Friday, December 21, 2012
<たつ>、<たてる>の多義性-2 <立つ>と<to stand>
ごく簡単には<立つ>と<to stand>と、あるいは<to stand>は<立つ>と訳されるが、<立つ>と<to stand>とは似て非なるもので、それぞれのごく一部が overlap する程度で基本的な意味はかなり違う。
英語の<to stand>にはつぎのような意味がある
to stand up (立ち上がる)
to stand against (xxに反対して立ち上がる)
to stand out (目立つ)
以上はまあいい。とこれで次の例はどうか?
to stand by (スタンバイ)(辞書に寄ると、これ以外に<脇に立って傍観する>という意味も或る)
I cannot stand it. (耐えられない、がまんできない)
to stand by (スタンバイ)は<準備ができている、準備が出来ている状態になる(する、ただし自動詞)>といった意味だが、<たつ(立つ)>にはどうもこの意味がないようだ。<浮き足立つ>、<爪先立つ>という慣用表現はあるが、<落ち着きを失う>、<逃げる準備をする>といった意味だ。
重要なのは<I cannot stand it.>で、英語の<to stand>は他動詞として<耐える>の意味がある。英語で他動詞として<立つ>(to stand)>には<しかりと立っている>、<倒れないで立っている>、<立ち踏みとどまる>という意味がある。日本語の<立つ>にこの意味はない。
一方日本語の<立つ>には自発的な意味の <横のものが縦になる>の意味と<何かが(風、きり、ほこりの類)周囲に広がっていく>といった意味がある。特に後者は日本語の<立つ>に特有の意味で、これは英語の<to stand>にはまったくないといっていい。
例
香りが立つ
風が立つ
霧が立つ
煙が立ちのぼる
波が立つ
ほこりが立つ
英語では<to become to appear)>、<to start to rise>、<to show up>になろう。
sptt
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