Wednesday, May 1, 2013

日本語文法とロジック - 2 、否定(ない)


日本語文法とロジックの第2弾。日本語の否定(ない)のロジックについて考えてみる。

前回のポストで少しふれたが、一応存在を示す動詞とした<ある>の否定は<ない>だが、<ない>は否定の動詞ではなく助動詞で、助動詞だから活用があるが、辞書(三省堂)の助動詞表では<形容詞活用>となっている。また<xx がない>の<ない>は形容詞あつかいだ。<ない>の関連語として古語、文語)<なし>もある。<なし>は語尾からより形容詞らしくみえる。

たのしい-たのしくない-たのしくする(なる)-たのしければ-たのしいとき-たのしいので-たのしかろう
ない(なし)-なくない-なくする(なくなる)-なければ-ないとき(なきとき)- ないので - ないだろう

<なくない>は形容詞(助動詞)+形容詞(助動詞)だが、後に否定が続く場合は未然形なので(日本語の原則)前の<なく>は<ない>、<なし>の未然形。<なくならない>は<あり続ける>の意だ。

古語には、<ず>があった。<あらず>で 存在を示す動詞<ある>を否定できる。ない(なし)はこれができない。 あらない(ダメ)、 あらなし(ダメ)。<あるない>、<あるなし>は否定にならない。

あらず、あらざり、あらざりき、あらざるとき、あらざれば、

さて、日本語には否定がらみの<係り結び>が以外と多い。<係り結び>は前の<係り語>と後ろの<結び語>で呼応があり言語上の約束ごと、文法)また、前の<係り語>であとが大体予想できる特徴がある。日本語の詩は脚韻がないが、<係り語>と<結び語>発音上ではないがで言語上の呼応と言える。 フランス語では<ne  xxx  pas >という係り結び否定が普通。

英語の翻訳調になるが

never - けっして (xxxx) ない、まったく (xxxx) ない。 never は普通頻度を表すが、まるっきり xxxx ない(口語)、これっぽちも xxxx ない(口語)も訳語として可能。

none -  まったく ない、すこしもみじん=微塵)も ない、 まるっきり ない(口語)、これっぽちも ない(口語

seldom - めったに (xxxx) ない

yet (not yet) - まだ xxxx し)ない、 いまだ xxxx せず

little、few - すこしも ない

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少しややこしいのに全部否定、部分否定というのがある。

always not  - 全部否定  - いつも xxx ない、 かならず xxx ない、まちがいなく xxx ない

not always  - 部分否定 - <いつも xxx ない>ではない(というわけではない)、.....

 all of them not - 全部否定  - すべて xxx ない

 not all of them - 部分否定  - <すべて(が) xxx ない>ではない(というわけではない)


もっとややこしいのに全部否定、部分否定の二重否定というのがある (省略)。



sptt








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