Wednesday, December 19, 2012

xxてもらう、xxてくれる、xxてやる



<してもらう>と<let>の違いについてかいたが、<let>が比較的簡単明瞭なのに対して<してもらう>はかなり日本人の対人関係に対するある種特殊な考え方が絡んで複雑。さらに事態を複雑にしているのが敬語用法だ。<xxてもらう>に関連した、xxてくれる>、<xxてやる>を含め下記のようになる。

xxていただく (謙譲語) -  xxてもらう (一般語)

お医者さんに見ていただく。 -  医者に見てもらう。

xxてくれる (一般語) - xxてくださる (尊敬語)

医者が見てくれる。  -  お医者さんが見てくださる。

xxてあげる(謙譲語)-  xxてやる (一般語)

わたしが見てあげましょう。 -  おれが見てやる。


日本人は慣れているせいか、ほぼ間違いなくつかえるが、外国人がこれらを使い分けるのは至難のわざだろう。

未然形につく受身(被害、迷惑、難儀がふくまれる)、尊敬、自発、可能の<れる>、<られる>、使役の<せる>、させる>の助動詞類は必ず日本語の文法書にでてくるが、前に来る行為の動詞は連用形で簡単なためか、<xxてもらう>、<xxてくれる>、<xxてあげる、<xxてやる>の説明が出てくるとは限らない。これらは意味からすると十分助動詞の資格がある。

動詞の連用形が<xxてもらう>、<xxてくれる>の前にくると<もらう>、<くれる>は<与えられる>ではなくなる。同じように<xxてあげる>、<xxてやる>の前にくるとは<あげる>、<やる>は<与える>ではなくなる。

買ってもらう(くれる)
してもらう(くれる)
取っもらう(くれる)
持ってもらう(くれる)
許してもらう(くれる)

買ってあげる(やる)
してあげる(やる)
取ってあげる(やる)
持ってあげる(やる)
許してあげる(やる)

基本的にどんな動詞にも付き、意味としては<xxてもらう>、<xxてくれる>は<私(私たち)のために>、<xxてあげる、<xxてやる>は<あなた(あなたたち)のために>の意が言外にかなり強く含まれている。言葉のおもしろいところだ。

sptt

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