Saturday, December 1, 2012
形容詞と形容動詞判定のリトマス試験紙<さ>
<さ>は形容詞や形容動詞について<度合い、程度、ほど>をを示す。
形容詞に<さ>をつけてみる。
よい ---> よさ (よいこと)
わるい ---> わるさ (わるいこと)
うつくしい ---> うつくしさ (うつくしいこと)
だのしい ---> たのしさ (たのしいこと、たのしみ)
うれしい ---> うれしさ (うれいこと)
くるしい ---> くるしさ (くるしいこと、くるしみ)
形容動詞に<さ>をつけてみる。
しずかな ---> しずかさ
おだやかな ---> おだやかさ
綺麗な ---> 綺麗さ
安全な ---> 安全さ
危険な ---> 危険さ
大胆な ---> 大胆さ
変な ---> 変さ (あまりしっくりしないが、OKと見なせる)
例は以上にとどめるが、大和言葉よりも漢語由来の形容動詞が圧倒的に多い。意味的に形容詞として使える漢語であれば日本語の形容動詞になる。漢語由来の形容動詞がないとすると、日本語で世の中の現象の度合いを示すのにこまるだろう。
ためしに動詞につけてみる。<さ>は<度合い、程度、ほど>を示す<体言化の辞>と見なせるので連体形に<さ>がつくだろう。
読む ---> 読むさ
買う ---> 買うさ
見る ---> 見るさ
蹴る ---> 蹴るさ
来る ---> 来るさ
する ---> するさ
なる ---> なるさ
<さ>は形容詞の場合と違って動詞の<度合い、程度、ほど>を示してはいない。動詞の<度合い、程度、ほど>を示すのは<早く、ゆっくり>、<たくさん、少し>、<大きく、小さく>などの副詞だ。<度合い、程度、ほど>そのものを示す場合は<読む度合い>、<読む程度>、<読むほど(に)>などという。
名詞につけてみる。
山 ---> 山さ ---> 山らしさ
川 ---> 川さ ---> 川らしさ
花 ---> 花さ ---> 花らしさ
鳥 ---> 鳥さ ---> 鳥らしさ
犬 ---> 犬さ ---> 犬らしさ
ヒト ---> ヒトさ ---> ヒトらしさ
社会 ---> 社会さ ---> ヒトらしさ
経済 ---> 経済さ ---> 経済らしさ
政治 ---> 経済さ ---> 経済らしさ
科学 ---> 経済さ ---> 経済らしさ
名詞は何らかの性質、属性をもっているので<度合い、程度、ほど>はある。だが、<さ>ではなく、<らしさ>がつく。<らしい>は名詞を形容詞化する形容詞<語尾>といえよう。
らしくない (らしからぬ)
らしい。
らしいヒト、モノ
らしければ
らしけれ
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以前に検討した日本語にない形容詞の代用用法
おなかがすいた ---> おなかのすきさ(度合い、程度、ほど)
のどが渇いた ---> のどの渇きさ(度合い、程度、ほど)
準備ができた ---> 準備のできさ(度合い、程度、ほど)
日本語らしいのは<具合>で
おなかのすき具合
のどの渇き具合
準備のでき具合
異なる ---> 異なりさ(度合い、程度、ほど)
異なった ---> 異なりさ(度合い、程度、ほど)
以上は<xxxさ>はだめで、<xxxさ度合い、程度>と<xxxさのほど>になる。<さ>だけでは<度合い、程度、ほど>あらわせない。これも
異なり具合
なら具合がいい。
同じ(な)---> 同じさ(度合い)
<同じ>はほぼ形容動詞で、<同じさ>でも<同じさ度合い、程度><同じさのほど>でもいいいうだ。これは
同じ具合
は具合がわるい。
したがって、 <さ>は形容詞と形容動詞だけにつくとみなしていいだろう。<さ>は形容詞と形容動詞判定のリトマス試験紙として使えるのではないか。
sptt
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