少し前のポスト” <これはペンです>に動詞はないのか?” の中で
”
文は短いが根は深い。似たような表現で
これはペンである。
はどうか?
<ある>は動詞だ。<ある>は存在を示す動詞で
ここにペンがある。(Here is a pen.)
なら存在を示す。 <これはペンである>はペンが存在しないとなりたたないが、ペンの存在を言っているわけではない。
”
と書いた。<Here is a pen. = ここにペンがある。>はいいとして
There is a pen.
は<あそこにペンがある。>。これもいいことにしよう。では
There is a pen on the desk.
はどうか?
普通は<机の上にペンがある>で、日本語では there が訳されない。これはどう説明したらいいのか?
この疑問はしばらく前から考えていたが、いい答えはみつからなかった。ところが、” <これはペンです>に動詞はないのか?” の末尾の<参考>を書きかけ中に答えらしきものに遭遇した。
”
(イタリア語の)<ci>はpronoun 代名詞で、人称代名詞の場合の <ci>は英語の<us>相当。A rivederci ! の ci だ。さらに ci = <a + noun>相当の代名詞。ややこしいのだ。(中略) さらに輪をかけてややこしそうだが、意外と簡単でここでの<ci>は英語の<there is xx>、<there are xxxx>に相当する。 むしろ英語のこのわけのわからない<there is >、<there are>の理解に役立つかもしれない。
spec. per indicare la sussistenza, la reperibilità, la disponibilità
に注目したい。 sussistenza は上で述べた<本質的な>存在。reperibilità, disponibilità = availability
(中略)
期待したが、英語の<there
is >、<there are>はわけのわからないままだ。 sussistenza (本質的な存在>、reperibilità,
disponibilità = availability は特に関係ない(non c’è nulla fra loro)。
(後略)
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と書いたが、この
there の問題が解けた。コロンブスの卵で、念にため手もとにある Oxford 英漢辞典(高階)で there をあたってみた。これによると
there は副詞。解説の4番目に、ごく簡単に<existence, availability> と書いてある。 existence,
availability はまさしく、すぐ上で書いた< sussistenza (本質的な存在)、reperibilità,
disponibilità = availability は特に関係ない>と同じだ。大いに関係があるのだ。違いは
essere = sussistenza (本質的な存在)、reperibilità, disponibilità = availability
there = esistence, availability
"
つまりは、英語の<be動詞>に、イタリア語の<動詞 essere> と同じく(たぶんそうだろう)sussistenza (本質的な存在)、(reperibilità, disponibilità = )availability の意味があれば、there は意味を持たない単なる飾り、おまけになる。
文法的説明や意味の説明には後講釈的なものが少ない。<先に言葉ありき>なのだ。 <there> はその典型だろう。
だが(とまだ続く)、 もう一度
There is a pen on the desk.
をよくみると不定冠詞の<a>がある。ペンが二本以上あれば
There are pens on the desk.
となる。日本語の方も、単複の区別はないが、<机の上にペンがある>で<机の上にペンはある>ではない。<机の上にペンはある>は
The pen is on the desk.
で there が消えてしまう。これからすると there は<飾り、おまけ>ではなく<初回の導入、お知らせ>の意味を内包している(to implicit)といえる。
さらに付け加えると、existence と availability だが、一見関係なさそうだが、<ない袖は振れぬ>、<ないカネは使えない>ということ考えれば、密接な関係がある。
sptt
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