日本語では<まだ>と対比されるのは<もう>で、株式投資の極意とされる名言に
まだはもうなり、もうはまだなり。
というのがある。<まだ>と<もう>は、これまで<まだ><もう>論議で何度も使っているが
基本的には
<まだ>は肯定で使うと継続、残存、存在、<もう>は否定で使うと非継続、(継続の) 終了、不存在、不足示す。
一方<まだ>は否定で使うと未達、未完、不十分、不足、<もう>は肯定で使うと終了、達成、完了、十分、充足を示す。
漢語を使ってみると
まだ継続、残存、存在する、している ー もう継続、残存、存在しない、していない
まだ未達、未完、不十分だ ー もう未達、未完、不十分ではない(達成、完了、十分)
でつじつまが合う。
まだはもうなり、もうはまだなり。
をこれで解釈すると
継続は終了、終了は継続なり。
続くは終わりなり、終わるは続くなり。
となる。
<まだ>と<もう>を対比させた例文を作ると(このポストでは煩雑になるので例文を少なくしてある)
<まだ>が肯定、<もう>は否定
(存在)
まだある ー もうない
(行為、動作) (状況)
まだする ー もうしない
まだしている ー もうしていない
(状況)
まだ忙しい ー もう忙しくない
<まだ>が否定、<もう>は肯定
(存在)
まだない ー もうある
まだしない ー もうする
まだしないでいる ー もうしている
(状況)
まだ忙しくない ー もう忙しい
冒頭の基本的解釈にはでてこないが、重要な視点がある。それは<変化に目を向けた>言い方、ということだ。株式投資では、よく知らないが derivative 取引というのがあるようだ。 derivative は数学用語で<変化率>のことで、微積分の基本コンセプトだ。<まだ>と<もう>は多分に<変化に目を向けた>言い方だ。
(存在)
まだある ー もうない
まだない ー もうある
<まだある>は<ある>状態が継続していること (変化なし) を伝え、一方<もうない>は<ある>状態から<ない>状態への変化を伝える。
<まだない>はあまり使わないが、<ない>状態が継続していること (変化なし) を伝え、一方<もうある>は<ない>状態から<ある>状態への変化を伝える。
(行為、動作)まだする ー もうしない
まだしない ー もうする
<まだする>は<する>状況が継続していること (変化なし) を伝え、一方<もうしない>は<する>状況から<しない>状態への変化を伝える。
<まだしない>は<しない>状況が継続していること (変化なし) を伝え、一方<もうする>は<しい>状態から<する>状況への変化を伝える。
行為動詞の場合、継続は何種類かある。
太郎はまだする (する状態が継続する、習慣) ー 太郎もうしない(未来、習慣)(継続してする状態は変化して終了する、している)
太郎はまだしいている (する状態が継続している) ー 太郎もうしていない(継続してする状態は変化して終了している)
太郎はまだしない (しない状態が継続している) ー 太郎もうする(未来)(しない状態は変化してする状態になる)
太郎はまだしていない (していない状態が継続している) ー 太郎もうしている(していない状態は終了して、している状態に変化している)
これはおもしろい発見で、<まだ>がない場合、日本語の<現在形>は、太郎はする (一般叙述) 、太郎は毎日する (継続、習慣)、 太郎は明日する (未来) となる 。ー 別途検討
(状況)まだ忙しい ー もう忙しくない
まだ忙しくない ー もう忙しい
<まだ忙しい>は<忙しい>状況が継続していること (変化なし) を伝え、一方<もう忙しくない>は<忙しい>状況から<忙しくない>状況への変化を伝える。
<まだ忙しくない>は<忙しくない>状況が継続していること (変化なし) を伝え、一方<もう忙しい >は<忙しくない>状況から<忙しい >状況への変化を伝える。
まだはもうなり、もうはまだなり。
を<変化に目を向ける>視点から言い換えると
続くと見えて終わりに変わり、終わると見えて続くに変わるのは常なり。
sptt
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