下二段活用由来だ。これは上の<備 (そな) ふ>に準じる。一方、現代語の自動詞は<揃 (そろ) う>は、古語の自動詞<そろふ>ハ行四段活用由来だ。これはラ行四段活用の<備 (そな) はる>に準じない。くり返しになるが
未然形 備 (そな) はら ーず
連用形 備はり ーて
終止形 備はる
連体形 備はる ーとき
已然形 備はれ ーば
命令形 備はれ (自動詞の命令形)
に対して
未然形 揃 (そろ) は ーず
連用形 揃 (そろ) ひ ーて
終止形 揃 (そろ) ふ
連体形 揃 (そろ) ふ ーとき
已然形 揃 (そろ) へ ーば
命令形 揃 (そろ) へ (自動詞の命令形)
現代語の自動詞<揃 (そろ) う>はワ行五段活用
未然形 揃 (そろ) わ ーず
自動詞の命令形はまれにしか使わないだろう。
絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞
<絶やす>の古語はやや複雑で
絶えす
活用{せ/し/す/する/すれ/せよ}
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
耐 (た) える (耐ふ)自動詞 ー ?
<耐える>は普通<xxに耐える>で自動詞だが、<xxを耐える>でもよさそう。また<xxが耐える>という純自動詞的なあまり聞かない。別途検討
たずさえる (たづさふ)他動詞 ー たずさわる 自動詞
これもややこしい。他動詞<たずさえる>と自動詞<たずさわる>では意味にズレがある。
意味のズレでは、後で出てくるが受ける 他動詞 ー 受かる 自動詞
が顕著。
従 (したが) える 他動詞 ー 従う (従ふ) 自動詞 (したがって)
もややズレがある。
ズレがあまりない動詞もある。上で出てきたが
植 (う) える 他動詞 ー 植わる 自動詞 庭にxxが植わっている。これから出てくる
つかまえる 他動詞 ー つかまる 自動詞 (これもややズレがある)
伝 (つた) える 他動詞 ー 伝わる 自動詞
現代語の<たずさわる>は<かかわり合う。関係する>といった意味だが、これに関連しては、上の方に
<さしつかえる>は自動詞で
(今日の疲労) が明日の仕事に差し支える
のように使える。
つかまえる 他動詞 (つかまふ) ー つかまる 自動詞 <つかむ>という他動詞がある。
<つかまふ>はハ行下二段活用。活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
未然形 つかまへ ーず
連用形 つかまへ ーて
終止形 つかまふ
連体形 つかまふ ーるーとき
已然形 つかまふ ーれば
命令形 つかまへーよ
古語<つかまふ>の意味は現代語の<つかまえる>の意のようだが、<つかまる>、<つかむ>の古語が見当たらない。
同じ様な意味では<とらえる>、古語<ろらふ>がある。
<つかまる>は<xxにつかまる>で、たとえば
手すりにつかまる
自動詞のようだが、<xxがつかまる>では
泥棒、犯人がつかまる
で
泥棒、犯人がつかまえられる
の意味になってしまう。
<つかまる>は<つかむ>の自動詞形といえそう。一方<つかむ>の受身形は<つかまれる>。 なにかややこしい。
伝 (つた) える(つたふ)他動詞 ー 伝わる(伝はる)自動詞
古語<つたふ>はネット辞典でチェックしてみると、自動詞用法と他動詞用法がある。
https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BC%9D%E3%81%B5
つた・ふ 【伝ふ】
ある物に沿って移る。伝わる。
出典 万葉集 一八二六
「鶯(うぐひす)の木末(こぬれ)をつたひ鳴きつつもとな」
[訳] うぐいすがこずえに沿って飛び移りながらむやみに鳴いている。
(この自動詞用法は<を>をとる移動動詞賭していいだろう。<こずえを移る>←<家を移る>。現代語訳に<伝わる>がある)
① 伝え残す。伝言する。伝授する。
出典 徒然草 一八
「これをいみじと思へばこそ、記(しる)しとどめて世にもつたへけめ」
② 伝え受ける。受け継ぐ。教わる。
出典 方丈記
「父方の祖母(おほば)の家をつたへて」
[訳] 父方の祖母の家を受け継いで。
一方古語<伝はる>の方は
https://kobun.weblio.jp/content/%E4%BC%9D%E3%81%AF%E3%82%8B
① 続く。ずっと…する。
出典源氏物語 桐壺②(昔から、また他のところから)伝わる。
出典源氏物語 橋姫
「御耳とまるばかりの手などは、いづくよりか、ここまではつたはり来(こ)む」
[訳] 御耳にとまるほどの琴の奏法などは、どこから、ここまで伝わって来るだろうか。
伝 (つた) える(つたふ)他動詞 ー 伝わる(伝はる)自動詞
は他動詞、自動詞であまり意味のズレがない。
ニュースを伝えるとだえる(とだゆ)自動詞 ー ? (とだやす)
とだえる(とだゆ)は上の
絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞
に接頭辞<と>がついたものだが、対応する<とだやす>は使われないようだ。
唱 (とな) える (唱ふ)他動詞 ー ?
