Sunday, December 9, 2012
形容動詞の分類 - 3 xxそうな、xxような、xxらしい-第三のリトマス試験紙
<xxそうな>、<xxような>、<xxらしい>は似かよった言葉だが、使い方は違う。あまり意識しないで使っているが文法法則がありそうだ。前後の接続方法を見てみる。
A.後ろにつく語
後ろにつく語は比較的簡単で文法法則にしたがう。<xxそうな>、<xxような>には<な>があり、形容動詞と同じ活用(接続、中断、終止)方法だ。
静かな
<静か>で(中断)、、、
<静か>である
<静か>で(は)ない
<静か>になる
<静か>にする (自己を含め対象を<静か>にする)
<静か>に行う(連用形、副詞用法)
<静か>だ
<静か>だった
<静か>な (連体形)
<静か>ならば (仮定形)
一方、 <xxらしい>は純形容詞語尾で、、形容詞と同じ活用(接続、中断、終止)方法だ。
美しい
美しくなる (連用形、副詞用法)
美しくする (連用形、副詞用法)
美しい (終止形)
美しい (連体形)
美しければ (仮定形)
B.前につく語
前につく語は比較的複雑。
<xxそうな>
大体形容詞か形容動詞がつくが、名詞も動詞にもつく。
形容詞につく - よさそうな、わるそうな、うまそうな、まずそうな、うつくしそうな、うれしそうな、きたなそうな、寒そうな
厳密には形容詞の語幹<よさ>(*)、<わる>、<うま>、<まず>、<うつくし>、<うれし>、<きたな>、<さむ>につく。(*)<よさ>は<よい>の語幹ではなく<名詞形>だ。<わるい>の名詞形は<わるさ>。<さ>一般的に程度を示す。<濃い>も<濃さそうな>になる。
形容動詞につく - 静かそうな、にぎやかそうな; 危険そうな、不安そうな、厳格そうな(*)
これも厳密には形容動詞の語幹<しずか>、<にぎやか>、<危険>、<不安>、<厳格>につく。
名詞につく - 危険そうな、不安そうな、厳格そうな(*)
<危険>、<不安>、<厳格>は形容動詞の語幹と見ることもできるが、名詞(体言)と見ることもできる。
動詞につく - しそうな、やりそうな、来そうな、行きそうな、食べそうな
動詞の連用形につく。
<xxような>
形容詞につく - よいような、わるいような、うまいような、まずいような、うつくしいような、うれしいような、きたないような、寒いような
形容詞の終止形につく。
形容動詞につく - 静かなような、にぎやかなような; 危険なような、不安なような、厳格なような
形容動詞連体形につく。
名詞につく - 危険ような、不安ような、厳格ような
危険、不安、厳格を名詞と見ると(ほぼそう見れる)上のようになる。<xxそうな>と違って、このようには言わない。何かおかしい。なにかありそう。
普通は
危険なような、不安なような、厳格なような
のように<な>がつく。
一方<xxような>は前に<の>を置くとほぼ自由に名詞につく。
トラのような、山のような、うみのような、うそのような、男のような、女のような、政治のような、経済のような、経済学者のような、文学のような、文学者のような、音楽のような、音楽家のような
<危険>、<不安>、<厳格>も<の>をつけて、< 危険のような>、<不安のような>、<厳格のような>は可能だ。ただし、用途は限られるようだ。
<危険>、<不安>、<厳格>は形容動詞の語幹と見ることもできるが、名詞(体言)と見ることもできる。
動詞につく - するような、やるような、来るような、行くような、食べるような
動詞の終止形につく。
<xxらしい>
形容詞につく - よいらしい、わるいらしい、うまいらしい、まずいらしい、うつくしいらしい、うれしいらしい、きたないらしい、寒いらしい
形容詞の終止形につく。
形容動詞につく - 静からしい、にぎやからしい; 危険らしい、不安らしい、厳格らしい
形容詞の語幹<静かか>、<にぎやか>、<危険>、<不安>、<厳格>につく。
名詞につく - 危険らしい、不安らしい、厳格らしい
<危険>、<不安>、<厳格>は形容動詞の語幹と見ることもできるが、名詞(体言)と見ることもできる。
一方<xxらしい>は前になにもおかずにそのままほぼ自由に名詞につく。
トラらしい、山らしい、海らしい、うそらしい、男らしい、女らしい、政治らしい、経済らしい、経済学者らしい、文学らしい、文学者らしい、音楽らしい、音楽家らしい
以上の場合<xxらしい>は少なくとも次二つの意味がある。
1) xxのように見える。 - 実際に対象を見ている場合
2) xxの特徴、典型的な性情、性格、 姿をしめしている。- 実際に対象を見ている場合でも、実際には見ていない場合でもの可能。
実際に見ることができない対象の場合は意味が限られる。
政治らしい、経済らしい、文学らしい
以上は実際に見ることができない対象とみなせる。意味は限られ、普通は
いかにも政治らしい、いかにも経済らしい、いかにも文学らしい
で2)の意味になり、
どうも政治らしい、どうも経済らしい、どうも文学らしい
としても1)の意味にはなりにくい。
それでは<危険>、<不安>、<厳格>はどうか。これらは基本的には実際に見ることができない対象。これらには<xxらしい>がそのままつき、
危険らしい、不安らしい、厳格らしい
で、意味は1)の< xxのように見える>に近く、2)の<xxの特徴、典型的な性情、性格、 姿をしめして>はいない。
こう見ると<危険>、<不安>、<厳格>は名詞(体言)と言うよりは形容動詞の語幹に少し近くなる。少なくとも普通の名詞ではない。なにか特別な名前をつけた方がよさそうだ。
動詞につく - するらしい、やるらしい、来るらしい、行くらしい、食べるらしい
動詞の終止形につく。
