Thursday, September 14, 2023

「は」と「が」の使い分け ー 昔々、あるところに

 

昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。ある日、おじいさん山へ芝刈りに、おばあ さん川へ洗濯に行きました。
 
は」と「が」の使い分け:新情報か既知情報か?
 
始めの<が>は、昔話の冒頭で、聞いている人にとっておじいさんとおばあさんが住んでいることが新しい情報のためです。続く<は>は、おじ いさんとおばあさんは一度登場してしいて、聞いている人にとって既に知っている情報(既知情報)となっているためです。
 
というのが一般的な説明。 

<なるほど>なのだが、反例はすぐにみつかる。
 
1)昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。ある日、おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行っているときに突然雷が鳴り、大雨が降りだしました。
 
これは<が>を<は>で置き換えられない。 
 
2)昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。ある日、おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行くと、突然雷が鳴り、大雨が降りだしました。
 
これも<が>を<は>で置き換えられない。
 
3)昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。ある日、おじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行こうとすると突然雷が鳴り、大雨が降りだしました。
 
これは<が>を<は>で置き換えられるが、やや不自然。 
 
4)昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。ある日、いつものようにおじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行くのをやめて、おじいさん川へ洗濯に、おばあさん山へ芝刈りに行きました。
 
これも<が>を<は>で置き換えられない。 後の方は
 
おじいさん川へ洗濯に、おばあさんは山へ芝刈りに行きました。
 
でもいい。
 
以上は<が>の他の用法が優先するためだ。
 
xxがyyするとき 
<xxはyyするとき>は習慣をあらわす。
 
xxがyyしようすると
<xxはyyしようすると>は習慣、必然的な結果をあらわす。
 
xxがyyする<の>を、は
xxがyyする<こと>を、は
<xxはyyする<の>、<こと>を、は ー ダメ
 
 いつものようにおじいさん山へ芝刈りに、おばあさん川へ洗濯に行くのをやめて

は、<いつものように>から<のをやめて>まで長い挿入があるが、日本人ならば、そして<のをやめて>が念頭にあれば。<が>がでてくるはずだ。
 
 ーーーーー
 
追記
 
これは最近発見したもの。まだ詳しくはチェックしていないが、仮定文ではほぼ間違いなく、条件文でも大体は<が>が使われるというもの。<昔々、あるところに>の話では話が進まなくなるが
 
 仮定文
 
昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。おじいさんが山へ芝刈りに行っても行かなくても、もしおばあさん川へ洗濯に行かないとすると、桃太郎に遭遇することはなかっただろう。
 
おじいさんが山へ芝刈りに行っても行かなくても
 
の方は<は>でもいい。 
 
 
条件文
 
昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。おじいさん山へ芝刈りに行っても行かなくても、適当な時に、おばあさん川へ洗濯に行くならば、桃太郎に遭遇することになる。
 
おじいさんが山へ芝刈りに行っても行かなくても
 
の方は<は>でもいい。 
 
以上はきれぎれになっているのと、みな短いので、長いのを作ってみた。
 
 
昔々、あるところにおじいさんとおばあさん住んでいました。ある日、いつものように、おじいさん山へ芝刈りに行こうとすると、おばあさん<今日はやめておいた方がいい>と言いました。おじいさんが<なぜだね?>とねると、おばあさん答えるには<まもなく雨が降り出すからだよ>。おじいさんだまっていると、まもなく雨が降り出しました。しばらくして雨がやむと、おばあさんが<川へ洗濯に行ってくる>と言って、出て行った。またしばらくして、おじいさん山へ芝刈りに行こうとすると、おばあさん大きな桃を抱えて帰って来た。
 
おじいさん<その大きな桃はどうした>と尋ねたが、おばあさんが黙っていたので、おじいさんが<泥棒はいけない>とさとしたところ、おばあさん答えて言うには<川で洗濯していると、川上から流れてきたので、すくいあげ、こうして家に持って帰りました。>

さて、おじいさんとおばあさん<どうしたものか>と顔を見合わせ、思案していると、その大きな桃が突然揺れ動き出して二つに割れ、中から男の子が出てきた。びっくりしたが、おじいさんとおばあさん近づくと、男の子が<桃から生まれた桃太郎。>と大黄な声で叫んだ。
 
(以下略)
 
 

sptt


 


 

 

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