言う (言ふ) 、歌う (歌ふ) は元の音が残っているが、<唱 (とな) ふ>は<唱う>ではなく<唱える>に変わっている。
古語<言ふ>、<歌ふ>は他動詞ハ行四段活用で
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
(<言ふ>は自動詞ハ行四段活用もあるがやや特殊)
一方<唱 (とな) ふ> はハ行下二段活用で
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
つまりは古語時代から活用が違うのだ。
言う (言ふ) 、歌う (歌ふ) と元の音が残っているのは、たとえば<言ふ>、<言う>は
未然形 言は ーず (古語の仮定は未然形を用いて<言はーば>現代語の自動詞<言う>はワ行五段活用
未然形 言わ ーず一方<唱 (とな) ふ>は上述のように他動詞ハ行下二段活用
未然形 唱へ ーず
連用形 唱へ ーて
終止形 唱ふ
連体形 唱ふ ーるーとき
已然形 唱ふ ーれば
命令形 唱 へーよ
現代語<唱える>は他動詞ア下一段活用で
未然形 唱え ーない
連用形 唱え ーて
終止形 唱え ーる
連体形 唱え ーるーとき
仮定形 唱え ーれば
命令形 唱えーろ
古語の四段活用から現代語の五段活用への移行に比べると古語の下二段活用から現代語の下一段活用への変化、移行はかなり根本的な変化が起きている。
変化と言えばに、それこそ大昔に四段活用から下二段活用への変化、移行があったと考えられる。上述のように、日本語の活用の基本は<四段活用>(現代語では<五段活用>)で、これが下二段活用への変化、移行したと考えられる。四段活用と下二段活用を比べてみると
未然形 言は ーず (古語の仮定は未然形を用いて<言はーば>
連用形 言ひ ーて
終止形 言ふ
連体形 言ふ ーとき
已然形 言へ ーば
命令形 言へ
未然形 唱へ ーず
連用形 唱へ ーて
終止形 唱ふ
連体形 唱ふ ーるーとき
已然形 唱ふ ーれば
命令形 唱 へーよ
で下二段活用でも終止形では<唱ふ>が残っている。<唱へる>、あるいは<唱ふる>ではないのだ。だが、これも上で述べたが、実際終止形は一番使用頻度が低いようなので、四段活用のかすかな名残りにちかい。四段活用の下二段活用ヘの変化はかなりドラスティックだ。
さて、 古語の下二段活用から現代語の下一段活用への変化の話にもどると、繰り返しになるが、現代語<唱える>は他動詞ア下一段活用で
未然形 唱え ーない生 (は) える (生 (は) ゆ)自動詞 ー 生やす 他動詞
これは少しややこしい。古語<生ゆ>はヤ行下二段活用で、
未然形 生 (は) え ーず
連用形 生 (は) え ーて
終止形 生 (は) ゆ
連体形 生 (は) ゆ ーるーとき
已然形 生 (は) ゆ ーれば
命令形 生 (は) えーよ
<xxゆ>由来の<xxえる>は多いのだが、現代語の他動詞が<生やす>のようになるのは、これまで取りあげた動詞では
甘 (あま) える (甘ゆ)自動詞 ー 他動詞?