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さて、話は複雑そうにみえるが、<A.後ろにつく語>と<B.前につく語>を加えて、実例を見ることにする。
<xxそうな>
初に述べたが<xxそうな>形容動詞と同じ活用(接続、中断、終止)方法だ。
<そう>で(中断)、、、
<そう>である
<そう>で(は)ない
<そう>になる
<そう>にする (自己を含め対象を<xxxそう>にする)
<そう>に行う(連用形、副詞用法)
<そう>だ
<そう>だった
<そう>な (連体形)
<そう>ならば (仮定形)
形容詞が前につく
<うまい>
<うま><そう>で(中断)、、、
<うま><そう>である
<うま><そう>で(は)ない
<うま><そう>になる
<うま><そう>にする (自己を含め対象を<うまそう>にする)
<うま><そう>に行う (連用形、副詞用法、<うまそう>に行う、食べる)
<うま><そう>だ
<うま><そう>だった
<うま><そう>な (連体形)
<うま><そう>ならば (仮定形)
問題ない。
形容動詞が前につく
<静かな>
<静か><そう>で(中断)、、、
<静か><そう>である
<静か><そう>で(は)ない
<静か><そう>になる(*)
<静か><そう>にする (自己を含め対象を<静かそう>にする)(*)
<静か><そう>に行う(連用形、副詞用法、<静かそうに>行う)(*)
<静か><そう>だ
<静か><そう>だった
<静か><そう>な (連体形)
<静か><そう>ならば (仮定形>(*)
(*)<静かそうになる>、<静かそうにする>、<静かそうに行う>、<静かそうならば>が<静かになる>、<静かにする>、<静かに行う>、<静かならば>に比べれるとややおかしい。ほとんどこうは言わないだろう。
<静かそうならば>は仮定を強調して<もし静かそうならば>とすればおかしさは減る。
<にぎやかそうな>で試してみる
<にぎやか><そう>で(中断)、、、
<にぎやか><そう>である
<にぎやか><そう>で(は)ない
<にぎやか><そう>になる
<にぎやか><そう>にする (自己を含め対象を<にぎやかそう>にする)
<にぎやか><そう>に行う(連用形、副詞用法、<にぎやかそうに>行う)
<にぎやか><そう>だ
<にぎやか><そう>だった
<にぎやか><そう>な (連体形)
<にぎやか><そう>ならば (仮定形>(*)
問題ない。
もうしわけないがもう一度<静かな>の問題のあったところを検討してみる。今度は<静かな>を主役を花子としてみよう。
花子は<静か><そう>で(中断)、、、
花子は<静か><そう>である
花子は<静か><そう>で(は)ない
花子は<静か><そう>になる(*)
花子は<静か><そう>にする (自己を含め対象を<静かそう>にする)(*)
花子は<静か><そう>に行う(連用形、副詞用法、<静かそうに>行う)(*)
花子は<静か><そう>だ
花子は<静か><そう>だった
花子は<静か><そう>な (連体形)
花子が<静か><そう>ならば (仮定形>
<花子が静かそうならば>はいいが、<花子は静かそうになる>、<花子は静かそうにする>、<花子は静かそうに行う>はまだおかしい。
さらに検討する。 <花子が静かそうならば>がいいのは普段は静かでない花子を<静かそうならば>と仮定しているからか?
<そう(な)>には<xxそうに見える>意外に<xxそうに見せる>、<xxそうにふるまう>といった意味がある。意図的な行為だ。
<不安そうな>
<不安><そう>で(中断)、、、
<不安><そう>である
<不安><そう>で(は)ない
<不安><そう>になる
<不安><そう>にする (自己を含め対象を<不安そう>にする)
<不安><そう>に行う(連用形、副詞用法、<不安そうに>行う)
<不安><そう>だ
<不安><そう>だった
<不安><そう>な (連体形)
<不安><そう>ならば (仮定形>
これはまったく問題ない。 <不安そうな>のが当然ヒトと考えるからだろうか。
上記の<そう(な)>には<xxそうに見える>で、<xxそうに見せる>、<xxそうにふるまう>といった意味はないとは言えないが、うすい。 たとえば、演劇練習などで、<もっと不安そうにしてください>とは言える。 <もっと不安そうに見せてください>、<もっと不安そうにふまってください>の意だ。
<厳格な>を試してみる。
<厳格><そう>で(中断)、、、
<厳格><そう>である
<厳格><そう>で(は)ない
<厳格><そう>になる
<厳格><そう>にする (対象を<厳格そう>にする)
<厳格><そう>に行う(連用形、副詞用法、<厳格そうに>行う)
<厳格><そう>だ
<厳格><そう>だった
<厳格><そう>な (連体形)
<厳格><そう>ならば (仮定形>
<不安な>ほどではないが、すべてよさそうだ。
太郎は厳格そうになる。
花子は太郎を厳格そうする。
上に述べた<そう(な)>には<xxそうに見える>意外に<xxそうに見せる>、<xxそうにふるまう>といった意味がある。意図的な行為だ。
<危険そうな>
<危険><そう>で(中断)、、、
<危険><そう>である
<危険><そう>で(は)ない
<危険><そう>になる
<危険><そう>にする (対象を<危険そう>にする)
<危険><そう>に行う(連用形、副詞用法、<危険そうに>行う)
<危険><そう>だ
<危険><そう>だった
<危険><そう>な (連体形)
<危険><そう>ならば (仮定形>
<厳格な>とほぼ同じ。
sptt
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