最近基本的に<out>の意味を持つ英語の接頭辞<ex->を調べている時にたまたま exist の語源を調べる機会があった。英語の語源はたいていネット辞書のwww.dictionary.com を使わしてもらっている。このネット辞書には
Origin of exist
1595–1605; <Latin ex(s)istere to exist, appear, emerge, equivalent to ex-ex-1 + sistere to stand
とある。
で to exist に準じている。だが意味はネット英和辞典の日本語とはかなり違う。哲学的になるのだ。
verb (used without object)
1)to exist; continue in existence.
2)to remain alive; live, as on food, resources, etc.
3)to have existence in, or by reason of, something.
4)to reside, lie, or consist (usually followed by in).
Philosophy.
to have timeless or abstract existence, as a number, relation, etc.
to have existence, especially independent existence.
1)は to subsist = to exist だが to continue in existence は意味ありげで、継続的に存在する、存在し続ける、なくならない、という意味だ。
2)この意味はネット英和辞書の日本語にでてくる。現実的、実際的、形而下的な意味の用法だ。
3) xx の中にある、xx が原因である
4)住む、横たわる、xx の中にある(xx の中にあって構成する)
哲学用語
to have timeless or abstract existence, as a number, relation, etc.
は普遍的な存在を言っている。数字や物理法則(因果関係)は普遍的なモノで、普遍的に存在する。
to have existence, especially independent existence.
これは他からの影響を受けない独立的で普遍的な存在を言っている。数字は確かにそうだ。因果関係はこれと矛盾するようだが、因果関係に絡むモノに変化はあるが、物理法則は不変で普遍的なのだ。
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まさに哲学的になってきたが、 哲学は<堂々巡り>的なところがあるので、to exist と to subsist の違いを総括しておく。上のネット辞書の解説にあるように to subsist =to exist のところがある。だが言葉(語源がからむ)からは
to exist は<外にある>、 to subsist は<下にある>だ。上で<形而下>という哲学用語が出てきたが、 to subsist は
Philosophy.
to have timeless or abstract existence, as a number, relation, etc.
to have existence, especially independent existence.
の普遍性から <形而下>というよりは<形而上>だ。一方 to exist は<外にある>、<現れる(見える)>から<形而下>といえる。つまりは
to exist は<形而下>の存在、<形而下>で存在する。to subsist は語源に反して<形而上>の存在、<形而上>で存在する。
もっとも<形而下><形而上>は漢語を借用した日本語で、to exist、 to subsist とは直接関係ない。
上で<to subsist 自体英語母国語人でも一生のうちに一度使うか一度も使わない程度の超低使用頻度動詞だろう>と書いたが、これにはわけがある。それは超高使用頻度動詞の<be動詞>があるからだ。だが<be動詞>は使われすぎて<形而上の存在を示す>動詞とはとても思えない。(注)
(注)
前回のポスト"<これはペンです>に動詞はないのか?" でこの<be動詞>に相当するイタリア語の essere について相当詳ししく検討してる。もっともこのポストを書き始めたのは前回のポストを書いていた半ばの時だ。
sptt
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