癒 (い) える (癒ゆ)自動詞 ー 癒 (いや) す 他動詞
消 (き) える (消ゆ) 自動詞 ー 消す 他動詞
聞 (きこ) える (聞ゆ) 自動詞 ー 聞く 他動詞
越 (こ) える (越ゆ) 自動詞 ー 越す 自動詞 (移動動詞)
肥 (こ) える (肥ゆ) 自動詞 ー 肥やす 他動詞
冴 (さ) える (冴ゆ) 自動詞 ー 冴 (さ)やす 他動詞 (聞いたことはない)
そびえる (そびゆ) 自動詞 ー そびやかす 他動詞
据 (すえ) る(据ゆ) 他動詞 ー
絶 (た) える (絶ゆ)自動詞 ー 絶やす 他動詞
とだえる(とだゆ)自動詞 ー ? (とだやす)
萎 (な) える (萎ゆ)自動詞 ー
煮える(煮ゆ)自動詞 ー 煮る 他動詞
これから出てくるのでは
映 (は) える (映ゆ) 自動詞 ー
冷 (ひ) える (冷ゆ) 自動詞 ー 冷やす 他動詞
増 (ふ) える (増 ゆ) 自動詞 ー 増やす 他動詞
吠 (ほ) える (吠ゆ) 自動詞 ー
燃 (も) える (燃ゆ) 自動詞 ー 燃やす 他動詞
したがって
生 (は) える (生 (は) ゆ)自動詞 ー 生やす 他動詞
は一般化されていると言える。
<xxす>は使役的な意味があり、接続は
未然形+す
五段活用であれば
行かす、書かす、済ます、富ます、泣かす、読ます
下一段活用の場合は
未然形 生 (は) え ーず ー> 生 (は) え ーす
になるのだが、こうはならず<生やす> 。その他も同じ。
癒 (い) えす ダメ 癒 (いや) す
肥 (こ) えす ダメ 肥やす
(以下略)
したがって<生やす>は下一段活用 (古語では下二段活用) 由来というよりは、独自の他動詞形成だろう。
映 (は) える (映 (は) ゆ)自動詞 ー (映 (は) やす)、映 (は) えさす 他動詞
冷 (ひ) える (冷 (ひ) ゆ) 自動詞 ー 冷やす 他動詞
控 (ひか) える (控ふ) 他動詞 / 自動詞
ふえる (増える) (ふゆ) 自動詞 ー ふやす 他動詞
<増ゆ>という古語は使用頻度が少ないようだ。<増 (ま) す>は自動詞 / 他動詞兼用。
踏 (ふ) まえる (踏まふ) 他動詞 ー ?
震 (ふる) える (震ふ) 自動詞 ー 震わす 他動詞
吠 (ほ) える (吠ゆ) 自動詞 ー
わきまえる (わきまふ)他動詞 ー ?
<xxえる>はややこしい。古語にさかのぼれば
XXふ ー ハ行下二段活用
XXゆ ー ヤ行下二段活用
XXう ー ワ行下二段活用
由来の三つがある。
また、<える>には可能用法がある。
使える ーーーー
XXける
明 (あ) ける 自動詞 ー 明かす 他動詞 夜が明ける / 夜を明かす
空ける 他動詞 ー 空く 自動詞 席を空ける、席があく
上 (あ) げる 他動詞 ー 上がる 自動詞
あざける 他動詞 ー ?
預 (あず) ける (預かる) 他動詞 ー ?
荒 (あら) げる 他動詞 ー ? 声を荒げる
生 (い) ける 他動詞 花を生ける ー ?
いじける 自動詞 ー ?
受ける 他動詞 ー (受かる) 自動詞 これはややこしい。別途検討。
おじける (おじる) 自動詞 ー
おどける 自動詞 ー
かかげる (掲げる) 他動詞 ー ?
掛ける 他動詞 ー 掛かる 自動詞
賭ける 他動詞 ー 賭かる 自動詞
駆ける 自動詞 ー
欠ける 自動詞 ー 欠く、欠かす 他動詞
陰 (かげ) る 自動詞 ー ?
かたげる (かたぐ) 自動詞 ー ? 方言か?
かまける 自動詞 ー ?
