Wednesday, July 14, 2021

助ける -助かる

 

<けるーかる>動詞をチェックしてみる。

前回のポスト” あずける-あずかる、さずける-さずかる: 日本語の受身他動詞 " で

受ける - 受かる
あずける-あずかる
さずける-さずかる

をチェックしてみた。結論は出てないがおもしろい文法問題だ。

助(たす)ける (他動詞) - 助かる (自動詞)

をチェックしてみる。

次郎は、仕事で、美代子を助けた。

Jiro helped Miyoko in work.

美代子は、仕事がはやく終わって、助かった。

は英語でなんと言う?

 Miyoko was helped as the work finished early.

では英作文で30点ぐらいではないか? <助かった>は受身の<(誰かに)助けられた>ではない。

The early finished work helped Miyoko.

で50点ぐらいか?

次郎は美代子の命を助けた。
美代子は命が助かった。

<は>と<が>の問題はあるが、<助ける>は他動詞、<助かる>は自動詞。

英語では、命がからむこのような場合 to help ではなく to save (救う)だろう。<美代子は命が助かった>の主語は美代子ではなく命だ。

命が助かった。

The life was saved.

 でいいだろう。受身になる。

 だが上のように

美代子は、仕事がはやく終わって、助かった。

Miyoko was helped as the work finished early.

の英訳は半分以上間違いだろう。

強調したいので、繰り返しになるが、<助かる>は自動詞で、他動詞<助ける>の受身形<(誰かに)助けられた>ではない、のだ。花子は、助かろう、助けらようとしないで、自然(自動的)に、助かった、ような感じがある。ここがポイント。

イタリア語の再帰動詞風で

 Miyoko helped herself as the work finished early.

他人が美代子を助けるよりもよさそうだが、これもイマイチだ。to relive を使って

 Miyoko was relieved as the work finished early.

とすると、少しよくなる。<花子は苦労から解放された>といった意味だ。

これまたイタリア語の再帰動詞風で

Miyoko relieved herself as the work finished early.

はどうか?イタリア語の再帰動詞を引き合いに出しているのは、

 Miyoko was relieved では誰が何が Miyoko を助けたが表わされていない。

一方再帰動詞の

Miyoko relieved herself では Miyoko が自分自身をを助けたという表現なのだ。<自分自身をを助ける>、あるいは<自助>は言葉上は可能だが、実際にはナンセンスに近い。だがコンセプトとして<自分自身をxxする>という表現は相当有効で、英語ではほとんど使われないがイタリア語で、この再帰動詞用法がないとイタリア語生活が成り立たないほど頻繁に、ごく日常的によく使われる。なぜかというと

1) 自分自身を助ける(他動詞)-> (自分自身が)助かる(自動詞)

という <他動詞->自動詞>変換になるのだ。

2)日本語では<自分自身を>、英語では<oneself>(<を>が含まれている直接目的語)と、多音節で長くなるが、イタリア語では<si (mi、ti) でごく短かく、使う(発音する)のに便利なのだ。

ところで、さらには神の助けを借りて

God helped Miyoko to make the work finished early.

はどうか?

ところで、これ、最近は to のない

God helped Miyoko make the work finished early.

とも言うようだ。 to make は使役で to が要らないので、この英語は to がまったくない画期的な英文ではないか。

英語で

Please help yourself.

という慣用表現があり、食事の時に<どうぞご自分でお取りください。(こちらはお手伝いしません)>の意で使われる。これは

Please serve yourself.

で言い換えらる。したがって to help = to serve と見ていい。 to serve はおもしろい動詞で

It serves you right.

という、これまた慣用表現がある。関連動詞の to deserve を使うと、これは

You deserve it.

ともいえる。

話がずれだしているが、<助かる>にもどると、<助かる>は<助ける>の受動形ではなく、他動詞<助ける>の自動詞形といえる。だがこれはどういう意味か?

一方  to save はto save a life (命を救う)以外に to save money, time, etc で<xxを節約する>という意味がある。

美代子は、仕事がはやく終わって、助かった。

美代子は、仕事がはやく終わって、費用、時間が節約された。

の意味も考えられる。

 

sptt

 

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