Monday, June 24, 2013

日本語の語順


日本語の語順は、格助詞という関係を示す、あるいはより文法的には<意味を伴わずに関係だけを暗示する>語群があるため、主語がはじめの方、そして特別な意図がない限り動詞が最後に来ることを除けば比較的自由だ。4W(5W)1H というのがあるが

主語 - だれが、なになにが  - Who, What
なにを、だれだれを(直接目的語)- What、Whom
なになにに、だれだれに(間接目的語)- to What、to Whom
いつ - When
どこで - Where
どのように -How
どうして(理由、原因)- Why

をめいっぱい使うと、

太郎は思いを伝えるため花子にきのう学校で三日かけてペンで書いたラブレターをそっと渡した。
思いを伝えるため太郎は花子にきのう学校で三日かけてペンで書いたラブレターをそっと渡した。
きのう太郎は花子に思いを伝えるため学校で三日かけてペンで書いたラブレターをそっと渡した。

そのほかの語順もあるだろうが、動詞<渡した>は最後にこないとすわりがわるいようだ。また<そっと>は<渡した>を修飾する副詞なので<渡した>の直前にくる。<きのう>と<学校で>の位置はかなり自由だ。但し<きのう>あるいは<学校で>を強調する場合は次のよう最後のほうに来るが、動詞が最後尾であることは動かない。これは日本語の語順ルールと言える。

太郎は思いを伝えるため花子に学校で三日かけてペンで書いたラブレターをそっときのう渡した。
太郎は思いを伝えるため花子にきのう三日かけてペンで書いたラブレターをそっと学校で渡した。

いわば、日本語の強調構文だ。

It was yesterday that Taro .........
It was at school where Taro .........

英語では強調する内容が最前のほうにくるが日本語では最後のほうにくる。どちらがいいともいえない。長い一文の場合ははじめの方は記憶から薄れていくので、強調内容の位置は最後のほうがいいだろう。

また <三日かけてペンで書いた>はラブレターを修飾する句なので<ラブレター>の直前にくる。これも語順ルールと言える。英語では関係代名詞が使われ、<三日かけてペン書いた>は関係代名詞を介して<ラブレター>の後に来る。この語順転換はなれないとなかなか使えない。

a love letter (the love letter) which Taro .......

<a>か<the>かはこの場合微妙なところだが、この場合は<a>が順当。

よく日本語は最後まで聞かないとわからない、という例で

太郎は思いを伝えるため花子にきのう学校で三日かけてペン書いたラブレターを渡そっと渡さなかった。

といった言い方がある。確かによく日本語は最後まで辛抱づよく聞かないとわからないのだが、ドラマチックな効果がある。これは否定語の位置の問題だ。日本語では<ない>は分類上形容詞だが(<なし>が元の語で形容詞型の活用をする)、否定の助動詞あるいは<ある>の否定の動詞ともみなせるので、語順ルール(動詞が最後の方に来る)にしたがって、文の最後に来る。


sptt



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