からげる 他動詞 ー からがる 自動詞
くじける 自動詞 ー くじく 他動詞
こける 自動詞 ー ? づっこける
焦げる 自動詞 ー 焦がす 他動詞
ころげる、ころがる 自動詞 ー ころがす 他動詞 笑いころげる
ささげる (捧げる) 他動詞 ー ?
さずける (授ける) 他動詞 ー ?
さける (割ける) 自動詞 ー 割く 他動詞
下 (さ) げる 他動詞 ー 下がる 自動詞
避ける 他動詞 ー ?
さばける 自動詞 ー さばく(裁く) さばけやつだ。<さばける>と<裁く>は相当ズレがある。<裁ける>は<裁く>の可能形。
妨 (さまた) げる 他動詞 ー ?
湿気 (しけ) る 自動詞 ー ?
しげる (茂る) 自動詞 ー ?
しいたげる 他動詞 ー ?
しょげる 自動詞 ー ? しょげかえる
しらける 自動詞 ー ?
透 (す) ける 自動詞 ー 透かす 他動詞
すすける 自動詞 ー ?
ずるける 自動詞 ー ?
削 (そ) げる 自動詞 ー 削ぐ 他動詞
そむける 他動詞 ー そむく 自動詞 <そむける>、<そむく>は意味が異なる。顔をそむける。上司にそむく。
つなげる、つなぐ 他動詞 ー つながる 自動詞
続ける 他動詞 ー 続く 自動詞
てなづける 他動詞 ー ?
溶 (と) ける 自動詞 ー 溶かす 他動詞
どける (どかす) 他動詞 ー どく 自動詞
届ける 他動詞 ー 届く 自動詞
捉 (とら) える (とらふ)他動詞 ー 自動詞 捉 (とら) わる(とらはる)
とろける 自動詞 ー とろかす 他動詞
投げる 他動詞 ー ?
なまける 他動詞
にやける 自動詞 ー ?
逃 (に) げる 自動詞 ー 逃がす 他動詞 (逃 (の) がれる 自動詞 ー 逃 (の) がす 他動詞)
抜 (ぬ) ける 自動詞 ー 抜く 他動詞
のける 他動詞 ー のく 自動詞
はける 自動詞 ー はく 他動詞 在庫がはける / 在庫をはく
はげる 自動詞 ー はがす 他動詞 頭がはげる。ペンキがはげる
化 (ば) ける 自動詞 ー 化かす 他動詞
弾 (はじ) ける 自動詞 ー 弾く 他動詞
肌ける (はだける)
ひける 自動詞 ー 引く 他動詞 <引ける>は<引く>の可能だが、<学校がひける>、<洪水 (大水) がひける>という言い方がある。
ひしゃぐ、ひしゃげる 自動詞 ー ? 方言か?
広げる 他動詞 ー 広がる 自動詞
形容詞+<ける、げる>
形容詞は大体形容詞+<まる、める>
広める 他動詞 ー 広まる 自動詞広げる 他動詞 ー 広がる 自動詞
は例外だ。 また
広める 他動詞 ー 広まる 自動詞
また意味は似ているがが少しずれているようだ。
うわさを広げる ー うわさが広がる
ふける (老いる) 自動詞 ー ?
ふける 自動詞 ー ふかす 他動詞 芋がふける / 芋をふかす
ふざける 自動詞 ー ?
