Sunday, August 29, 2021

<There is a pen on the desk. >の there は何か?

少し前のポスト” <これはペンです>に動詞はないのか?” の中で

文は短いが根は深い。似たような表現で

これはペンである。

はどうか?

<ある>は動詞だ。<ある>は存在を示す動詞で

 ここにペンがある。(Here is a pen.)

なら存在を示す。 <これはペンである>はペンが存在しないとなりたたないが、ペンの存在を言っているわけではない。

と書いた。<Here is a pen. = ここにペンがある。>はいいとして

There is a pen. 

は<あそこにペンがある。>。これもいいことにしよう。では

There is a pen on the desk. 

はどうか?

普通は<机の上にペンがある>で、日本語では there が訳されない。これはどう説明したらいいのか?

この疑問はしばらく前から考えていたが、いい答えはみつからなかった。ところが、” <これはペンです>に動詞はないのか?” の末尾の<参考>を書きかけ中に答えらしきものに遭遇した。


(イタリア語の)<ci>はpronoun 代名詞で、人称代名詞の場合の <ci>は英語の<us>相当。A rivederci ! の ci だ。さらに ci = <a + noun>相当の代名詞。ややこしいのだ。(中略) さらに輪をかけてややこしそうだが、意外と簡単でここでの<ci>は英語の<there is xx>、<there are xxxx>に相当する。 むしろ英語のこのわけのわからない<there is >、<there are>の理解に役立つかもしれない。

spec. per indicare la sussistenza, la reperibilità, la disponibilità

に注目したい。 sussistenza は上で述べた<本質的な>存在。reperibilità, disponibilità = availability

(中略)

期待したが、英語の<there is >、<there are>はわけのわからないままだ。 sussistenza (本質的な存在>、reperibilità, disponibilità = availability は特に関係ない(non c’è nulla fra loro)。

(後略)

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と書いたが、この there の問題が解けた。コロンブスの卵で、念にため手もとにある Oxford 英漢辞典(高階)で there をあたってみた。これによると there は副詞。解説の4番目に、ごく簡単に<existence, availability> と書いてある。 existence, availability はまさしく、すぐ上で書いた< sussistenza (本質的な存在)、reperibilità, disponibilità = availability は特に関係ない>と同じだ。大いに関係があるのだ。違いは

essere = sussistenza (本質的な存在)、reperibilità, disponibilità = availability
there = esistence, availability

"

つまりは、英語の<be動詞>に、イタリア語の<動詞 essere> と同じく(たぶんそうだろう)sussistenza (本質的な存在)、(reperibilità, disponibilità = )availability の意味があれば、there は意味を持たない単なる飾り、おまけになる。

文法的説明や意味の説明には後講釈的なものが少ない。<先に言葉ありき>なのだ。 <there> はその典型だろう。

だが(とまだ続く)、 もう一度

There is a pen on the desk. 

をよくみると不定冠詞の<a>がある。ペンが二本以上あれば

There are pens on the desk. 

となる。日本語の方も、単複の区別はないが、<机の上にペンがある>で<机の上にペンある>ではない。<机の上にペンある>は

The pen is on the desk.

で there が消えてしまう。これからすると there は<飾り、おまけ>ではなく<初回の導入、お知らせ>の意味を内包している(to implicit)といえる。

さらに付け加えると、existence と availability だが、一見関係なさそうだが、<ない袖は振れぬ>、<ないカネは使えない>ということ考えれば、密接な関係がある。


sptt



 

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