Monday, June 10, 2013

不思議な such、xxような、xxごとき


such は不思議な英語だ。

There is no such a thing. (There is no such thing. There are no such things. でもよさそうだ) そのような(そんな)モノはない。そんなコトはない、とは訳せないようだ。

such a thing そのような(そんな)モノ 
such a person そのような(そんな)人
such a case そのような(そんな)場合

普通このように日本語に訳すが、不定冠詞の a  が such の後ろにくる。さらに定冠詞の the は普通<その>と訳されるが、定冠詞の the では絶対ダメ。いったい such は何なのだ。

a fruit such as (a) banana  バナナのようなくだもの
a person such as Mr Yamada 山田さんのような人
a case such as that そのような(そんな)場合

といった言い方もある。上記3例は such as で<のような> の意味がある。また形容(修飾)される語が such の前に来る。

英文法で such は辞書や文法解説書によって違うが、限定詞(determiner)、または形容詞ということになっている。 名詞的用法の場合は代名詞となる。

一方日本語の<ような>は<様な>で、助動詞<ようだ>の連体形。<様>は漢語由来で<様>に対応する大和言葉は<ごとき>。辞書によると<ごとき>はこれまた助動詞<ごとし>の連体形とある。<ようだ>、<ごとし>(大きな問題だと思うが)助動詞であるかどうかは別として、<ようだ>は形容動詞のように、<ごとし>は形容詞のように語尾変化する。<ようだ>が形容動詞のように語尾変化するのは<様>が漢語由来であることによる。<ごとし>はいい言葉、いいひびきの(go-to-shi, go-to-ki)語だと思うが、残念ながら、この大和言葉は漢語由来の<様だ、様な>に圧倒されてしまっていて、古語。雅語扱いのごとし(だ)。大和言葉の形容詞<うつくしい>が漢語由来の形容動詞の<きれい(綺麗)だ、きれいな>に圧倒されてしまっているのににている。漢語由来の<様だ(な)>、<きれいだ(な)>の方がいづれも大和言葉の<ごとし(き)>、<うつくしい>よりも短く経済的だからだろう。経済は美に優先する。

<そのような>の解説は難しい。

<そのようなモノ>、<そのような人>の<その>は指示詞の限定的、形容詞的用法。<ような>はほぼ同様(同じ)、類似を表している。<それに似ている>と言い換えられる。<似る>という動詞はクセモノで、

似(に)ない、似ず
似(に)て
似る
似る(こと)
似れば

と語尾変化するが(<見る>と同じで、上一段活用)、<いる>も上一段活。

似ていない
似ていて
似ている
似ている(こと)
似ていれば

として使われることが多い。

<バナナのようなくだもの>、<山田さんのような人>の場合の<ような>は具体的に例をあげており、類似ではなく例示と言える。


sptt

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