ぶつける 他動詞 ー ぶつかる 自動詞
ふやける 自動詞 ー ふやかす 他動詞
ぼける 自動詞 ー ぼかす 他動詞 <ぼける>と<ぼかす>は意味が違うが、同根だろう。古 (ふる) ぼける。
分 (わ) ける 他動詞 ー 分かれる、別れる 自動詞
カ行五段活用
書かない、書こう可能形は<書ける>。ネットでは
”
https://www.kokugobunpou.com/%E7%94%A8%E8%A8%80/%E5%8B%95%E8%A9%9E-10-%E5%8F%AF%E8%83%BD%E5%8B%95%E8%A9%9E/#gsc.tab=0
五段活用動詞の未然形+「れる」が1語の動詞になったもの。
(例) 読ま+れる→読める
”
というのがあるが、 <読まれる>が可能の意で、<読まれる>ー><読める>と変化した、ということだが、上の<xxえる>の最後で
”
<える>には可能用法がある。使える
取りえる ー> 取れる
行きえる ー> 行ける
勝ちえる ー> 勝てる
”
と書いた。これが応用できるだろう。
読みえる (得る) ー> 読める
が自然だ。だが、実情はもっと複雑のようで、Wiki には<可能動詞>として次のような長い顔説がある。
可能動詞(かのうどうし)とは、現代日本語(共通語)において五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもので、可能(行為をすることができること)の意味を表現する。「書く」に対する「書ける」、「打つ」に対する「打てる」の類をいう。室町時代に発生し、次第に元来の可能の助動詞「〜れる」を用いる語法に取って代わった。
| 五段活用動詞 | 可能動詞 | |
|---|---|---|
| あ行 | 会う・買う・扱う | 会える・買える・扱える |
| か行 | 行く・書く・歩く | 行ける・書ける・歩ける |
| が行 | 漕ぐ・研ぐ・泳ぐ | 漕げる・研げる・泳げる |
以下略
(五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもの、とあり、このポスト<日本語の動詞活用、下一段活用と大いに関係がある)
「行くことができる」という可能を表す表現には、「行ける」のほかに「行かれる」もある。「行ける」が可能のみを表すのに対し、「行かれる」は自発・尊敬・受身の意味でも使われる。
(「行かれる」を「行くことができる」の意で使うことはまでれだ。自発の「行かれる」とはどういう意味か? <行く>は自動詞なので、受身の「行かれる」もよくわからない。<太郎に行かれては困る>という言い方がある。これは<夜中に赤ん坊に泣かれて困った>の類の言い方で、迷惑表現と言える。)
「行かれる」のような「~れる・られる」の形は、古語の「~る・らる」の形から変化したものだが、「行ける」のような可能動詞はそれとの関係は不明である。由来には大きく2説があり、「知るる(知れる)」等からの類推で、従来からあった四段(後に五段)活用動詞に対する下二段(後に下一段)段活用の自発動詞が一般化した(類似の動詞の項を参照)という説[1]と、「行き得(る)」のような「連用形+得(る)」の表現が変化したという説[2]とがある。
(下二段(後に下一段)段活用の自発動詞が一般化した、の箇所も下一段活用と大いに関係がある。ここで<自発動詞<とは自動詞のことだろう。だが複雑のようだ。<「行き得(る)」のような「連用形+得(る)」の表現が変化したという説>がだ妥当と思われる。)
可能表現の変化
元来は可能動詞を使わず、動詞の可能を表すには助動詞「る・らる」(現代の「れる・られる」)を用いていた。今は「読む」のような五段活用動詞の可能を表すには、専ら可能動詞を使って「読める」とするが、鎌倉時代頃には「読まるる(読まれる)」の形のみが認められていたのである。
可能動詞の発生は室町時代まで遡るが、多く用いられるようになったのは近代に至ってからである。
そうして可能動詞の使用が一般に広まるにつれ、逆に旧来の可能表現「れる」が耳慣れないという理由だけで疑問視されるような風潮も現われてくる。例えば「○○方面へは行かれません」という道路標識を見て「間違いではないか?」と行政に問い合わせることなどがある[要出典]。しかし「行かれる」など一部の「動詞+れる」については、これを可能の意味で使うことはしばしば行われている[3]。
さてカ行五段活用に戻ると
書かない、書こう
書きてー>書いて(音便)
書く
書くとき
書け
Wiki の解説では<書ける>は
五段活用の動詞を下一段活用動詞に変化させたもの
ということで<書く>を下一段活用動詞に変化させると
未然形 書けーない
連用形 書けーて、書けーます
終止形 書けーる
連体形 書けーるーとき
仮定形 書けーれば
命令形 書けーろ
<書けろ >がややおかしいが、<書く>の可能動詞化と言える。<xく>、<xxく>動詞は少ない。アイウエオ順に並べてみる。
<xく>
効く 自動詞 可能 <効く>自体に能力、可能の意味がある。
割 (さ) く 裂く 他動詞 ー 割ける、裂ける 自動詞、 可能 割ける、割けない、使役 割かす
咲く 自動詞 ー 咲かす 他動詞、使役
避く、避ける 他動詞
急 (せ) く 自動詞/ 他動詞 気がせく、気をせく、息をせく ー 急 (せ) かす 使役
炊 (た) く 他動詞 ー 炊ける 自動詞 可能 炊ける、炊けない 使役 炊かす
付く 自動詞 ー 付ける 他動詞
着く 自動詞 ー 着かす 使役 可能 着ける、着けない
解く 他動詞 ー 解ける 自動詞 可能 解ける、解けない
溶く 他動詞 ー 溶ける 自動詞 可能 溶ける、溶けない
泣く、鳴く 自動詞 ー 泣かす、鳴かす 使役 可能 鳴ける、鳴けない
抜く 他動詞 ー 抜ける 自動詞 可能 抜ける、抜けない
履 (は) く 他動詞 可能 履ける、履けない
吐く 他動詞 可能 吐ける、吐けない
ひく (引く、曳く、弾く、惹く )
吹く(噴く) 他動詞 ー 吹かす 使役 可能 吹ける、吹けない
拭く 他動詞 可能 拭ける、拭けない
撒 (ま) く向く 他動詞 可能 撒ける、撒けない
剥 (む) く (皮を剥く) 他動詞 可能 剥 (む) ける、剥 (む) けない
焼く 他動詞 ー 焼ける 自動詞 可能 焼ける、焼けない
沸く(湧く) 自動詞 ー 沸かす(湧かす) 他動詞、使役
嗅 (か) ぐ 他動詞 可能 嗅 (か) げる、嗅 (か)げない
漕 (こ) ぐ 他動詞 可能 漕げる、漕げない
削 (そ) ぐ 他動詞 削 (そ) げる 自動詞 可能 削げる、削げない
継 (つ) ぐ 他動詞 可能 継げる、継げない
研 (と) ぐ 他動詞 可能 研げる、研げない
剥 (は) ぐ 剥 (は)ぐる 他動詞 ー 剥 (は) げる 自動詞 可能 剥げる、剥げない、剥ぐれる、剥ぐれない
<道にはぐれる>は別物か? <離れる>の意は同根。
もぐ (梨をもぐ) 他動詞 ー もげる 自動詞 可能 もげる、もげない
問題は自動詞 (Wiki では自発動詞) と可能動詞が同形になる場合だ。
<xxく>、<xxxく>についても少しチェックしてみる。
仰ぐ 可能 仰げる、仰げない
あばく 可能 あばける、あばけない
歩く 可能 歩ける、歩けない
急ぐ 可能 急げる、急げない
動く 可能 動ける、動けない
うずく
泳ぐ 可能 泳げる、泳げない
かせぐ 可能 かせげる、かせげない
かつぐ 可能 かつげる、かつげない
くじく 他動詞 ー くじける 自動詞
くどく 可能 くどける、くどけない
さばく(裁く) 可能 裁ける、裁けない
そむく 可能 そむける、そむけない 上で取り上げたが<顔をそむける>というい方がある。
たたく 可能 たたける、たたけない
たじろぐ
嫁 (とつ) ぐ 可能 嫁げる、嫁げない
届く 自動詞 ー 届ける 他動詞 <届く>自体に能力、可能の意味がある。
とどろく(轟く)
なびく 可能 なびける、なびけない
除く 可能 除ける、除けない
のぞく(覗く) 可能 覗ける、覗けない
はじく(弾く) 他動詞 ー はじける 自動詞 可能 はじける、はじけない
はたく 可能 はたける、はたけない
働く 可能 働ける、働けない
省 (はぶ) く 可能 省ける、省けない
ひしめく
響 (ひび) く
ひらめく
ふさぐ(塞ぐ) 他動詞 ー 塞がる 自動詞 可能 塞げる、塞げない
防 (ふせ) ぐ 可能 防げる、防げない
みつぐ(貢ぐ) 可能 貢げる、貢げない
やぶく 他動詞 ー やぶける 自動詞 可能 やぶける、やぶけない
ゆるぐ
問題は自動詞 (Wiki では自発動詞) と可能動詞が同形になる場合だが、以外と少ない。
ところで、<xxける>動詞にはおもしろい動詞がすくない。 アイウエオ順に並べてみると
あざける 他動詞
いじける 自動詞
おじける (おじる) 自動詞
おどける 自動詞
かまける 自動詞 仕事にかまけて、家庭をおろそかにする
こける 自動詞 づっこける
ころげる、ころがる 自動詞 ー ころがす 他動詞 笑いころげる
しょげる 自動詞 しょげかえる
しらける 自動詞
すすける 自動詞
ずるける 自動詞
そむける 他動詞たいらげる 他動詞
なまける 他動詞 他動詞 ー 届く 自動詞
にやける 自動詞
はげる 自動詞 ー はがす 他動詞 頭がはげる、ペンキがはげ
ばける (化ける) 自動詞 ー 化かす 他動詞
ひしゃげる、ひしゃぐ 自動詞 方言か? <押しつぶされる>の意。
ふける (老いる) 自動詞
ふざける 自動詞
ふやける 自動詞
ぼける 自動詞
ほどける 自動詞 ー ほどく 他動詞
ぼろける 自動詞 ぼろけた家、ぼろけた車
むける 自動詞 ー むく 他動詞 一皮 (ひとかわ) むける、リンゴん皮をむく
もげる 自動詞 ー もぐ 他動詞 リンゴをもぐ、もぎとる
共通事項
1)人の否定的、非難的、ほめられたものではない言動を示す自動詞が多い。
あざける2)必要以上の弛緩 (リラックス)、主に人の言動関連 (重複あり)
おどける3)上の 2) に関連するが 正常、本来からの離脱、変形 (重複あり)
かまける
こける づっこける
ずるける
だらける
たわける
とける (溶ける)
どける
とろける
なまける
のける
はげる
ばける (化ける)
ひしゃげる
ふける (老いる)
ふやける
ぼける
ほどける
むける (皮がむける)
もげる
2)、3)はある意味ではユーモアの源泉といえる。
4)強調っぽいもの
たいらげる
ーーーーー
XXせる
あせる 自動詞 ー ?
あびせる 他動詞 ー ?
失 (う) せる 自動詞 ー ?
知らせる 他動詞 ー ?
済ませる(済ます) 他動詞 ー ?
乗せる 他動詞 ー 乗る 自動詞 バスに乗る
載せる 他動詞 ー 荷物を車に載せる、荷物を棚に載せる
馳 (は) せる(馳す)自動詞 ー ?
伏 (ふ) せる (伏す) 他動詞 ー ? 身を伏せる、身を伏す
混 (ま) ぜる 他動詞 ー 混ざる 自動詞
注)<せる>は使役の助動詞で、未然形+<せる>は使役となるので、これと区別しないといけない。
行かせる多様性と言えるが、以上は<xxす>、場合によっては<xxさせる>で 置き換えられる。
行かせる、行かす、行かさせる
言わせる、言わす、言わさせる
書かせる、書かす、書かさせる
(以下略)
ややこしいのは上の<xxける>で紹介したが "可能動詞" というのがあり (Wiki)
可能動詞(かのうどうし)とは、現代日本語(共通語)において五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させたもので、可能(行為をすることができること)の意味を表現する。
というもので
押す ー 押せるさらに、これまたややこしいが
<xxせる>、 <xxす>が両立する動詞がある。使役ではない。<xxす>はやや古い言い方だ。
済ませる ー 済ます 他動詞さらに、漢語+<す (る) >の場合はもっとややこしくなる。
一語漢語+<す (る)>
愛す(る) ー 可能 愛せる、 否定 愛さない (<愛しない>はダメ)一語漢語+<す (る)>は相当ややこしい。<ややこしい>理由の一つは大和言葉+<す>との混乱だろう。
<する>は古語の<す>由来。ともにサ行変格活用で
古語の<す>
<する>
未然形 しーない、される(受身)
連用形 し―て、しーます
終止形 する
連体形 するーとき
仮定形 すれーば
命令形 し ーろ
例えば
愛す(る) ー 可能 愛せる、 否定 愛さない (<愛しない>はダメ)
課す (る) ー 可能 課せる、 否定 課さない (<課しない>はダメ)
介す(る) ー 可能 介せる、介せられる (可能、受身)、否定 介さない 意に介さない<意に介しない>はほぼダメ。
供す (る) (供じる) 可能 供せる、供せられる (可能、受身)、供せれる (可能)、 否定 供さない / 供しない
称する 可能 称せる、称せられる (可能、受身)、称せれる (可能)、 否定 称さない / 称しない
制す (る) 可能 制せる、制せられる (可能、受身)、 否定 制さない (<制しない>はほぼダメ)
徴す(る) 可能 徴せる、徴せられる (可能、受身)、徴せれる (可能)、否定 徴さない / 徴しない
排す (る) ー 可能 排せる、排せれる (可能)、排せられる (受身)、否定 排さない / 排しない
要す(る) 可能 要せる、要せられる (可能、受身)要せれる (可能)、否定 要さない / 要しない
未然形 愛せーない
連用形 愛せーて、愛せーます
終止形 愛せーる
連体形 愛せーるーとき
仮定形 愛せーれば
命令形 ?
Wiki
| す | 話す hanasu |
-さ | -そ | -し | -す | -す | -せ | -せ |
|---|
これを応用すると
ニ語漢語+<す (る)>の可能は
考慮できる
詮索できる
(以下略)
のように<できる>となるようだ。
ニ語漢語+<せる>は一語漢語+<せる>に比べ、簡単、規則的なようだ。
ーーーーー
XXてる
当てる 他動詞 ー 当たる 自動詞
あわてる 自動詞 ー ?
おだてる 他動詞 ー ?
企 (くわだ)てる 他動詞 ー ?
捨てる 他動詞 ー ?
育てる 他動詞 ー 育つ 自動詞
立てる 他動詞 ー 立つ 自動詞
果てる 自動詞 ー 果たす 他動詞 <果たす>は<果てる>に対応していない。
ばてる 自動詞 口語 ー ?
隔 (へだ) てる 他動詞 ー 隔 (へだ) たる 自動詞
ふてる 自動詞 口語 ー ? ふてくされる
ほてる (火照る) 自動詞 ー ?
満てる 他動詞 ー 満 (みち) る 自動詞 <満 (みち) る>は<満てる>に対応していない。
ーーーーー
出る 自動詞 ー 出す 他動詞
かなでる 他動詞 ー ?
なでる (撫でる) 他動詞
茹 (ゆで) る 他動詞 ー ゆだる 自動詞
ーーーーー
<勝てる>は<勝ち得る>由来と思われるが、<勝つ>が基本語でタ行五段活用。タ行五段活用 (xxつ) には
うがつ (穿つ) ー 可能 うがてる
打つ ー 可能 打てる
かこつ ー 可能 かこてる(ほぼダメ)
勝つ 自動詞 ー 可能 勝てる
育つ 自動詞 ー 育てる 他動詞、可能 育てる(ダメ)
立つ 自動詞 ー 立てる 他動詞 旗を立てる、可能 立てる(自分で立つことができる)
建つ 自動詞 ー 建てる 他動詞 可能 建てる(ダメ) 可能 建てえる <建つ>は<立つ>と字が違うが同じ意味だろう。だが、可能<建てる>がダメだ。
断つ 他動詞 ー 可能 断てる
経 (た) つ 自動詞 時間、日が経つ ー 可能 経 (た) てる(ダメ)
保 (たも) つ ー 可能 保てる
放 (はな) つ ー 可能 放てる
待つ ー 可能 待てる
満つ 自動詞 ー 可能 満てる(ダメ) <満つ>は古語っぽい。現代語は<満ちる>か。他動詞は<満たす>でややこしい。
持つ ー 可能 持てる
分 (わ) かつ ー 可能 分 (わ) かてる
普通は
分ける 他動詞 ー 分かれる 自動詞
これは上で何度か述べた五段活用の動詞を下一段活用の動詞に変化させた可能形とみなせる、がなり立つと言える。
<落つ><満つ (る)>は古語で。現代語は<落ちる>、<満ちる>。<落ちる>、<満ちる>は上一段活用だ。